
執筆:看護師 図司真澄
確定申告や各種行政手続きのために、「マイナポータル」という言葉を耳にしたことがある方や、実際に利用したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年はマイナンバーカードの普及に伴い、マイナポータルを通じてさまざまな情報をオンラインで確認・手続きできるようになっています。
一方で、「マイナポータルは行政手続きのためのサイト」という印象を持ったまま、医療情報も確認できることをよく知らないという声も少なくありません。
本記事では、マイナポータルで確認できる医療情報の内容と、その範囲や注意点を整理したうえで、医療情報をどのように活かしていくとよいのかを分かりやすく解説します。


マイナポータルとは何かを簡単に整理
マイナポータルは、政府が運営する個人向けのオンラインサービスですが、「具体的に何ができるサイトなのか」は意外と知られていません。
まずは、マイナポータルの基本的な役割と、マイナンバーカードとの関係を整理していきましょう。
マイナポータルの基本的な役割
マイナポータルは、政府が運営する個人向けのオンラインサービスで、スマートフォンやパソコンから利用できます。行政手続きや自分に関する情報の確認などを、ひとつのサイトでまとめて行える仕組みです。
具体的には、次のような機能があります(※1)。
●主な行政手続き
引越しに伴う手続きや、パスポートの新規取得・更新、確定申告の事前準備など、一部の行政手続きをオンラインで進めることができます
●自分の情報の確認
健康保険証の登録状況、医療費や薬の記録、年金の情報など、行政機関が保有する自分自身の情報を確認できます
●行政からのお知らせ
行政機関から届く重要なお知らせや、申請中の手続きの状況、今後対応が必要な内容を一覧で確認できます
●利用履歴や情報提供の履歴確認
マイナポータルへのログイン履歴や、手続きのために行政機関の間でやり取りされた自分の情報の履歴を確認できます
●外部サービスとの連携
e-Taxやねんきんネットなどの外部サービスと連携し、入力の手間を減らしたり、手続きをスムーズに進めたりすることができます
このようにマイナポータルは、行政手続きのためだけのサイトではなく、「自分に関する情報をまとめて確認・管理することもできます。その中の一つとして、医療情報の確認機能も用意されています。
マイナンバーカードと医療情報の関係

紙の健康保険証からの移行が進み、マイナンバーカードを使う機会が増えてきましたが、「マイナポータルでどう使うのかがよく分からない」と感じている人も多いかもしれません。
マイナポータルで医療情報を確認する際は、まずスマートフォンやパソコンでマイナポータルの画面を開きます。次に、画面の案内に従ってマイナンバーカードを使ってログインします。
マイナンバーカードは、それ自体に医療や年金などの個人情報が入っているわけではなく、本人確認するためのものです。スマートフォンの場合は、カードをスマホにかざして読み取り、暗証番号を入れることで本人確認が行われ、その後に自分の医療情報を画面で確認できるようになります。
マイナポータルで確認できる主な医療情報
マイナポータルでは、行政手続きだけでなく、自分の医療情報を確認できることが特徴です。ただし、「何でも見られる」というわけではなく、確認できる内容にはあらかじめ決まった範囲があります。
ここでは、マイナポータルで実際に確認できる代表的な医療情報について、順番に見ていきましょう。
健康診断・特定健診の結果
健康診断や特定健診の結果は、「前回の健診ではどんな数値だったか」「数年前と比べて変化はあるか」といったことを確認したい場面で見返すことが多い情報です。
マイナポータルでは、こうした健診結果をオンライン上で確認できます。紙の健診結果を探さなくても、スマートフォンやパソコンから確認できるため、気になったときにすぐ振り返れる点が特徴です。
ただし、すべての健診結果が必ず表示されるわけではありません。健診の種類や受診した時期、制度の対応状況によって、確認できる内容や期間には差があります。マイナポータルは、健診結果を把握するための一つの手段として利用するとよいでしょう。
【関連記事】健康診断で血圧が高めと言われたら?年代別の正常値と再検査の基準を解説
予防接種・新型コロナワクチン接種記録
予防接種や新型コロナワクチンの接種記録は、「いつ、どのワクチンを接種したか」「何回目まで接種したか」を確認したい場面で役立つ情報です。
マイナポータルでは、こうした接種記録を画面上で確認できるため、証明が必要になったときや、次の接種時期を確認したいときの参考になります。
薬剤情報・処方内容
薬剤情報は、「これまでにどんな薬を使ってきたか」「同じ薬を以前にも処方されていないか」といったことを確認したい場面で見返されることが多い情報です。
マイナポータルでは、医療機関や薬局で処方・調剤された薬剤情報を確認できる場合があります。
医療機関を受診する前に、これまでの薬の情報を整理しておきたいときの参考資料として活用できます。
マイナポータルの医療情報はどこまで見られるのか|注意点

