病院での”事故”をどう減らすか?


医療事故で糖尿病患者4200人が精密検査に

アメリカで、院内でインスリン注射の針を複数の患者に対して再利用する、という医療事故が起こりました。
現在その病院に通っていた4200人の糖尿病患者が精密検査を受けているとのことです。
原因は病院スタッフの認識錯誤でした。インスリン注射の針は何度も使えるものと誤認していたそうです。
参考: ISMP: 4,200 Need Testing after Pen Misuse

医療事故をいかに予防するか

このような不幸な事故が起きないように、出来る限りの予防を行うことが重要です。
しかし、仕事量が多く、場合によっては1分1秒が命を左右する現場において、どのように予防施策を導入するかは長年の課題のひとつとなっています。

そのアプローチの一つとして、「ヒヤリ・ハット」を捉えて改善することがあげられます。
「ヒヤリ・ハット」というのは重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例のことを言います。これらを捉えて改善を図ることで、大きな事故を防ぐことができると考えるのです。
この考え方の基になっているのはハインリッヒの法則です。ハインリッヒは、ある工場で起こった労災とその原因を洗い出すことによって「重大事故の陰に29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」という法則を見いだしたのです。
例えば医療器具を落としたとして、「ヒヤリ」としたとします。そのときにただの不注意として処理するのではなく、器具の持ち方や受け渡し方、モノを動かす導線を再検証して「ヒヤリ」より大きな事故が起きるのを未然に防ぐのです。

アメリカでは、この「ヒヤリ・ハット」を患者に通報してもらうことによって改善をはかろうとする動きが起きています。
例えば、Institute for Safe Medication Practices(ISMP)は無料かつ匿名で申告することができます。この非営利団体が事実を確認し、必要に応じて改善を医療機関に提案するそうです。
参考:Institute for Safe Medication Practices

「医療事故を減らしたい」という思いは誰もが共通して持っているはずです。
それを関係者が建設的に協力をして、少しずつ実現できるようにして行きたいですね。

執筆者紹介

satoshi2

ヘルスケア・コンサルタント
谷口 諭
URL: http://www.mystar-japan.biz/

糖尿病患者団体マイスター・ジャパンの事務局、YOKOHAMA-VOXのスタッフを務める。炭水化物量検索アプリ「Carbodata」の運営をする他、教育的観点からのヘルスケア分野の著作、セミナーの開発を行う。


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