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牛乳で血糖値は下がる?血糖値を上げにくくする飲み方・適量・注意点を解説

牛乳で血糖値は下がる?血糖値を上げにくくする飲み方・適量・注意点を解説

執筆:看護師 図司真澄

牛乳は毎日の食事で身近な飲み物ですが、「血糖値に影響するのでは?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

実際、牛乳には糖質が含まれているものの、食後血糖値が急激に上がりにくいのが特徴です。また近年では、牛乳や乳製品の摂取によって、2型糖尿病の発症リスクが低くなる可能性も報告されています。

この記事では、牛乳と血糖値の関係をはじめ、血糖値を上げにくくする飲み方や適量、注意点についてわかりやすく解説します。

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牛乳と血糖値の関係は?特徴とポイント

「牛乳は血糖値が気になる人でも飲んでよいのか?」という疑問を持つ方も多いかもしれません。

まずは、牛乳と血糖値の基本的な関係や、健康面で注目されているポイントを見ていきましょう。

牛乳はなぜ血糖値が上がりにくい?GI値とたんぱく質の働き

牛乳には「乳糖」と呼ばれる糖質が含まれています。そのため、飲むと血糖値は一定程度上昇します。

ただし、牛乳は白米や甘いジュースのように、血糖値を急激に上げやすい飲み物ではありません。

その理由の一つが、「GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す指標)」が比較的低いことです。

一般的に、GI値が高い食品ほど血糖値が急上昇しやすいとされています。

牛乳のGI値が低めとされる理由の一つが、たんぱく質や脂質を含んでいる点です。牛乳に含まれるホエイプロテインやカゼインなどの乳たんぱく質は、糖質の吸収スピードを緩やかにする可能性があると考えられています。

そのため、牛乳は砂糖入り飲料やジュースと比べると、血糖値への影響が比較的穏やかな飲み物といえるでしょう。

また、海外の研究では、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を日常的に摂取している人で、2型糖尿病の発症リスクが低い傾向も報告されています。(※1)

背景としては、乳製品に含まれるカルシウムやマグネシウム、乳たんぱく質などが、血糖値をコントロールする働きに関係している可能性があると考えられています。

【関連記事】血糖値スパイクのサインとは?食後の眠気・動悸の原因と対策を徹底解説

牛乳は糖尿病の合併症対策にもなる?心血管リスクとの関係

血糖値対策を考えるうえでは、糖尿病の合併症リスクとの関係も気になるところです。

糖尿病では血糖値だけでなく、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった心血管疾患のリスクにも注意が必要です。近年では、牛乳や乳製品の摂取と、糖尿病の合併症リスクとの関係についても研究が進められています。

日本人の2型糖尿病患者を対象とした研究では、牛乳・乳製品の摂取量が多い人ほど、メタボリック症候群や高血圧、慢性腎臓病(CKD)の割合が低い傾向が報告されました。(※2)

背景としては、乳製品に含まれるカルシウム、マグネシウム、ビタミンDなどが、血圧や代謝に良い影響を与える可能性が考えられています。

一方で、同じ研究では、血糖コントロールの指標であるHbA1cや空腹時血糖値については、はっきりした関連は確認されませんでした。 

つまり、すでに2型糖尿病と診断されている人において、「牛乳を飲むことで血糖値が改善するとまでは言えない」という結果でした。

また、牛乳・乳製品を多く摂っている人では、LDLコレステロールが高い傾向もみられています。

そのため、「牛乳は健康に良いから多く飲めばよい」というわけではありません。牛乳はあくまで健康的な食生活の一部として、適量を意識しながら取り入れることが大切です。

牛乳の種類によって血糖値への影響は変わる?

スーパーにはさまざまな種類の牛乳が並んでいますが、種類によって栄養成分や血糖値への影響は異なります。血糖値が気になる場合は、それぞれの特徴を知って選ぶことが大切です。

種類特徴
牛乳生乳100%を加熱殺菌した一般的な牛乳
成分調整牛乳水分や乳脂肪分などを調整したもの
低脂肪牛乳脂質を減らしてカロリーを抑えたタイプ
無脂肪牛乳脂質をほとんど含まない
加工乳生乳に乳製品(クリーム・脱脂粉乳など)を加えて成分調整したもの
乳飲料コーヒー・果汁・砂糖などを加えた飲料

一般的な牛乳は、たんぱく質や脂質、カルシウムなどをバランス良く含んでいます。適度な脂質が含まれることで、糖質の吸収が比較的ゆるやかになりやすい点が特徴です。血糖値が気になる人にも取り入れやすいタイプといえるでしょう。

成分調整牛乳は、水分や乳脂肪分などを調整して飲みやすくしたタイプです。通常の牛乳よりあっさりした味わいの商品も多く、飲みやすさを重視したい人に向いているでしょう。

