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高血圧と腎臓の関係とは?CKD(慢性腎臓病)予防に必要な知識を解説

高血圧と腎臓の関係とは?CKD(慢性腎臓病)予防に必要な知識を解説。高血圧と腎臓病、この二つの疾患は、無関係にみえて実は密接に関連しています。放置すれば互いに影響し合い、CKD(慢性腎臓病)という重大な健康問題へとつながる可能性も。本記事では、高血圧と腎臓の関連性を中心に、CKD(慢性腎臓病)予防に必要な知識や日常でできる対策まで、わかりやすく解説していきます。

高血圧と腎臓病、この二つの疾患は、無関係にみえて実は密接に関連しています。放置すれば互いに影響し合い、CKD(慢性腎臓病)という重大な健康問題へとつながる可能性も。

本記事では、高血圧と腎臓の関連性を中心に、CKD(慢性腎臓病)予防に必要な知識や日常でできる対策まで、わかりやすく解説していきます。

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なぜ高血圧が腎臓に悪影響を及ぼすのか?

高血圧が続くと、腎臓の細い血管に負担がかかり、老廃物をろ過する機能が少しずつ低下してしまいます。高血圧が腎臓に与える具体的な影響や、逆に腎機能の低下が高血圧を悪化させる仕組みについて詳しく見ていきましょう。

腎臓の働きと血圧の関係性

腎臓は、老廃物や余分な水分を尿として排出し、体内のバランスを保つ役割を担っています。そして、この役割が腎臓の中にある細かい血管「糸球体(しきゅうたい)」を支えているのです。pが支えています。

しかし、血圧が高い状態が続くと、これらの細い血管に強い圧力がかかり、傷ついてしまった結果、腎臓の働きが少しずつ弱くなっていきます。

高血圧が腎臓を傷つける仕組みとは

持続的な高血圧は、腎臓内の毛細血管を徐々に傷つけていきます。特に糸球体にかかる圧力が強まると、ろ過機能がうまく働かず、たんぱく質が尿中に漏れ出す「蛋白尿」が起こることも。これは腎臓のSOSサインとも言えるでしょう。

低血圧が腎臓を傷つけるケースはあるのか

低血圧も例外ではありません。極端に血圧が低い場合、腎臓への血流が不足し、酸素や栄養が十分に供給されないことがあります。

特に高齢者や持病を抱える人にとっては注意が必要です。ただし、慢性的なダメージという点では、高血圧の方が腎臓への影響は大きいといえるでしょう。

腎臓の機能低下が高血圧を悪化させる理由

腎機能が低下すると、今度は体内の水分や塩分の排出がうまくいかなくなり、血液量が増加して血圧が上昇します。加えて、腎臓は血圧を調整するホルモン(レニンやあるど)を分泌しているため、ホルモンバランスが崩れることでさらに高血圧が悪化する可能性もあります。

高血圧と腎臓機能の低下は「片方だけの問題」ではなく、互いに悪影響を引き起こすこともします。特にCKD(慢性腎臓病)は、自覚症状が出にくいため、気づいたときには進行しているケースも。だからこそ、日頃の血圧管理が大切になります。

逆にCKD(慢性腎臓病)が高血圧に悪循環を及ぼすことも

逆にCKD(慢性腎臓病)が高血圧に悪循環を及ぼすことも。CKD(慢性腎臓病)と診断された方や、腎機能に不安がある人ほど、血圧管理の重要性が増してきます。腎臓の病気だからといって、腎臓だけを見ていればいいわけではなく、血圧という観点でもしっかりとケアをしていくことが大切です。

高血圧が腎臓を傷つけるだけでなく、CKD(慢性腎臓病)が進行することで高血圧を悪化させるケースもあります。これは、腎臓の機能が落ちると、体内の水分や塩分のバランスが崩れやすくなり、血液量の増加によって血圧が高くなってしまうためです。

また、腎臓から分泌される血圧調整ホルモン(特にレニン)過剰に働くことで、必要以上に血管を収縮させ、さらに血圧を上昇させて悪循環が起こります。このようなメカニズムにより、CKD(慢性腎臓病)と高血圧はお互いに悪影響を及ぼす関係にあります。

だからこそ、CKD(慢性腎臓病)と診断された方や、腎機能に不安がある人ほど、血圧管理の重要性が増してきます。腎臓の病気だからといって、腎臓だけを見ていればいいわけではなく、血圧という観点でもしっかりとケアをしていくことが大切です。

腎機能を知るために知っておくべき検査と指標

腎臓病は進行しても症状がほとんど現れないことが多く、「気づいたときには手遅れだった」というケースも散見されます珍しくありません。そのため、自分の腎機能を定期的にチェックすることが、CKD(慢性腎臓病)の予防・早期発見には欠かせません。

