知っておきたい糖尿病知識~インスリン療法を行っている糖尿病患者さんと医師との間に生じる意識のギャップ~

インスリン療法を行っている糖尿病患者さんと医師との間に生じる意識のギャップ

糖尿病」の患者にとっての一番の望みは血糖値の改善です。しかしながら、実際にインスリン療法を行っている患者さんと医療者との間にはギャップがあるのが実情です。
本エントリーでは実際の医療現場で起こっているインスリン療法を行っている患者さんと医療者の意識のギャップについて言及します。

1.高血糖が続くと糖尿病になる

高血糖とは、身体の血液中に過剰に糖がある状態を指します。
高血糖の状態が慢性化すると、糖尿病へと進行します。

■糖尿病から多様な合併症に
高血糖は血液がドロドロした状態であるため、細い血管が詰まりやすく、糖尿病になると合併症である網膜症、腎症を起こすことがあります。

■糖尿病が手足の切断にいたることも
他にも神経障害を起こすと、壊疽(えそ)の原因となり、足などを切断しなければならない状態になる可能性があります。

■糖尿病から動脈硬化など心血管イベントのリスクが高まる
高血糖は血管の内壁をもろくし詰まらせ、「動脈硬化」の原因となってしまいます。
動脈硬化」は脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる疾患へとつながっていくので、高血糖が分かった場合には、早めに予防、治療が必要だといわれています。

そこで、食事療法や運動療法と並行して、インスリン療法が行われることがあります。

 

2.インスリン療法について

2-1.人の活動に重要なホルモン「インスリン」

インスリンは、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンのことです。
生命の維持にはブドウ糖が必要で、食事から体内に取り入れたブドウ糖は、血液中に入り全身へ運ばれます。ブドウ糖は血液中にある場合、血糖と呼ばれています。
食事をすると血糖値が上がりますが、インスリンには食後の血糖値を下げ、また、血液中のブドウ糖(血糖)をエネルギーに変換するとても重要な働きがあります。
しかしながら、高血糖の人や、高血糖が慢性化し「糖尿病」となった人は、健康な人と比べ、インスリンが減少しているか、インスリン自体の働きが悪いことが多くみられます。

2-2.インスリン療法とは

糖尿病の人の体内で不足しているインスリンを、注射を打って補う治療法です。
インスリン療法を行うことで、健康な人のインスリン分泌パターンに近づけていくことを目的としています。
Ⅰ型糖尿病の場合、インスリン療法は必須、Ⅱ型糖尿病の場合は、食事療法と運動療法とともに、必要に応じて取り入れますが、注射のタイミングや種類は、患者さんの状態によって異なります。

■インスリン製剤の種類
以下のタイプのインスリン製剤を、患者さんそれぞれの分泌パターンに応じて、単独もしくは組み合わせて使用します。

インスリンの種類 効果・特徴
超速効型・速効型 食後の血糖値をすばやく下げる効果があります
持効型 ほぼ1日中効き、1日を通して血糖値を低く抑える効果があります
混合型・中間型 速攻型と持効型を組み合わせた効果があります

(参考:糖尿病リソースガイド

3.医療者と患者の間の意識のギャップ

糖尿病」の治療において、一般化しているインスリン療法ですが、実はこのインスリン療法において、患者さんと医療者との間に、ギャップが生じています。
両者のギャップとは、治療に対して患者が持つ希望と、医療者が考える治療に差があることですが、なぜギャップが起こっているのでしょうか。

3-1コミュニケーション不足

インスリン療法を行っている患者さんは「血糖値の改善」を望んでいます。
もちろん現状の治療で満足している患者さんが主だと思いますが、改善を望んでいる以上、新しい治療があれば話を聞いてみたいと考えている患者さんもいるのではないでしょうか。

■糖尿病の新しい治療法を患者さんに説明しないケースも
しかしながら、「新しい治療方法について説明する必要性が高い」と考える医師は、全体の1割程度に留まるというアンケート結果があります。ここに大きなギャップが生まれています。
ただし、新しい治療法が出たからと言って、必ずしもその患者さんに適した治療法と言い切れない場合や、安全性やなどに課題がある場合もあるため、かかりつけ医とよく相談をすることが必要です。

