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健康診断の結果はどう見る?判定区分・基準値・再検査の必要性をやさしく解説

健康診断の結果はどう見る?判定区分・基準値・再検査の必要性をやさしく解説

執筆:看護師 図司真澄

健康診断の結果が届いたものの、「A〜E判定の意味がよく分からない」「基準値を少し外れているけれど大丈夫だろうか」と不安になっていませんか。

健康診断の結果は、単に正常か異常かを判断するためのものではありません。数値の意味を理解し、これからどう行動するかを考えるための大切な情報です。

本記事では、健康診断の結果をどのような視点で読み取ればよいのか、そして数値をどう受け止め、行動につなげればよいのかを分かりやすく解説します。

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健康診断の結果はどう見る?まず確認すべきポイント

健康診断の結果には、判定区分や検査値、医師の意見など多くの情報が並びます。どこから見ればよいか分からず、数値だけを見て一喜一憂してしまう人も少なくありません。

ここでは、結果を見るときにまず押さえておきたい2つのポイントを解説します。

判定区分の意味と自分の検査値の位置を確認する

健康診断の結果で気になるのは、A〜Dなどと書かれた結果の判定区分です。

判定区分は健診機関により異なりますが、日本人間ドック・予防医療学会では、Aは異常なし、Bは軽度異常、Cは要再検査・生活改善、Dは要精密検査・治療とされています。(※1)

しかし、判定区分だけでは分からない部分もあります。判定がBでも、基準値の上限ぎりぎりなのか、それとも大きく外れているのかによって意味合いが異なることも。大切なのは、自分の検査値が基準値と比べてどの位置にあるのかを確認することです。

例えば、LDLコレステロールが基準値をわずかに超えている場合と、大きく超えている場合とでは、必要な対応が異なる可能性があります。

判定区分はあくまで行動の目安であり、具体的な数値の差を確認することが、健康診断の結果を正しく理解する第一歩です。

数値は正常・異常にかかわらず“経過”で見る

健康診断の結果で見落とされがちなのが、「これまでとの比較」という視点です。検査値が基準範囲内であっても、毎年少しずつ上昇している場合は注意が必要です。

一方、基準値を外れていても改善傾向にある場合は、生活習慣の見直しが成果につながっている可能性があります。

生活習慣病は、ある日突然発症するものではなく、長い時間をかけて進行することが多いとされています。そのため、健康診断の数値は単年の結果だけで判断するのではなく、過去の結果と並べて確認することが重要です。

健康診断の結果は「点」ではなく「線」で捉えるものです。正常か異常かという一時的な判断にとらわれず、数値の変化の方向を見ることが、将来のリスクを早めに察知することにつながります。

健康診断の主な検査項目と結果の見方

血液検査や血圧、BMIなど、健康診断の結果には多くの検査項目が並びます。数値が多すぎて、どれが重要なのか分からないと感じていませんか。

健康診断の結果は、それぞれの検査項目の意味を知り、「自分の体のどの部分を評価しているのか」を理解することが大切です。

身体計測(BMI・腹囲)

身体計測は、生活習慣病のリスクを評価する基本的な指標です。

BMI(体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)²で計算され、25以上は肥満と判定されます。肥満は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの発症リスクを高める要因の一つとされています。

腹囲は、内臓脂肪の蓄積を推測するための指標です。特定健康診査では、男性85cm以上、女性90cm以上が内臓脂肪型肥満の目安とされています。BMIが基準値内でも、腹囲が大きい場合は内臓脂肪が多い可能性があります。

体重だけに目がいきがちですが、BMIや腹囲にも注目してみましょう。さらに、現在の体型だけでなく、体重や腹囲が増加傾向にあるかどうかを確認することも大切です。毎年少しずつ増えている場合は、生活習慣の見直しを検討するサインかもしれません。

血圧検査

血圧は、心臓や血管にかかる負担を示す重要な指標です。一般に、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上は高血圧と定義されます。(※2)

ただし、健康診断で一時的に血圧が高くなることもあります。特に病院では「白衣高血圧」といって、普段は血圧が正常な方でも緊張して高くなることがよくあり、「いつもはもっと低いのになんでだろう」と驚かれる患者さんも多いです。

その他にも睡眠不足や直前の運動などが影響する場合もあるため、1回の測定だけで判断するのは適切ではありません。自宅での血圧測定結果や過去の数値と比較することが参考になります。

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多いため、「少し高め」と言われた段階で生活習慣を見直すことが予防につながります。塩分摂取量や体重の変化も合わせて確認するとよいでしょう。

【関連記事】健康診断で血圧が高めと言われたら?年代別の正常値と再検査の基準を解説

血液検査(脂質・血糖・肝機能・腎機能)

血液検査は、健康診断の中でも特に注目される項目です。

脂質では、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪が評価され、脂質異常症や動脈硬化リスクの指標となります。

脂質の数値を見るときは、単独の値だけでなく、LDLが高くHDLが低くなっていないかなどの組み合わせにも注目することが重要です。

血糖に関する項目では、空腹時血糖やHbA1cが測定されます。HbA1cは過去1〜2か月の平均的な血糖状態が反映されます。ただし、基準値内であっても上昇傾向が続いている場合は注意が必要です。

