
トマトジュースは、日々の健康管理に手軽に取り入れられる飲み物として人気があります。特に高血圧の予防・管理に関心がある方々から注目が集まっています。本記事では、トマトジュースの健康効果から、適切な選び方・飲み方までをわかりやすくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

トマトジュースで血圧は下がる?
トマトジュースは高血圧予防や改善に良いとされる飲み物の一つです。なぜ高血圧の人たちに選ばれているのか、トマトに含まれる注目成分や実際の研究結果などから、その理由を紐解いていきます。
毎日の習慣として取り入れる価値があるのか、詳しく見ていきましょう。
なぜ、高血圧の人に選ばれやすいのか?
高血圧は、自覚症状がないまま進行することが多く、「サイレントキラー」とも呼ばれます。放置すると、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、早めの対応が必要です。
薬に頼る前にまずは食生活から改善したいという方にとって、トマトジュースは手軽で続けやすい選択肢です。
トマトに含まれるリコピン・GABAの働き
トマトには、高血圧対策に役立つ可能性がある「リコピン」や「GABA(γ-アミノ酪酸)」が含まれています。リコピンは血管の老化を防ぐ抗酸化作用があり、GABAは自律神経を整えて血圧の上昇を抑える作用があるとされています。加熱・濃縮処理されたトマトジュースは、これら成分を効率的に摂取できる点も魅力です。
実際に効果があったという研究やデータ
ある研究では、食塩無添加トマトジュースを1年間摂取した人々の血圧が、平均して3〜5mmHg程度の血圧低下が見られたという結果が報告されています。日本国内の機能性表示食品にも、トマトジュースの血圧低下作用が明記されている製品があります。(※1)
食塩無添加トマトジュースが選ばれる理由

高血圧対策には「食塩無添加」のトマトジュースが推奨されています。塩分の摂りすぎは血圧上昇の大きな要因のひとつであり、トマトジュースを健康的に取り入れるためにはこの点が非常に重要です。
【関連記事】高血圧とは?基準・症状・原因を総まとめ!見逃しがちなサインと注意点
食塩入りとの違いとリスク
食塩入りのトマトジュースには、1杯(約200ml)あたり0.6g以上の塩分が含まれていることがあり、毎日飲むと塩分過多になりかねません。食塩無添加タイプを選ぶことで、高血圧リスクを避けながら安心して継続できます。
選ばれやすいトマトジュースとは?
人気があるのは、機能性表示食品タイプや、リコピンやGABAの含有量が明記されていて、味や価格のバランスも良く継続しやすい点が支持されています。
スーパーやネット通販で買うときに気をつけたい選び方のコツ
高血圧対策としてトマトジュースを選ぶ際には、以下の点を確認することが重要です。それぞれのポイントには、しっかりとした理由があります。
- 成分表示に「食塩無添加」「塩分0g」とあるか確認
高血圧の方にとって塩分の摂りすぎは避けるべき最大の要因です。塩分が添加されたトマトジュースでは、かえって血圧に悪影響を与える可能性があるため、食塩無添加の記載を必ず確認しましょう。 - 「リコピン」「GABA」など機能性成分の含有量が記載されているか
これらの成分には血圧の上昇を抑える働きがあるとされています。成分の含有量がきちんと表示されている商品は、健康効果をしっかり考えて作られている証拠です。目的に合った成分がしっかり入っているかを見極める目安になります。 - ストレートタイプか濃縮還元か(栄養価と風味が異なる)
ストレートタイプは加熱処理が少なく、トマト本来の味や栄養素が残りやすいのが特徴です。一方、濃縮還元は価格が手頃で続けやすいメリットがあります。自分の体調や味の好みに合わせて選ぶことが大切です。 - 継続しやすい価格帯か、パックや瓶のサイズが日常使いに適しているか
トマトジュースの効果を得るには毎日続けることが基本です。そのため、価格や容量が生活に無理なくフィットする製品を選ぶことが、長く健康習慣を維持するコツになります。
レビューや比較サイトの情報も活用しながら、自分の体質や生活スタイルに合ったトマトジュースを見つけていきましょう。目的を明確にし、それに合った商品を選ぶことが、健康への近道です。
血圧を意識する人のためにトマトジュースの上手な取り入れ方

