日本の未来を考える!保健医療2035とは?

2035

こんにちは!Welbyメディア編集の浅野です。


1.提言の背景となった「少子高齢化問題」と今の人口


厚生労働省は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年から2035年を見据えた医療・保険に関する政策の見通しを示すため、医師や歯科医師、看護師など医療従事者から意見募集を行いました。そして、その内容を「保険医療2035」という形でまとめ2015年6月に公表したのですが、私たちとも関わりのあるものですので、Welby Mediaでも改めてピックアップさせて頂きます。

深刻化する少子高齢化社会や発展する医療技術をはじめ、国内外の社会経済状況やライフスタイル、環境が変化する中でこれまで必要に応じて都度改正してきた日本の保険医療制度を、今後予想される医療保険のニーズの増大・多様化、必要となるリソースの増加に対応するため、制度を根本的に見直すというものです。
「高齢化社会」というとなんだかネガティブなイメージしか湧きませんが、医療技術のさらなる発達というチャンスの側面を見出すこともできるかもしれません。

まずは、この提言の背景となった少子高齢化、今の日本の人口について見ていきましょう。

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出典:http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html

こちらは2014年10月1日における年齢別の人口とその推移予想を表しています。それに対して2016年の人口は12,696万人(総務省発表・概算値)となっています。推移予想通り、人口自体は減少しているようです。

ちなみに少子高齢化の主な要因としては、以下のような項目が挙げられます。

・晩婚化
非正規雇用者の増加により経済的に結婚・出産へ踏み切りにくい環境になってしまっています。また、昔に比べ女性の社会進出が進んだことも要因の一つでしょう。女性の平均初婚年齢は1950年の23歳に比べ、2012年時点で平均29歳とかなり遅くなっています。

・出生数
年齢が上がるにつれ、妊娠の確率は低くなっていきます。第1子出生時の母親の平均年齢も右肩上がりとなっています。

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出典:http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2015/27webgaiyoh/html/gb1_s1-1.html

・長寿化
毎年調査を行う毎に「平均寿命が延びた」というような発表がありますが、背景としては乳幼児の死亡率の減少、衛生環境の改善、医療技術の進歩、 医療制度の充実などが挙げられます。


2.保健医療2035の概要


それでは保健医療2035とは一体どんなもので、具体的に何が変わっていくのでしょうか。

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出典:http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035//

この政策の到達点(ゴール)は「人々が最高水準の健康、医療を享受でき、安心、満足、納得を得ることができる持続可能な保健医療システムを構築し、我が国及び世界の医療の繁栄に貢献する。」とされています。
また、その到達点に達するために以下に挙げた3つのビジョンを打ちたて、それぞれを実現するための行動目標を具体的に立てています。
 
(1)「リーン・ヘルスケア 〜保健医療の価値を高める〜」 
(2)「ライフ・デザイン 〜主体的選択を社会で支える〜」 
(3)「グローバル・ヘルス・リーダー 〜日本が世界の保健医療を牽引する〜」 

提言書の中には、上記のビジョンを達成するための施策についても述べられています。いくつかピックアップして見ていきましょう。

 

‐遠隔診断・治療・手術などの基盤確立
 遠隔診療は、最近新聞の医療欄などでよく見かけるキーワードの一つです。
ちなみに遠隔診療とは、インターネット等を利用したビデオチャット等で医師が患者の診察を行うことを指します。アメリカなどでは既に積極的に実施されていますが、日本ではまだまだこれからといった様子です。

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‐かりつけ医の「ゲートオープナー」機能を確立
「かかりつけ医」。このキーワードについて確認しながら読んでいきましょう。

■かかりつけ医の定義

「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。」

(引用:医療提供体制のあり方 日本医師会・四病院団体協議会合同提言

将来、自分がどのタイミングでどんな病気にかかったりケガをするのか、予想することは簡単ではありません。
病気やケガになった際、いつも診てもらい、相談できる医師がいれば困ることは多くはないかと思います。
それが「かかりつけ医」です。
もちろん、病気やケガにはいろんな種類がありますのでかかりつけ医は一人とは限りません。

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「ゲートオープナー」機能とは、患者の状態や価値観などを踏まえて適切な医療を円滑に受けられるようにサポートすることです。
つまり、「どんな病気・ケガなのか」という視点だけではなく、社会面・経済面・心理面など多角的に患者を診て、適切な診療が行われるように医療者が配慮し、医療機関同士で協力できるための基盤を整えていく、ということを指しています。

 

-「たばこフリー」オリンピックの実現
”2035 年までの早期に喫煙者自体をゼロに近づけるため、たばこ税増税、 たばこの広告・パッケージ規制、喫煙者に対する禁煙指導・治療、子ども防煙 教育のさらなる促進などのあらゆる手段を講ずる。”

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喫煙者は耳が痛いことでしょう(笑)。
WHOは2040年までに「たばこのない世界」を掲げております。そしてこの提言書の中では更に前倒しして2020年の東京オリンピックまでに、受動喫煙のない「たばこフリー」のオリンピックを目指し、東京都と連携して法律的整理を行うと記されています。

3年半以内に受動喫煙をなくすという目標、2035年以内に喫煙者自体をゼロにするという目標。どちらも現状の喫煙状況を考えると簡単ではないと思われます。個人的には、所定の場所以外での喫煙に対する取り締まりや、たばこ税の増税がポイントとなっていきそうだと思います。どんな法律的整理が行われるのか、今後注目していきましょう。


3.まとめ


今回ご紹介した提言は膨大な内容のごく一部になります。(下記にリンクの記載あり)
文量が多くすべて読み通し、意味を理解することは大変ですが、今回挙げた内容などはみなさんご自身が複数の病気にかかってしまうなどした際にお役に立つ可能性があります。頭の片隅にでも置いておいていただけると、うれしく思います。

 

■参考

保険医療2035提言書
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/assets/file/healthcare2035_proposal_150609.pdf
介護の本音ニュース 「高齢化の正体、少子化はなぜ起こる?子育て支援だけでは少子化が解決しない理由」
http://news.kaigonohonne.com/article/502
毎日新聞 「私の社会保障論 ゲートオープナーとは=日本リハビリテーション振興会理事長・宮武剛」
http://mainichi.jp/articles/20160525/ddm/016/070/170000c


著者紹介

浅野 可奈子

都内某大学の薬学部3年生

病院や薬局で活躍する薬剤師に憧れ、薬学部に入学。他学部の学生や社会人の話を聞く中で、病院や薬局のほかに、医療の知識が役立つ場所・機会があると知る。
生活習慣病患者向けアプリ「Welbyマイカルテ」を知り、アプリを提供するWelbyへ。薬学部生としての知識を生かすべく、Welby Mediaの執筆を担当。記事執筆を通じて、身近なようでなかなか考える機会の少ない、「健康の大切さ」を伝えていく。
好きな事は人と話をすること、コーヒーを飲むこと、ワクワクすること。


本記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証したり、標ぼうするものではなく、また医師・医療従事者等による情報の提供は、個別具体的な患者に対する診断・治療行為ではありません。本メディア上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


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