肝機能ではAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどが測定されます。飲酒習慣や肥満の影響を受けやすいほか、服用中の薬の影響で数値が変動することもあります。生活習慣だけで判断せず、総合的に見ることが重要です。

腎機能で確認されるのが血清クレアチニンやeGFRといった項目です。腎機能は年齢とともに徐々に低下することがありますが、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が続くと、腎臓に負担がかかりやすくなります。また、脱水や一部の薬剤の影響で一時的に数値が変動することもあります。

血液検査の結果は、1つの数値だけで判断するのではなく、複数の項目をあわせて確認することが重要です。血糖や脂質などが同時に上昇している場合は、生活習慣の影響が重なっている可能性があります。

尿検査

尿検査では、尿蛋白や尿糖などが確認されます。尿蛋白が陽性の場合、腎臓に負担がかかっている可能性も。ただし、一時的な体調や運動の影響で陽性になることもあります。

尿糖が陽性の場合は血糖値の上昇が疑われますが、血液検査の結果と合わせて判断することが必要です。尿検査は単独で診断するためのものではなく、他の検査項目と組み合わせて評価します。

尿検査の結果を見る際も、前年との比較が重要です。継続して陽性が出ている場合は医療機関での確認が望まれます。

健康診断の結果が悪かったら?再検査の目安と対処法

健康診断の結果が悪かったら?再検査の目安と対処法。診察室で医師と患者がいて診察を受けている様子。

C判定やD判定と書かれていたら、すぐに重大な病気ではないかと不安になるかもしれません。

しかし、健康診断の目的は「病気の確定」ではなく、「早めに変化に気づくこと」です。判定の意味を正しく理解し、必要な行動を取ることが重要です。この章では、再検査の目安と対処法を整理します。

再検査・要精密検査と言われたら

健康診断でC判定やD判定、あるいは「要再検査」「要精密検査」「要治療」と記載されている場合は、医療機関での確認が勧められます。

要再検査とは、もう一度同じ検査を行い数値を確認する必要がある状態を指します。一時的な体調や検査条件の影響で数値が変動することもあるため、再確認が目的です。

一方、要精密検査は、より詳しい検査で原因を特定する必要がある場合に示されます。

ここで大切なのは、「自覚症状がないから大丈夫」と自己判断しないことです。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、自覚症状がほとんどないまま進行することが少なくありません。健康診断の段階で指摘されるのは、むしろ早期発見のチャンスといえます。

病院でも、D判定や要精密検査と書かれた結果を手に、不安そうに来院される方は少なくありません。しかし実際には、生活習慣の見直しや早期の治療でコントロール可能な段階で見つかるケースも多くあります。

一方で、「仕事が忙しい」「症状がないから」と受診を先延ばしにし、次の健診でさらに数値が悪化してしまう方もいます。

再検査や精密検査の指示は、不安をあおるものではなく、体の状態をより正確に知るためのステップです。不安だからこそ、早めに確認することが将来の安心につながります。

生活習慣改善で数値は変わる?

健康診断で基準値を外れた場合でも、すぐに薬物治療が必要になるとは限りません。特に生活習慣病に関わる数値は、食事、運動、睡眠、飲酒、喫煙といった日常の習慣と密接に関係しています。

例えば、体重を減らすことで血圧や血糖値、脂質の値が改善すると言われています。減塩や適度な運動、飲酒量の見直しといった基本的な生活習慣の改善は、数値の改善が期待できる方法です。

良い生活習慣を続けるためには、体重や血圧、血糖値などの数値を日々記録し、変化を把握することも重要です。

Welbyマイカルテでは、体重・血圧・歩数・食事内容・服薬状況などをまとめて記録・管理することができますが、マイナポータル連携により、特定健診の結果を確認することも可能です。

マイナポータルでは健診データの閲覧期間に制限があり、期間を過ぎるとデータは削除され閲覧できなくなります。

一方、Welbyマイカルテに取り込んだ特定健診の結果は、自分の健康記録として保存されるため、将来にわたって振り返ることができます。

健康診断の結果が悪かった場合、「生活を整えるきっかけ」と捉える視点が重要です。検査や治療が必要な場合は早めに受診し、生活習慣の改善で対応できる部分は積極的に取り組む。その積み重ねが、将来の大きな病気を防ぐことにつながります。

まとめ|健康診断の結果は「体からのサイン」

健康診断の結果は、正常か異常かを判断するためだけの通知ではありません。

健康診断の結果は、判定区分だけで判断するのではなく、自分の数値が基準値と比べてどうかを確認し、経年変化を踏まえて読み取ることが大切です。

再検査や精密検査が必要な場合は早めに医療機関を受診し、生活習慣の見直しで改善できる部分は積極的に取り組みましょう。

健康診断の結果を正しく読み取り、日々の行動につなげることが、将来の生活習慣病予防につながります。

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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。

◆引用文献:
※1:日本人間ドック・予防医療学会「2026年度判定区分表」
※2:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」