一歩踏み出す勇気を持てば、自分に合った場所が見つかる【エキスパート患者 能勢謙介氏】インタビュー

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18歳のときに1型糖尿病の診断を受けた能勢謙介さん。
現在では会社員として勤務する傍ら、糖尿病患者の支援をめざし、「エキスパート患者」の知識・経験を発信する任意患者団体「マイスター・ジャパン」の代表として活躍しています。
そのパワフルで温かい人柄に、同じ悩みを持つ患者のみならず、医師にも多数の“ファン”を持つ能勢さんに、今に至るまでの軌跡、そして1型、2型を問わず、糖尿病に向き合う患者さんに伝えたいことを伺いました。

糖尿病と診断された当初、悶々としました

ーー糖尿病と診断された当時のことを教えてください。

1型糖尿病の診断を受けたのは18歳の時。「もう普通の人と同じ生活は送れない」と落ち込みました。「考えても仕方がない」と分かりながらも、「どうして自分が?」「もとに戻ることはできないのか…」という思いがぬぐえず、独りで1年ほど悶々として過ごしました。思えば、あの時期が一番きつかったと思います。
そもそも、慢性疾患になった誰もが、その人自身に何らかの落ち度があって発症した訳ではありません。それは運命の巡り会わせのようなものです。そのような不本意な状況からいち早く脱して、自分の人生を手元に取り戻す。発症前に近い生活を送れるようにする。そのために何をすべきか、何ができるのか、気持ちを切り替えることが今に至る始まりでした。

気持ちを切り替えるきっかけになった患者会

ーー気持ちを切り替えるきっかけは何だったのですか?

同じ悩みを持つ友人をたくさん作れたことが大きかったですね。
当時はインターネットなどもありませんでしたから、そのような人を見つけるのはままならなかったのですが、ふとしたきっかけで小さな1型糖尿病患者会の存在を知りました。
1型糖尿病の友人との出会いにより、自分を相対的に見ることができるようになったんです。これまでの自分に対して「なんてつまらないことで悩んでいたんだろう!?」「こういう時はこうすれば良かったのか…」と目からうろこが落ちるような体験ばかり。そこには、自分にはまだない発想やノウハウが分厚く蓄積されていました。
このような交流の経験のない方には、是非、一歩足を前へ踏み出す勇気を持ち、まずは機会を作っていただきたいと思っています。インターネットで検索をする、主治医に相談するなど、探していく中できっと、自分に合った場所が見つかるはずです。
わたしにとって、1年間の逡巡とその後の患者会での体験が、現在の活動を開始する原動力になりました。そういう意味では、今から振り返れば、苦しかったけれど、意味のある1年を過ごしたともいえますね(笑)

患者のための活動を

ーーそこから、患者さんのための活動を開始されたのですね。何か思い出深いエピソードはありますか?

2002年にⅠ型糖尿病フォーラムの企画・運営に携わる機会がありました。参加者の年齢制限を無くし、広く門戸を開く新たな試みを多数計画したのですが、医師との調整がとにかく大変で(笑) 告知をできるまでになったのは、本当に開催直前、ぎりぎりでした。

ーーなるほど、それは大変でしたね。このように、能勢さんならではのご経験が現在の知見を培っているのですね。ちなみに、診断を受けて日が浅い患者さんに知って頂きたいことはありますか?

そうですね。まずは「慢性疾患は、一生続くマラソンである」ということでしょうか。
慢性疾患は、一生病気と向き合わねばなりません。例えばインフルエンザに罹ったとしたら、適切な診断を受け、処方されたクスリを服用すればたいていの場合は回復します。ただ、糖尿病のような慢性疾患はそうではなく、疾患とともに、医師との関係性も一生続きます。発症直後には100mダッシュのペースで走り出してしまいがちですが、そうするとその後が保たないのです。
そうした長丁場の中で、どのような医師とどのような治療を受けていきたいかをご自身で考えるもらう必要があります。
患者自身が自分のことを理解しようとし、主体的に選択していく姿勢、そのための知識の向上が必要なのです。

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1型糖尿病患者
能勢謙介
URL: http://www.mystar-japan.org
京都府宇治市出身・43才。高3の夏に1型糖尿病を発症。Webやメーリングリスト、患者会スタッフなどを経て、1型糖尿病患者をサポートする患者団体「MYSTAR-JAPAN」の代表として活動中。2012年には炭水化物検索アプリ「Carbodata」をリリース。本業は都内のIT系企業勤務の会社員で、趣味はサイクルロードレース。富士・乗鞍のヒルクライムに出場・完走。トライアスロンにも挑戦中。


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