せっかくトマトジュースを飲むなら、できる限り効果的に取り入れたいですよね。飲むタイミングや量、継続期間、さらには注意すべき点を知ることで、日々の健康管理に役立てることができます。ここでは、実践に役立つ具体的なアドバイスを詳しくご紹介します。
効果的なタイミングと飲む量
朝に飲むことで吸収率が高まり、血圧の上昇を抑える効果が期待できます。朝は副交感神経から交感神経に切り替わるタイミングであり、朝にGABAやリコピンを摂取することで、自律神経のバランスを整えやすくなります。目安は1日200ml程度。継続しやすい時間帯と量を意識しながら、無理のない習慣にしましょう。
1ヶ月続けるとどうなる?継続の大切さ
1ヶ月の継続摂取で血圧に変化が出たという研究報告があります。短期間では効果を実感しにくいかもしれませんが、体内では確実に変化が起こっていて、トマトジュースに含まれる成分は蓄積型の働きを持つため、毎日の積み重ねが重要です。併せて、減塩や運動などの生活改善と組み合わせれば、より確実に成果を得られるでしょう。
飲み過ぎには要注意
トマトジュースは健康に良いイメージがありますが、トマトジュースにはカリウムが多く含まれているため、飲みすぎ(カリウムの摂りすぎ)には注意が必要です。
健康な人であれば通常は問題ありませんが、腎機能が低下している方は、体内にカリウムが溜まりやすくなり、高カリウム血症を引き起こすことがあります。
高カリウム血症では、不整脈が起こったり、力が入りにくくなって筋力低下につながったりすることもあります。また、食塩や糖分が加えられている製品を無意識に大量に飲むと、血圧が上がりやすくなる場合もあります。
日々の健康づくりのためには、「適量を守ること」「成分表示を確認すること」「継続的に無理なく取り入れること」が大切です。
血圧の薬と一緒に飲む際は注意が必要か?
GABAを多く含むトマトジュースを飲んでいると、降圧剤との相乗効果で血圧が下がりすぎてしまうことがあります。
めまいや立ちくらみといった症状が現れた場合は、飲み方やタイミングの見直しが必要です。安全に続けるためにも、医師や薬剤師に相談の上、現在の薬と併用して問題ないかを確認しましょう。
オリーブオイルやリンゴ酢との組み合わせは有効?
リコピンの吸収率を高めるためには、脂質と一緒に摂るのが効果的とされています。
オリーブオイルを小さじ1杯ほどトマトジュースに加えると、吸収効率が向上するという研究もあります。
リンゴ酢には血糖値や血圧を緩やかに安定させる作用があり、トマトジュースとの相性も良好です。ただし味にクセが出るため、試しながら自分に合ったスタイルを見つけましょう。(※2)
生活習慣と血圧の関係を見える化する方法

トマトジュースだけでなく、日々の生活全体を見直すことが高血圧改善への近道です。
毎日の血圧を測定し、記録・可視化することで、どんな行動が良い変化を生んでいるのかが見えてきます。データをもとに自分の傾向を把握することで、より効果的な生活改善が可能になります。
【関連記事】血圧の正しい測定方法とは?注意点とアプリの活用について解説
家庭での血圧測定が重要な理由
家庭血圧は病院での測定よりも、日常生活に近い状況で得られる数値のため、高血圧の診断・治療方針の決定において非常に有効です。朝と夜、リラックスした状態で測定することで、より正確な傾向が把握できます。加えて、継続的な記録を行うことで、自分の体調の変化にも敏感になり、早期対策につながります。
生活改善と血圧の変化を把握する方法
塩分制限やトマトジュースの摂取といった具体的な改善策が、実際に血圧へどのように作用しているかを知るには、日々の記録が欠かせません。たとえば、「夜更かしをした翌日は血圧が高めだった」「ストレスが続くと血圧が上昇しやすい」など、自分特有のパターンが見えてきます。この気づきこそが、行動を継続する最大のモチベーションになります。
アプリ「Welbyマイカルテ」の活用で血圧管理を習慣化
毎日、血圧を記録しているつもりでも、忙しい日々の中でつい忘れてしまうこともあります。
そんなときに便利なのが、無料で使えるスマートフォンアプリ「Welbyマイカルテ」です。以下のような特徴があり、無理なく血圧管理を続けたい方にぴったりです。
- 血圧・体重・運動・食事などをまとめて記録できる
- 測定結果がグラフで表示され、変化が見える
- 服薬のリマインダー機能で飲み忘れ防止をサポート
- クラウド保存で、データが消える心配なし
生活の変化を実感することにも役立ちます。紙の手帳で続かなかった人にもおすすめで、日々の健康管理を“習慣化”できるアプリです。
このようなツールを活用し、自分の生活リズムを見直すことで、高血圧の予防・改善に役立てていきましょう。
↓『Welbyマイカルテ』ダウンロードはこちらから ↓

まとめ
トマトジュースは、高血圧対策に役立つ飲み物として注目されています。リコピンやGABAを含む「食塩無添加タイプ」を選び、1日200mlを目安に毎日継続することが効果的です。
ただし、飲み過ぎや成分の過剰摂取には注意し、医師の指導のもとで取り入れることも大切です。また、トマトジュースだけでなく、生活全体を見直し、日々の血圧を記録・可視化することで、より良い健康管理を実現できます。
※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。
◆引用文献
※1:Odai T, et al.Eur J Nutr. 2019;7: 2271-2279.
※2:Fielding JM, et al.: Asia Pac J Clin Nutr 2005; 14: 131-136.