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は、脂質を減らしているため、通常の牛乳よりカロリーを抑えやすい傾向があります。一方で、脂質が少ないことで満腹感が続きにくい場合もあります。脂質やカロリーを控えたい人、体重管理を意識している人には選択肢の一つになるでしょう。

加工乳は、生乳にクリームや脱脂粉乳などを加えて成分を調整したものです。商品によっては糖質量が多い場合もあるため、血糖値が気になる方は栄養成分表示を確認すると安心です。

また、乳飲料には砂糖や果汁を加えている商品も多く、糖質量が多くなりやすいため注意が必要です。特にコーヒー牛乳やフルーツ系乳飲料は血糖値を上げやすい場合もあります。

甘い飲み物を控えたい人や、血糖値が気になる人は、日常的に飲みすぎないよう意識するとよいでしょう。

血糖値を上げにくくする牛乳の飲み方・適量・注意点

同じ牛乳でも、飲み方や量によって血糖値への影響は変わる可能性があります。特に、飲むタイミングや選ぶ種類によっては、血糖値の急上昇を抑えやすくなることもあります。

ここでは、牛乳を上手に取り入れるためのポイントや注意点をみていきましょう。

血糖値を上げにくい飲み方(タイミング・食前など)

牛乳は飲み方を工夫することで、血糖値への影響を抑えやすくなる可能性があります。特に意識したいのが「飲むタイミング」です。

一般的に、牛乳は食前や食事中に取り入れると、食後血糖値の急上昇を抑えやすいとされています。牛乳に含まれるたんぱく質や脂質によって糖質の吸収スピードが緩やかになるためです。

一方で、空腹時に甘い乳飲料を単独で飲むと、糖類を多く摂取しやすくなるため注意が必要です。特にコーヒー牛乳やフルーツ系乳飲料は、砂糖が多く含まれている場合があります。

血糖値対策では、牛乳の種類だけでなく、飲むタイミングや量も意識することが大切です。

適量の目安と飲みすぎのリスク

牛乳は栄養価の高い飲み物ですが、飲みすぎには注意が必要です。1日あたりの目安は、コップ1〜2杯(200〜400ml程度)とされています。

牛乳にはカルシウムやたんぱく質が含まれている一方で、カロリーや糖質、脂質も含まれているため、飲みすぎるとエネルギーの摂りすぎにつながる場合があります。

特に、間食や甘い飲み物とあわせて摂る習慣がある場合は、総摂取カロリーが増えやすくなるため注意が必要です。

「健康に良さそうだから」と大量に飲むのではなく、食事全体のバランスを意識しながら適量を取り入れることが大切です。

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を選ぶことで脂質を抑えやすくなります。一方で、乳飲料や加工乳の中には、砂糖などの糖類が加えられている商品もあるため、購入時には栄養成分表示を確認すると安心です。

牛乳による血糖値の変化を把握するには?管理のポイント

牛乳の種類や飲むタイミングによって血糖値の変化は異なるため、自分に合った飲み方を知ることが大切です。

牛乳による血糖値の変化には個人差があります。同じ量の牛乳を飲んでも、食事内容や体質、運動量などによって血糖値の変化は異なります。

そのため、「自分の場合はどう変化するのか」を把握することが重要といえるでしょう。特に血糖値が気になる方や糖尿病治療中の方は、食事や飲み物と血糖値の関係を記録することで、生活習慣を見直しやすくなります。

最近では、スマートフォンで血糖値や食事内容を記録できるアプリも増えてきました。たとえばWelbyマイカルテのような健康管理アプリを活用すると、血糖値や体重、食事内容などをまとめて記録しやすくなります。

毎日の変化を記録することで、「どの種類の牛乳が合っているか」「どのタイミングで飲むと血糖値が上がりにくいか」といった傾向も把握しやすくなるでしょう。

血糖値対策では、極端に我慢するよりも、自分に合った方法を見つけながら継続することが重要です。

まとめ|牛乳は飲み方次第で血糖値への影響が変わる

牛乳には糖質が含まれているものの、血糖値が急激に上がりにくい特徴があります。また、牛乳や乳製品を日常的に摂る人では、2型糖尿病の発症リスクが低い可能性も報告されています。

一方で、「牛乳を飲めば血糖値が下がる」とまでは言えないため、健康のためには飲み方や量を意識することが大切です。

また、血糖値への影響には個人差があるため、食事内容や体調とあわせて記録しながら、自分に合った飲み方を見つけていくこともポイントです。

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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。

◆引用文献:

※1:Gao D, et al. Dairy products consumption and risk of type 2 diabetes: systematic review and dose-response meta-analysis. PLoS One. 2013;8(9):e73965. doi:10.1371/journal.pone.0073965

※2:大隈俊明「牛乳・乳製品の摂取が糖尿病患者の血糖コントロールや合併症発症リスクに及ぼす影響:大規模コホート研究」乳の学術連合研究データベース(2021年)