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糖尿病は遺伝するのか?1型・2型の違いと遺伝リスク、発症を防ぐポイントを解説

糖尿病は遺伝するのか?1型・2型の違いと遺伝リスク、発症を防ぐポイントを解説

執筆:看護師 図司真澄

「親が糖尿病だから、自分もいずれなるのでは…」と不安に感じたことはありませんか。糖尿病は遺伝だけで決まる病気ではありませんが、体質として影響を受けることがあります。
糖尿病と遺伝の関係は誤解されやすく、正しく理解していないと必要以上に心配してしまうこともあります。糖尿病は「遺伝するのかどうか」だけでなく、「どう向き合えばよいか」を知ることが重要です。

この記事では、糖尿病と遺伝の関係を整理しながら、将来に備えるための考え方をわかりやすく解説します。

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糖尿病は遺伝する?知っておくべき真実と発症リスク

「家族に糖尿病の人がいるから、自分もなるのではないか」

そう感じている方も多いのではないでしょうか。遺伝という言葉だけが先行してしまうと、不安が大きくなりがちです。

この章では、糖尿病の種類ごとの違いをふまえながら、「遺伝とどのように関係しているのか」をわかりやすく解説します。

糖尿病の基本|1型・2型の違いと原因

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続く病気です。血糖値は膵臓から分泌されるインスリンによって調整されていますが、糖尿病はインスリンの働きが低下したり、うまく作用しなくなることで発症します。

糖尿病は「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分けられ、それぞれ症状の現れ方や治療方法に違いがあります。

1型糖尿病は、主に免疫の異常によってインスリンを作る細胞が破壊されることで起こる病気です。

比較的急に発症することが多く、強いのどの渇きや頻尿、体重減少などの症状が短期間で現れるのが特徴です。ただし、緩やかに進行するタイプも存在します。 

インスリンがほとんど分泌されなくなるため、治療ではインスリン注射が必要になります。

一方、2型糖尿病日本人に多いタイプで、ゆっくりと進行することが多く、初期にはほとんど自覚症状がないまま進むケースも少なくありません。

そのため、健康診断で初めて指摘されることも多いのが特徴です。治療は、まず食事や運動などの生活習慣の改善から始まり、必要に応じて薬やインスリンを使用します。

このように、糖尿病は種類によって症状の出方や進行の仕方、治療方法が異なります。そして、それぞれで遺伝の影響にも違いがあることを理解しておくことが大切です。次に、糖尿病と遺伝の関係について詳しく見ていきましょう。

糖尿病は遺伝する?家族歴がある人の発症リスク

結論からいうと、糖尿病は「必ず遺伝する病気」ではありません。ただし、「なりやすい体質」が関係することは分かっており、その影響の大きさは1型と2型で異なります。

まず1型糖尿病は、主に自己免疫の異常によって発症し、遺伝の影響はあるものの限定的とされています。家族に患者がいる場合でも、発症頻度はそれほど高くありません。

一方で、2型糖尿病は遺伝の影響を受けやすいといわれています(※1)。

実際の研究でも、家族歴がある人は、ない人と比べておよそ2〜3倍程度発症リスクが高くなることが示されています。

研究では、家族内(親、兄弟姉妹、祖父母)に糖尿病の人が多いほど、発症リスクは高くなる傾向がみられました。

例えば、糖尿病の親族が2人いる場合は約6倍、3人以上になると約12倍と報告されています。

また、祖父母・親・子といったように3世代にわたって糖尿病の家族歴がある場合には、発症リスクが約20倍程度まで高くなる可能性があるとされています(※2)。

このように、2型糖尿病は「遺伝の影響を受けやすい病気」であることは確かですが、発症には生活習慣も大きく関係しているのです。

看護師として患者さんと関わる中でも、「親が糖尿病なので心配していたけれど、生活習慣に気をつけていたことで発症していない」という方もいれば、生活習慣の影響で発症する方もいます。

糖尿病は遺伝だけで決まるものではないため、「家族にいる=必ず発症する」というわけではありません。こうした仕組みを知っておくことが、不安を必要以上に大きくしないためにも大切です。

