
日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」の内容を反映し、更新しました
執筆:薬剤師 五百川彰仁
高血圧と聞くと、「このままで大丈夫かな?」「薬を飲んだほうがいいのかな?」と、不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、日々のちょっとした習慣を見直すだけでも、血圧は少しずつ改善が期待できます。
本記事では、日常生活で実践できる予防や改善のヒントとともに、薬の正しい使い方についてもわかりやすくお伝えします。


高血圧とは?まずは正しく理解しよう
高血圧とは、慢性的に血圧が基準値より高い状態を指します。診察室血圧*で上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上のいずれかに該当すると高血圧と診断されます。※1 自覚症状が少ないため放置されやすく、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気につながることもあるため早期の対策が大切です。
*診察室血圧:医療機関の診察室で医師や看護師が測定した血圧の数値
まずは薬に頼らない生活習慣での予防・改善策
「できれば薬を使わずに血圧を下げたい」という方も多いと思います。まずは、日々の生活を見直すことから始めてみましょう。血圧を安定させるために効果的な方法をご紹介します。
減塩・野菜中心の食事|カリウム・カルシウムの活用も
食塩の摂取を減らし、野菜・果物・乳製品を積極的に摂取することが血圧改善に有効とされています。特にカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。※2
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有酸素運動を日常に取り入れるコツ
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を、1日30分を目安に週に数回行うのが理想的。継続することで、血圧の安定だけでなく、心肺機能の向上やストレス軽減にもつながります。
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睡眠・ストレス管理も血圧に影響する
十分な睡眠時間の確保や、ストレスを上手に発散することも血圧管理の重要なポイントです。深呼吸、音楽、趣味など、自分に合ったリラックス法を見つけることが大切です。
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肥満の解消
体重を適正に保つことは、高血圧の予防に欠かせません。
節酒・禁煙のすすめ
アルコールは控えめにし、禁煙にも合わせて取り組みましょう。飲酒と喫煙の改善は、薬に頼らず血圧を下げる有効な方法です。
頑張っても改善が難しい時は薬の力も必要
生活習慣の改善だけでは血圧の目標値に届かないこともありますが、薬による治療を組み合わせることで、改善につながります。
目標とされる血圧値は、通常「家庭血圧は、125/75mmHg未満」。
それ以上の改善が必要な場合には薬の併用が推奨されます。
特に、重度と言われるⅢ度高血圧(180/110mmHg以上)では、速やかな薬物療法が推奨されています。
かかりつけの医師と相談しながら、自分に合った治療を行っていきましょう。
「薬に頼る=負け」ではない|血圧管理の本当の目的
薬を使うことは、決して“妥協”ではありません。高血圧の治療目的は、血圧を安定させて脳や心臓への負担を減らすこと。
自分の体を守る前向きな選択として、正しく薬を活用していきましょう。
高血圧治療薬(降圧薬)の副作用を恐れすぎない
高血圧治療薬(降圧薬)には、ARB、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬などいくつかの種類があります。
副作用が心配な方もいるかもしれませんが、医師は体質や症状に合わせて適切に処方しますので、 自己判断せず、不安は遠慮なく相談しましょう。
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季節で変わる血圧|冬にだけ薬を追加する例も
血圧は季節によって変動します。
特に冬場は寒さで血管が縮まりやすくなるため血圧が上がりやすく、さらには朝方の冷え込みによって起きてすぐの時間帯に血圧が急に上がることがあるため、早朝高血圧に注意が必要です。
そこで、冬の間に薬を一時的に追加するケースもあります。逆に春先や夏には薬が効きすぎてしまうこともあるため、季節による血圧の変動に応じて柔軟に対応していくことが大切でしょう。
行動変容を続けるコツ|小さな一歩と仕組み化
すべてを完璧にやろうとせず、「1つだけ」でも行動を始めることが第一歩です。
例えば、「1日1回、血圧を測る」「外食では減塩控えめのメニューを選ぶ」など、小さな行動を積み重ねることが大切です。
Welbyマイカルテの「行動目標設定」機能を活用すると、「今日やること」や「できたこと」を記録に残せます。
まとめ|“血圧を安定させること”が最終目標
生活習慣の見直しで血圧が安定すれば理想的ですが、すべての人に同じ方法が合うわけではありません。
大切なのは、「自分にできること」を見つけて、少しずつ続けること。 薬の力も必要に応じて上手に取り入れながら、無理のないペースで血圧を整えていきましょう。
毎日の小さな積み重ねが、将来の大きな安心につながります。
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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。
◆参考文献
※1:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
※2:厚生労働省 e-ヘルスネット


