「患者も医療者も幸せに」ペイシェントフッドの挑戦【患者 宿野部武志氏】インタビュー

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3歳で慢性糸球体腎炎を発症し、18歳の時に人工透析を開始した宿野部武志さん。現在はCKD(慢性腎臓病)・透析の患者や家族、医療者の双方をサポートするために2010年に設立した「株式会社ペイシェントフッド」の代表取締役を務めています。
「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」を目指す、「ペイシェントフッド」についてお話を伺いました。疾患と向き合いながら、14年間大手電機メーカーのソニーに勤務したのち、なぜ起業を決意したのか、そして同じ病気を持つ方へ伝えたいことは何か、宿野部さんの今にいたる軌跡についてお聞きしました。

会社員から起業家へ、「ペイシェントフッド」設立への道のり

ーー「ペイシェントフッド」の起業の経緯を教えてください。

ソニーでは人事・労務に係わる仕事をしており、メンタルヘルスに関する相談や病気で欠勤する方の対応などもしていました。自分自身が長年治療を受けてきた経験と重ね合わせ、「医療に関する仕事に就きたい」という漠然とした気持ちが芽生えてきました。
気持ちが強まり決意してからも、一時は両親に心配をかけるのがしのびなく、あきらめたこともありました。しかし、同時期に透析の合併症で手術を受けたことをきっかけに、自分が本当にやりたいこと、やるべきことに深く思いを巡らすこととなり、結局38歳の時に退職し、新たな道を歩み始めました。
当時、会社の仲間にも大変驚かれたのですが、ソニーには「ひとのやらないことをやる」という社風がありまして、その風土で培われたチャレンジ精神ともいえると思います。
その後は社会福祉士の資格を取り、実務経験を積んだ後、NPO「メディカルクリエーションネットワーク」を立ち上げました。患者さんの自立を支援し、医療者へのサービス提供を目指すのならば株式会社のほうが望ましいと考え、2010年に「ペイシェントフッド」を設立しました。

「患者も医療者も幸せに」ペイシェントフッドの挑戦

ーー「ペイシェントフッド」の活動について教えてください。

まずは昨年、患者さんやご家族の交流の場であり、疾患知識や最新情報の発信などを行うウェブサイト「じんラボ」を立ち上げました。また、透析治療を受けている方が検査数値の記録、自己管理などを行うためのウェブサービス「とうせきくん」の提供も開始しています。

◆じんラボURL:http://www.jinlab.jp/
◆とうせきくんURL:https://www.jinlab.jp/tool/index.html

この四半期では、透析医療施設に特化した、医師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士、看護助手などの人材紹介事業を開始する予定です。
透析治療は、週に3回は同じ患者と医療者が顔を合わせるという、ほかの慢性疾患などとは異なる側面があります。患者さんと密なコミュニケーションを目指す医師や看護師、ご家庭との両立のために規則正しい勤務体系を望む医療者の方から要望を頂き、現在準備を進めています。

また、患者さんに対しては、自立した生活を送って頂くために、治療を受けながら就業が可能な仕事の紹介、職業訓練の機会の提供を検討しています。
透析治療を受ける方は、腎機能検査によりますが、身体障害者手帳1級に認定される方が多くいらっしゃいます。健康な方とは異なる状況での仕事探しとなる中で、ご本人の「自立」をサポートしていきたいと考えています。

ーーまさに「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」という幅広い取り組みですね。

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執筆者紹介

shukunobe

(株)ペイシェントフッド代表取締役
NPO法人 患者スピーカーバンク事務局長
NPO法人 東京腎臓病協議会理事・青年部長
宿野部 武志
URL: http://www.jinlab.jp/

3歳時に慢性腎炎に罹患。18歳時より慢性腎不全となり透析導入。現在透析歴27年。
大学卒業後ソニーにて14年間勤務の後、「病気と共に生きてきた中で得た体験と想いをベースに、病気で困っている人、医療・福祉に貢献することが自身のミッション」と確信し、退職。社会福祉士国家資格を取得後、地域福祉の現場にて勤務。
2010年9月(株)ペイシェントフッドを起業。
2013年4月「腎臓病に関わるすべての人の幸せのために」をスローガンにポータルサイト「じんラボ」をオープン。


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