
日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」の内容を反映し、更新しました
執筆:看護師 図司真澄
女性の体は、年齢とともに少しずつ変化していきます。血圧もその一つで、年齢を重ねるにつれて高くなってくることがあります。
特に40代以降は、血圧の変化が気になり始める方も多いはず。
本記事では、女性の平均血圧について、年代ごとの目安や変化、高血圧にならないための生活習慣の工夫などを、わかりやすくご紹介します。


知っておきたい血圧の基準値
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管を通るときに血管の内側にかかる圧力のことを指します。
「収縮期血圧(最高血圧)」は、心臓が収縮して血液を全身に送り出すときの血圧を、「拡張期血圧(最低血圧)」は、心臓が拡張して血液が心臓へ戻ってくるときの血圧を示します。
そして、以下の表にあるよう、病院やクリニックなどで測った場合に収縮期血圧と拡張期血圧がそれぞれ140・90以上だと、高血圧と診断されます。
診察室血圧の基準値
「診察室血圧※1」の基準値として、下の表にあるよう、高血圧に当てはまる人だけではなく、「正常高値※2」や「高値血圧※3」に当てはまる場合も、将来的に高血圧になる可能性があるため、それぞれの基準値を意識しつつ生活習慣を改善しましょう。
| 分類 | 収縮期血圧 (最高血圧) 〔mmHg〕 | 拡張期血圧 (最低血圧) 〔mmHg〕 | |
| 正常な血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
| 正常高値 | 120〜129 | かつ | 80未満 |
| 高値血圧 | 130〜139 | かつ/または | 80〜89 |
| 高血圧 | 140以上 | かつ/または | 90以上 |
※1 診察室血圧:病院やクリニックなどで測る血圧
※2 正常高値:正常よりやや高めの血圧で、将来高血圧や脳卒中・心筋梗塞などを発症するリスクがある状態
※3 高値血圧:高血圧には至っていないものの、将来高血圧や脳卒中、心筋梗塞などを発症するリスクが高い状態
年代別に見る女性の平均血圧と高血圧のリスク要因
女性の血圧は以下の表にあるよう、若いころは低めでも、40代、50代、60代と年齢が上がるにつれて血圧が上がりやすくなっていきます。
女性の年代別平均血圧
| 年代 | 最高血圧 〔mmHg〕 | 最低血圧 〔mmHg〕 |
| 20代 | 105.6 | 65.3 |
| 30代 | 107.7 | 69.1 |
| 40代 | 113.7 | 71.0 |
| 50代 | 122.6 | 76.2 |
| 60代 | 130.8 | 76.1 |
| 70歳以上 | 135.6 | 73.6 |
その原因として、ホルモンの変化や血管の老化、生活習慣などが関係しています。
50代から血圧の上昇が目立ち始め、60代以降では高血圧になる人が多くなってくるため、年齢に応じた血圧管理が重要です。
20~30代:妊娠期を含めた血圧の注意点

20代から30代の女性は、比較的血圧が安定していることが多く、正常範囲におさまっている人がほとんどです。ただし、この年代は妊娠している方も多く、妊娠中に血圧が高くなる「妊娠高血圧症候群」に注意が必要です。
妊娠高血圧症候群は、母体や赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、以下のような体質や生活習慣があると、20代や30代でも血圧が高くなることがあります。
- 親や兄弟に高血圧の人がいる(遺伝的な体質)
- 運動不足や肥満
- 塩分の過剰摂取
- 仕事や育児などによるストレス
若いうちはあまり血圧を気にしない方も多いですが、定期的な健康診断や家庭での血圧測定を習慣づけることが、将来の病気を防ぐために役立ちます。
40~50代:更年期による変化と高血圧リスク
40代後半から50代にかけては、多くの女性が「更年期」を迎えます。更年期とは、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、体のさまざまなバランスが変わる時期です。
女性ホルモンが減少することで血管がかたくなり、血圧が上がりやすくなる人が増えてきます。
さらに40代から50代の方は、仕事、家族、介護などさまざまなストレスを感じやすく、生活リズムも乱れやすい傾向があります。
ストレスや不規則な生活も血圧を上げる原因になるため、注意が必要です。
60代以上:加齢と生活習慣の影響
60代になると、血管も年齢とともに弾力がなくなり、硬くなっていくため、自然と血圧が高くなる傾向があります。
また、長年の生活習慣が健康に影響を与えやすくなる時期でもあります。特に、塩分の多い食事や運動不足は高血圧の原因です。
さらに、高血圧が進むと、動脈硬化や脳卒中、心臓病などのリスクが高くなるため注意が必要です。60代以降は、血圧をコントロールすることが健康寿命を延ばす鍵となります。
無理のない範囲で食事や運動を見直し、家庭でこまめに血圧を測る習慣をつけましょう。
高血圧を予防する生活習慣のポイント