遺伝があっても防げる?今日からできる糖尿病予防

遺伝があっても防げる?今日からできる糖尿病予防

「遺伝の影響があるなら、防ぐのは難しいのでは」と感じていませんか。  

しかし実際には、糖尿病は生活習慣によって発症リスクを大きく下げられることが分かっています。この章では、今日から無理なく取り組める予防のポイントを紹介します。

食事・運動などの生活習慣で発症リスクを下げる方法

糖尿病の予防で最も大切なのは、日々の生活習慣を整えることです。特に2型糖尿病は、食事や運動の影響を大きく受けるため、毎日の積み重ねが将来の健康に直結します。

食事では、食べ過ぎを防ぐことに加えて、栄養バランスを意識することが重要です。主食・主菜・副菜をそろえ、野菜から先に食べることで血糖値の急上昇を抑えやすくなります。 

運動は、ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられるものから始めるのがおすすめです。体を動かすことでインスリンの働きが良くなり、血糖値のコントロールにつながります。 

また、睡眠不足やストレスも血糖値に影響を与えるため、生活リズムを整えることも大切です。食事・運動・休養のバランスを意識することが、糖尿病予防の基本といえるでしょう。

さらに、遺伝リスクがある場合は「体重管理」が特に重要になります。研究では、家族に糖尿病の人が複数いる場合に、BMI25以上の肥満が重なると、2型糖尿病の有病リスクが高い傾向があると報告されています(※2)。

このことからも、遺伝的にリスクがある人ほど、「体重を増やさないこと」「肥満を予防すること」が非常に重要といえます。

また、糖尿病は初期には自覚症状がほとんどないため、早い段階で気づくことが難しい病気です。そのため、定期的に健康診断を受け、自分の血糖値や体の状態を把握しておくことが大切です。 

特に家族歴がある方は、「まだ大丈夫」と思っていても、知らないうちに血糖値が上がっていることもあります。健診結果を確認し、変化があれば早めに生活習慣を見直すことで、発症を防ぐことにつながります。 

遺伝リスクがある人ほど重要な血糖値・生活習慣の「見える化」

生活習慣を整えることが大切と分かっていても、「自分の状態がどう変化しているのか」が分からないと、対策は続きにくいものです。

そこで重要になるのが、血糖値や体重、食事内容などを“見える化”することです。

例えば、健康診断の結果を確認するだけでも、自分の血糖値の変化に気づくきっかけになります。

また、日々の食事や運動を簡単に記録することで、「食べ過ぎた翌日は体重が増えている」「運動した日は体調が良い」といった変化が見えてきます。

特に遺伝リスクがある人は、体の変化に早く気づくことが重要です。糖尿病は自覚症状が少ないまま進行することも多いため、「気づいたときには進んでいた」というケースも少なくありません。

こうした日々の変化を把握する方法として、スマートフォンの健康管理アプリを活用するのも一つの方法です。

例えば「Welbyマイカルテ」では、血糖値や体重、血圧、食事内容などをまとめて記録でき、日々の体調や生活習慣を一元的に管理できます。

さらに、Welbyマイカルテはマイナポータルと連携することで、特定健診の結果もアプリから振り返ることが可能です。

過去の健診データと血糖値の変化、日々の記録をあわせて確認することで、自分の体の状態の変化を時系列で把握しやすくなります。

記録を続けることで、生活習慣と体の変化の関係が見えやすくなり、「どの行動が良かったのか」「何を改善すべきか」が分かるようになります。

医療機関を受診する際にも記録をもとに相談できるため、より具体的なアドバイスを受けやすくなるでしょう。

特に遺伝リスクがある人にとっては、こうした管理が発症予防につながる重要な対策です。完璧を目指す必要はありません。まずは自分の状態を知ることから始めてみましょう。

まとめ|糖尿病は遺伝よりも生活習慣と管理がカギ

糖尿病は遺伝だけで決まる病気ではなく、なりやすい体質に加えて生活習慣が重なることで発症します。特に2型糖尿病は家族歴の影響を受けやすいものの、食事や運動、体重管理などによってリスクを下げることが重要です。

さらに、健診や日々の記録を活用して自分の体の変化を把握することが、早期の対策につながります。無理のない範囲で記録や習慣づくりを取り入れながら、自分に合った予防方法を見つけていきましょう。

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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。

◆引用文献:

※1:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」

※2:新潟大学「3世代(親、兄弟姉妹、祖父母)にわたり2型糖尿病の親族がいる人の2型糖尿病有病リスクは、まったくいない人の約20倍」