事実に基づき、会話をして、医療者を味方に【エキスパート患者 能勢謙介氏】インタビュー

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18歳のときに1型糖尿病の診断を受けた能勢謙介さん。
現在では会社員として勤務する傍ら、糖尿病患者の支援をめざし、「エキスパート患者」の知識・経験を発信する任意患者団体「マイスター・ジャパン」の代表として活躍しています。
今回は、前編に続き、能勢さんが考える医師とのコミュニケーションと「医師との付き合い方」について、お話を伺いました。

「医師にお任せ」はおすすめしません

ーー医師にも色々な方がいらっしゃるのですよね。

そうですね。医師自身の選択を患者に伝え、そのまま実行することを望む医師もいれば、患者の希望を聞いて、コーディネートしてくださる医師もいます。
ただ、私の経験からすれば、慢性疾患の患者が医師に「何もかもお任せします」というのは、あまりお勧めしませんね(笑) 患者自身が、医療サービスに対してどのようなスタンスで関わるかを考える必要があると思います。

ーー能勢さんはどのように医師と出会ってきたのですか?

私の場合は、講演やSNSなどで自ら情報発信をする機会が多いので、関心のある医療者の方から、お声をかけて頂くことがかなりあります。意見に興味を持ってくださっている方が多いので、波長の合う方である可能性が高いです。普通の方であっても事情は同じで、とにかく自分から情報を発信してみて下さい。そうすれば「自分と波長が合う医師」は必ず見つかるはずです。また、先ほど同じ悩みを持つ友人を持つことが大切というお話をしましたが、自分をよく知る人からの紹介というのも良いでしょう。場合によっては、かかりつけ医から専門医への紹介というのもありえると思います。
ちなみに、2型糖尿病の治療は得意であっても1型糖尿病は不得意など、医師にも色々な方がいらっしゃいます。医師を見極めるために、患者自身も疾患や治療に関する知見を深めることも大切なのです。

事実に基づき、会話をする

ーーなるほど「自分がどのような医師を求め、具体的にどのような治療を受けたいか」を患者さん自身も言葉にできた方が良いし、そのためには正しい知識も必要なのですね。
ちなみに、医師とのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

「事実に基づき、会話をすること」です。
患者自身が正しい知識を持つことが前提になりますが、自分がより良く生活するためには「こうしたらうまくいくのではないか」と仮説を立て、日々データをきちんと取り、検証することが大切です。うまくいくことも、いかないこともあると思いますが、その時には診察の際にデータを持参し、「ここをこう改善したい」と要望を伝え意見を求めれば、医師は数値に即した再現性のある答えを返してくれるはずです。医師に対して感情的に「こうしたいんだ!」と要望を伝えたくなることもあるとは思うのですが、そうしたアプローチでは、自分の欲しい答えを得ることは難しいと思います。

医師の意見で状況が改善されたら、それをさらに次の診察でフィーバックする。医師は、その経験をさらに他の患者に提案できますし、何よりもその報告をうれしく、好ましく受け止めてくれるでしょう。そうすれば、医師が自分の「味方」になってくれるのです。
少し大げさな表現をしてしまいますが、「医師は患者が育てるもの」、というくらいの心もちで接しても良いかもしれません。

このような好循環が生み出せれば、医師へもより希望を伝えやすくなり、関係性は格段に良くなります。
医師の言うとおりに生活することが人生ではないし、ましてや「目的」ではありません。自分がやりたいこと、実現したいことがあり、それをサポートしてくれるのが医療という「手段」なのです。

ーー医療者を味方に、「サポーター」としてタッグを組むためには、患者さん自身も知識を高め、積極的に治療に携わる姿勢が欠かせないのですね。

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話し手ご紹介

1型糖尿病患者
能勢謙介
マイスター・ジャパンhttp://www.mystar-japan.org

京都府宇治市出身・43才。高3の夏に1型糖尿病を発症。Webやメーリングリスト、患者会スタッフなどを経て、1型糖尿病患者をサポートする患者団体「MYSTAR-JAPAN」の代表として活動中。2012年には炭水化物検索アプリ「Carbodata」をリリース。本業は都内のIT系企業勤務の会社員で、趣味はサイクルロードレース。富士・乗鞍のヒルクライムに出場・完走。トライアスロンにも挑戦中。


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