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれることもあり、自覚症状が少ないまま進行してしまうことがあります。
そのため、日ごろからの予防がとても大切です。特に女性は、ホルモンバランスやライフステージの変化にともない、血圧が変動しやすい傾向があります。
ここでは、毎日の暮らしの中で実践しやすい、血圧を安定させるための工夫をご紹介します。
睡眠とストレスを整えて血圧を安定させる
睡眠不足や強いストレスは、自律神経のバランスを乱し、血圧が上がる原因になります。特に40代以降は、更年期の影響で眠りが浅くなったり、イライラしやすくなったりする方も増えます。
安定した血圧を保つためには、次のような工夫が効果的です。
- 毎日同じ時間に寝起きするなど、睡眠のリズムを整える
- 寝る前のスマホやテレビは控えめにする
- 好きな音楽を聴いたり、深呼吸をするなどしてリラックスする時間を持つ
無理のない減塩と食事の工夫
塩分のとりすぎは、血管に負担をかけてしまいます。
日本人は塩分を多くとりがちですが、日常の食事を少し工夫するだけでも改善が期待できます。
- 麺類のスープは残す
- 出汁や香辛料をうまく使って、塩に頼らず味付けする
- 外食や加工食品を控える
【関連記事】高血圧を改善する食事法!注意すべき食材と栄養のポイント!
日常に取り入れやすい軽い運動
激しい運動をする必要はありませんが、体を適度に動かすことで血圧の安定につながると言われています。
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣にする
- エレベーターを使わず階段を使う
- そうじや庭いじりなど、家事を積極的におこなう
無理なく続けられる運動を日常に取り入れることが、結果的に健康的な血圧維持につながります。
【関連記事】運動で血圧を下げる~おすすめの有酸素運動と控えるべき運動~
家庭での血圧測定で自分の傾向を知る
病院で測るだけでなく、自宅でも定期的に血圧を測る習慣をつけることが大切です。
特に朝と夜の決まった時間に測ることで、自分の血圧のパターンを把握でき、高血圧の兆候にも早めに気づけます。継続的に記録をつけておくことで、病院での診察時にも役立ちます。
【関連記事】血圧を無料で記録・管理する方法まとめ|紙・アプリ・エクセルを比較
まとめ|年代に合わせた血圧管理で健康を守ろう
女性の血圧は、年齢とともに変化していきます。
若いころは血圧が安定していても、40代、50代、そして60代以上になると、ホルモンバランスや血管の変化、生活習慣の影響によって、血圧が高くなりやすくなります。
特に更年期や加齢の影響を受けやすい年代では、自分の血圧がどの程度なのか、日常的にチェックする習慣をつけることが大切です。
今回ご紹介したように、年代別の血圧の目安を知り、自分に合った予防策をとることが大切です。
睡眠・食事・運動の見直しや、家庭での血圧測定を習慣にすることで、高血圧を防ぎ、健康的な生活を送ることができます。
できることから少しずつ取り入れて、これからも健やかな毎日を目指していきましょう。
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※本記事の内容は、医療に関する一般的な情報を提供することを目的としており、個別の症例に対する診断や治療方法を示すものではありません。健康状態に関する具体的な相談やアドバイスが必要な場合は、必ずかかりつけの医師とご相談のうえ、適切な対応を検討してください。各自の健康状態やライフスタイルに合ったアドバイスを受けることが重要です。
◆参考文献
・日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査報告」


