夜中の低血糖を回避するインスリンポンプ


気をつけていても起こる、夜間低血糖

インスリンを投与している糖尿病患者にとって、夜中の低血糖を心配する人は多いのではないでしょうか?
体は毎日状態が変化をしていますし、生活様態も全く同じ日はありません。
そこでインスリンなどの薬の効きが変化し、いつもと同じ治療の仕方でも低血糖になってしまうことがあるのです。

夜間低血糖の症状には個人差があります。
動悸、冷感、悪寒などの「気持ち悪さ」を感じて、目覚める人が多いとされていますが、自覚症状がほとんどないケースもあります。
夜間低血糖になった場合は、まず糖質を摂りましょう。
意識がもうろうとしていたり、改善が見られない場合は救急車を呼んで医療機関にかかるようにしましょう。
参考: ズームアップインスリン・夜間低血糖

夜間低血糖を予防するシステム開発へ

さて、今日ご紹介したいのはこの夜間低血糖を予防するシステムが開発されているというニュースです。
今回開発されたのは持続血糖測定器とインスリンポンプを組み合わせた血糖管理システムです。
注目されているのはその機器ではなく、新しいアルゴリズムです。
持続血糖測定器から就寝中の血糖値を測定し、血糖値が80mg/dlになると、インスリンポンプからのインスリン分泌を自動的に止めるのです。
今回被験者45人に対して42日このシステムをテスト導入しました。その結果、低血糖状態にある総時間を平均81%減らすことができたとしています。
参考: Experimental computer program helps type 1 diabetics avoid nighttime hypoglycemia in study

これまでも血糖値を測定し、自動的に補充するインスリン量を変化させるシステムの開発は取り組まれてきました。もしこのような”人口膵臓”が実現すれば、患者のQOLが飛躍的に向上することが予想されます。
しかし、体の血糖値は生活のシーンによって劇的に変わるため、自動管理することは技術的にまだ難しいとされてきました。
今回は相対的に代謝が安定をしている就寝中の低血糖予防に用途を絞り込むことで、ある程度の成果を出せました。
今後このような技術の開発が進み、インスリン分泌能力を失っても、血糖管理を意識しなくてもよい日がくることを願います。

執筆者紹介

satoshi2

ヘルスケア・コンサルタント
谷口 諭
URL: http://www.mystar-japan.biz/

糖尿病患者団体マイスター・ジャパンの事務局、YOKOHAMA-VOXのスタッフを務める。炭水化物量検索アプリ「Carbodata」の運営をする他、教育的観点からのヘルスケア分野の著作、セミナーの開発を行う。


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