CKD、透析治療と向き合い、起業を志す【患者 宿野部武志氏】インタビュー

shukunobe

新たな国民病「CKD(慢性腎臓病)」とは?
患者・医療者を目指す「ペイシェントフッド」の挑戦

3歳で慢性糸球体腎炎を発症し、18歳の時に人工透析を開始した宿野部武志さん。現在はCKD(慢性腎臓病)・透析の患者や家族、医療者の双方をサポートするために2010年に設立した「株式会社ペイシェントフッド」の代表取締役を務めています。
疾患と向き合いながら、14年間大手電機メーカーのソニーに勤務したのち、なぜ起業を決意したのか、そして同じ病気を持つ方へ伝えたいことは何か、宿野部さんの今にいたる軌跡についてお聞きしました。

CKDは新たな「国民病」、糖尿病が原因で発症することも

ーーまずは、CKD(慢性腎臓病)とはどのような病気なのでしょうか?

多くの場合は、なんらかの疾患や薬などで腎臓に障害を受けて、蛋白尿、血尿、むくみ、高血圧などの状態が現れるのが「腎臓病」です。慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった症状が慢性的に続く、すべての腎臓病を指します。

急速進行性腎炎などの例外を除いて、一度失われた腎臓の機能は元に戻ることはありません。慢性の腎不全となって、さらに機能が低下して自分の腎臓で日常生活を送ることが困難になった場合は、人工透析や腎臓移植などの治療が必要となります。そのため、早期発見と病状の進行を抑える適切な治療、生活習慣の改善などで、腎臓の機能の低下を防ぐことが大切です。
ちなみに糖尿病の合併症である「糖尿病性腎症」は現在、人工透析への移行率がもっとも高いCKDです。糖尿病になると腎臓や眼底など全身の細い血管が壊されます。このとき糸球体や糸球体以外の腎臓の血管も侵され、腎不全にいたるのが糖尿病性腎症です。
CKDは、耳慣れないという方も多いかもしれませんが、実は患者さんは1,330万人いると推計されるなど、「新たな国民病」ともいわれています。CKDをもっと多くの方に知って頂きたいと考えています。

CKD、透析治療と向き合い、起業を志すまで

ーー宿野部さんはどのような治療を受けてこられたのでしょうか?

現在は、週に3回、1日5時間の人工透析を受けています。慢性糸球体腎炎を発症したのは3歳の時で、いまだに原因はわかりません。小中高生時代は、腎臓病の悪化を防ぐために運動を控える必要があったので、体育はすべて見学でした。症状が悪化した場合は入院になります。ほぼ毎年、概ね1か月程度、長いときは3か月という期間、病院で過ごしていました。副作用の強い薬を集中的に投与したり、体力的負担が大きい検査を受けたりとキツい時期でしたね。高校時代を経て、人工透析を受け始めたのは、大学受験を控えた18歳の時でした。

ーーご自身が治療と向き合う中で、同じ病気の患者さんにどのようなことを伝えたいと感じますか?

現在の透析治療は、週3回、1日4時間が基本となっています。患者さんはそれだけの時間を治療に費やしているのですが、そのような生活を送っていると「透析を受けるために生きている」ような状態に陥ることがあります。けれど、それでは本末転倒です。わたしは、夢や生きがい、趣味、楽しみなど自分らしく生きるために透析があり、そのための「手段」と捉えていただきたいと考えています。

わたしは18歳の時から透析治療を始めましたが、大学時代は学業のために、卒業後ソニーに就職してからは、仕事に打ち込むために透析を受けるという日々を過ごしてきました。仕事がとにかく好きで、治療で悩むより、仕事で悩む方が多かったと思います。
自立し、打ち込めることを見つけていただくこと。そして、腎臓病治療に関わる医療者にも幸せになって頂くこと。ペイシェントフッドでは、そのための患者さんやご家族、医療者への支援を目指した活動を行っています。

続いて、起業に至るまでの軌跡、ペイシェントフッドでの活動についてお話を伺いました。
こちら⇒「患者も医療者も幸せに」ペイシェントフッドの挑戦

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執筆者紹介

shukunobe

(株)ペイシェントフッド代表取締役
NPO法人 患者スピーカーバンク事務局長
NPO法人 東京腎臓病協議会理事・青年部長
宿野部 武志
URL: http://www.jinlab.jp/

3歳時に慢性腎炎に罹患。18歳時より慢性腎不全となり透析導入。現在透析歴27年。
大学卒業後ソニーにて14年間勤務の後、「病気と共に生きてきた中で得た体験と想いをベースに、病気で困っている人、医療・福祉に貢献することが自身のミッション」と確信し、退職。社会福祉士国家資格を取得後、地域福祉の現場にて勤務。
2010年9月(株)ペイシェントフッドを起業。
2013年4月「腎臓病に関わるすべての人の幸せのために」をスローガンにポータルサイト「じんラボ」をオープン。


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