■インスリン製剤の選択は医師に依存
また治療において他には、「インスリン製剤を決定する際に医師が決めた」と答えた人は全体の7割でした。かかりつけ医に患者さんの状態を正しく伝えられていれば問題はありませんが、患者さんも正しい知識を身につけたうえで、専門である医師と相談することも今後の治療には大切だと考える方もいるかと思います。

■患者さんから低血糖の状態が起きても医師に伝えきれていない
「低血糖を起こしたことを必ずしも医師に話さない」と回答した人は全体の4割以上おり、患者と医師との間にうまくコミュニケーションが図れていない現状が窺えます。低血糖は非常に危険な状態であるため、適宜かかりつけ医に相談、報告することも大切です。

参考:サノフェ株式会社、アンケート記事http://www.mylifenews.net/medical/2016/08/post-80.html

インスリン バランス調査1.2
http://www.dm-town.com/insulin/goodbalance/

3-2.医師によって治療方針が異なるケースも

インスリン療法に限らず、医師が提案する治療というのは、当然ながら医師によって異なります。
例えば、インフルエンザの治療において、抗インフルエンザ薬を選択する医師もいれば、処方を嫌う医師もいます。
治療に絶対という正解はないことがあり、また、医師自身の医療の現場での経験に左右されることもあるかもしれません。

そのため患者さん自身が、もし現状の治療に満足していないのであれば、かかりつけ医と十分に相談をしたり、より適した医師を自ら探していく必要があるかもしれません。

3-3.より良い治療を選択していくために

糖尿病」は慢性疾患と呼ばれ、生涯付き合っていく可能性のある疾患です。
そのため、相談ができる良好な関係、患者さんに寄り添った治療をしてくれる医師を多くの患者さんは望んでいます。
そして何より、血糖値を改善させていきたいと思っている患者さんが大半だと思います。

以前インスリン療法は、「糖尿病」治療の最終手段として用いられてきましたが、現在では早い段階でインスリン療法を行い、膵臓を休ませ回復させることで、血糖値を改善させるという方法も取り入れている医師もいます。
また、飲み薬と並行してインスリン注射は1日1回とするなど、新薬の登場により選択肢は年々広がっています。
どの治療が合うかは患者さんの習慣や検査値の状態によって変わるので、医師とのコミュニケーションが大切です。

 

4.まとめ

インスリン療法をはじめとした、「糖尿病」治療は年々新たな広がりを見せています。
血糖値を改善させるためには、医師との連携で新たな治療を視野に入れたり、治療を続けていくモチベーションの維持が大切となってきます。

ただし、「糖尿病」は危険な合併症につながったり、誤った治療により低血糖になるリスクのある疾患だといわれています。そのため、医師の協力が必要です。糖尿病専門医や糖尿病療養指導士(CDEJ)など専門の医療者が近年増えており、「糖尿病」の患者さんが助けを求める環境は整いつつあるといえます。

そんな中、専門の医療者とコミュニケーションを円滑に行い、医療者と患者さん両方にとって良い関係を築くためのサポートをウェルビーでは行っています。
ウェルビーでは「糖尿病」患者さんの自己管理ツールとなるスマートフォンアプリ「Welbyマイカルテ」の使用をおすすめしています。
このアプリは、血圧、血糖値、体重のほか、運動や食事、薬の内容などをかんたんに記録できるだけではなく、自動でグラフ化し、見た目にも分かりやすいことから、やる気が起き、続けられることが特徴です。
また、医師や栄養管理士などとデータを連携できるので、アドバイスをもらうこともでき、より積極的に医師とコミュニケーションを図っていくことができます。
医師から直接勧められることも多いアプリなので、ぜひご活用ください。以下から無料でダウンロードが可能です。

Welbyマイカルテ

著者紹介

海老澤 由依

Welbyメディアライター

身内ががんになったことをきっかけに、医療、健康に強い関心を持つ。運動不足と不摂生な生活を自覚し、生活習慣病予防のために最近ヨガやウォーキングに目覚める。また重度の腰痛持ちのため、日々のストレッチと骨盤ベルトは欠かせない。趣味は史跡・温泉地巡りと高校野球観戦。


本記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証したり、標ぼうするものではなく、また医師・医療従事者等による情報の提供は、個別具体的な患者に対する診断・治療行為ではありません。本メディア上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


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