マイナポータルでは、健診結果や薬剤情報などの医療情報を確認できますが、「医療に関する情報がすべて見られる」というわけではありません。安心して利用するためには、どこまで確認できて、どこからは見られないのかをあらかじめ理解しておくことが大切です。
ここでは、マイナポータルの医療情報を利用するうえで、特に知っておきたい注意点を整理します。
すべての医療情報が表示されるわけではない
マイナポータルで確認できる医療情報は、制度に基づいて連携された一部の情報に限られています。診察内容の詳細や検査画像、医師の所見など、医療機関が保有するすべての診療情報が表示されるわけではありません。
また、自費診療に関する情報についても原則として表示されません。
たとえば、人間ドックや自由診療による検査・治療、保険適用外の処置などは、マイナポータルでは確認できないケースが一般的です。そのため、「病院で行った検査の結果がすべて見られる」「過去の診察内容が細かく分かる」といった使い方には向いていません。
マイナポータルは、医療情報を網羅的に管理するサービスではなく、本人が確認できる範囲の情報をまとめて見られる窓口として位置づけると分かりやすいでしょう。
情報はすぐに反映されないことがある
マイナポータルに表示される医療情報は、医療機関や制度を通じて登録・連携されたものが反映されます。そのため、健診や予防接種、薬の情報がすぐに画面に表示されるとは限りません。
受診や接種をした直後は、情報の反映までに時間がかかる場合があります。また、医療機関や薬局、健診の実施主体によって、対応状況や反映のタイミングに差が生じることもあります。
「まだ表示されていない=情報が登録されていない」とは限らないため、少し時間を置いてから確認する必要がある点を理解しておくと安心です。
マイナポータルにはデータの保存期間がある
マイナポータルは、医療情報を長期間保存し続けることを目的としたサービスではありません。
表示される医療情報には、制度ごとに保存期間が定められており、一定期間を過ぎると閲覧できなくなる情報があるため、注意が必要です。
そのため、「数年前の健診結果を見返したい」「過去の医療情報をまとめて残しておきたい」といった場合には、マイナポータルだけでは十分でないことがあります。
マイナポータルは、必要なときに確認するための仕組みとして利用することが前提となっています。
マイナポータルの医療情報を活用するポイント
マイナポータルは、医療情報を「管理し続ける」ためのサービスではありませんが、使い方を理解すれば、健康管理の出発点として役立てることができます。
ここでは、マイナポータルの特性を踏まえたうえで、医療情報を無駄にしない活用の考え方を整理します。
Welbyマイカルテとマイナポータル連携とは
これまで見てきたように、マイナポータルでは健診結果や予防接種記録、薬剤情報などの一部を確認できますが、表示される情報には範囲や保存期間があります。
そのため、「あとで見返そうと思ったときには表示されなくなっていた」というケースが起こる可能性もあります。
こうしたマイナポータルの特性を踏まえると、確認できた医療情報を自分の記録として手元に残しておくという考え方が一つの選択肢で、方法として、マイナポータル連携に対応した個人向け健康管理サービスの活用です。
Welbyマイカルテは、無料で利用できる健康管理アプリで、血圧をはじめ、血糖値、体重、服薬、食事、運動などの記録をまとめて管理できます。日々の記録を整理しておくことで、必要に応じて医師と情報を共有することも可能です。
Welbyマイカルテでは、マイナポータル連携を一度行うことで、健診情報や予防接種記録、薬剤情報などを取り込み、アプリ上で閲覧できます。
マイナポータルでは保存期間を過ぎた情報は閲覧できなくなりますが、Welbyマイカルテに取り込んだ医療情報は、自分の健康の記録として長期的に振り返ることができます。
【関連記事】Welbyマイカルテがリニューアル!-使い方を解説-
医療情報を長期的に管理できるメリット
医療情報は、そのとき一度確認して終わりではなく、時間をかけて振り返ることで意味を持つ情報でもあります。
特に健診結果や服薬の履歴は、数年分を並べて見て初めて変化に気づくことも少なくありません。
マイナポータルで確認できた医療情報を、長期的に見返せる形で残しておくことで、
- 過去と現在の数値を比較する
- 受診時に情報を整理して伝える
- 自分の健康状態を客観的に把握する
といった場面で役立ちやすくなります。
マイナポータルをきっかけに、「医療情報を自分で把握し、活かす」という意識を持つことが、健康管理を考える第一歩になるといえるでしょう。
高血圧など生活習慣病の管理にどう活かせるか
高血圧の管理を考えるうえでは、年に一度の健診結果だけでなく、日常の血圧の推移にも目を向けることが大切です。
日々の血圧は、生活習慣や体調の影響を受けやすく、継続して記録することで傾向が見えてくる場合があります。
Welbyマイカルテでは、血圧をはじめとした日常の数値を継続的に記録でき、加えて、マイナポータル連携を行うことで健診情報を取り込み、日常の記録と健診時の数値を並べて振り返ることが可能です。
日々の記録だけ、あるいは健診結果だけを見るのではなく、両方をあわせて確認することで、数値の変化をより具体的に把握しやすくなります。
まとめ
マイナポータルは、行政手続きだけでなく、健診結果や予防接種記録、薬剤情報などの医療情報も確認できる個人向けのオンラインサービスです。
ただし、確認できる情報には範囲や保存期間があり、すべての医療情報を長期的に管理できるわけではありません。
そのため、マイナポータルをきっかけに、医療情報を自分の記録として残し、振り返れる形で活用する視点が重要になります。
日常の血圧記録と健診結果をあわせて振り返ることで、高血圧など生活習慣病の数値の変化にも気づきやすくなります。マイナポータルを上手に活用しながら、自分の健康情報を把握する習慣を持つことが、健康管理を考える第一歩といえるでしょう。
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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。
◆引用文献:
※1:デジタル庁「マイナポータル 主なサービスと機能」