腎機能を評価するには、いくつかの指標がありますが、どれも日常の健康診断で把握することが可能です。

この章では、腎機能を数値で理解するために知っておきたい検査やポイントについて紹介していきます。

血液検査・尿検査で腎機能を確認する

腎機能の状態を確認するために代表的な検査が、血液検査の「クレアチニン」や「eGFR(推算糸球体濾過量)」、そして尿検査でチェックされる「蛋白尿」の有無です。

特にeGFRは、腎臓がどれくらいの量の血液をろ過できているかを示す指標で、60mL/分/1.73㎡を下回るとCKD(慢性腎臓病)の疑いが出てきます。これに対して、蛋白尿は糸球体の損傷によって起こるため、CKD(慢性腎臓病)の進行度を判断する目安になります。

医師から提示される指標の見方と注意点

eGFRやクレアチニンの数値は、一度の結果だけで判断せず、過去の数値と比べながら経過を見ることが重要です。たとえ基準値の範囲内にあっても、前回よりも数値が悪化している場合は、腎機能が徐々に落ちている可能性があります。

また、尿に蛋白が出る「蛋白尿」も同様で、検査ごとに出たり消えたりすることがありますが、継続的に検出される場合は、腎臓の不調を示すサインかもしれません。

気になる数値があったときは、自己判断せず、医師に詳しく説明してもらいましょう。数値に振り回されず、正しく理解していくことが健康を守る第一歩です。

CKD(慢性腎臓病)を予防するには?今日からできる生活習慣の改善

CKD(慢性腎臓病)を予防するには?今日からできる生活習慣の改善。週に150分程度の有酸素運動(ウォーキングや自転車、軽いジョギングなど)を習慣化することで、腎臓に優しい体づくりを目指せます。

CKD(慢性腎臓病)は、進行すると回復が難しい病気です。

しかし、早期の段階で生活習慣を見直すことで、その進行を食い止めることは十分可能です。特に、高血圧のコントロールや食生活、運動習慣の改善は、腎臓の負担を軽減するうえで非常に効果的といえますです。

この章では、腎臓を守るために日常生活の中でできる具体的な行動について紹介していきます。

減塩と水分管理で血圧と腎臓を守る

食塩の摂取量を控えることは、血圧を安定させ、腎臓への負担を減らすうえで最も基本的な対策です。日本人の平均摂取量は1日10g前後とされますが、目標は6g未満です。

塩味を感じにくいときは、出汁や香辛料、酢などを活用することで、風味を損なわずに満足度の高い食事を実現できます。

また、水分摂取についても、腎臓にとって重要な要素です。こまめに水を飲むことで、腎臓の血流を保ちやすくなり、老廃物の排出がスムーズになります。

ただし、腎機能が極端に低下している場合は、水分制限が必要になることもあるため、医師の指導に従って調整しましょう。

【関連記事】高血圧を改善する食事法!注意すべき食材と栄養のポイント!

適度な運動と体重管理がCKD(慢性腎臓病)予防に効く

運動は、血圧を下げる効果があるだけでなく、血糖値や脂質代謝の改善にもつながります。週に150分程度の有酸素運動(ウォーキングや自転車、軽いジョギングなど)を習慣化することで、腎臓に優しい体づくりを目指せます。

加えて、適正体重の維持も腎臓にとって重要です。肥満は高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高め、それらがCKD(慢性腎臓病)の進行因子となり得ます。無理なダイエットではなく、継続的な生活改善によって、徐々に体重を落とすことが理想です。

【関連記事】運動で血圧を下げる 〜高血圧の予防・改善における具体的なポイントを紹介〜

家庭での血圧測定と医師との連携

家庭での血圧測定は、病院での診察時よりも日常の状態に近い血圧を把握できるため、非常に有効です。測定は朝と夜の1日2回、同じ時間・同じ姿勢で行うことを習慣にするとよ良いでしょう。

測定結果は記録をつけておくことが大切です。最近では、スマートフォンと連携できる血圧計や数値を記録できるアプリもあるため、手軽にデータを管理できます。
定期受診時にこの記録を医師に共有すれば、より的確な診療につながります。

【関連記事】血圧の正しい測定方法とは?注意点とアプリの活用について解説
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まとめ

高血圧と腎臓は、お互いに深く影響し合う関係にあります。

高血圧が腎臓の血管を傷つけば腎機能が低下し、逆に腎臓の機能が落ちると水分・塩分調整がうまくいかず、血圧がさらに上がってしまうという悪循環に陥ることにります。その結果これが続くと、CKD(慢性腎臓病)という取り返しのつかない病気へ進行することもあります。

CKD(慢性腎臓病)は日本の成人の約8人に1人が該当するとされるほど身近な病気ですが、初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかずに進行してしまうことも多いです少なくありません。

だからこそ、自分の血圧と腎機能を意識し、定期的な健康診断や家庭血圧の記録、生活習慣の見直しなど、早めの行動が何よりも大切です。

腎臓の状態に不安がある方や、健診で血圧や腎臓の数値を指摘された方は、医師に相談してみましょう。「少し気になる」の段階で立ち止まり、予防と管理に取り組むことが、将来の健康を守る第一歩になります。

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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。