健康管理の根本は食事管理が重要 おいしく食べられる療法食を作りたい【管理栄養士 寺島みな子氏】

寺島みな子さん_アイキャッチ

施設向け宅配食を手がけるグローバルキッチンの管理栄養士として、商品開発などに注力する寺島みな子さん。宅配療法食の商品開発を目指したきっかけはどこにあったのでしょうか。今回は寺島さんが考える食事管理についてお話を伺います。

■「風邪をひくのも実力のうち」健康管理の根本は食事管理が重要と実感

ーー管理栄養士になろうと思ったきっかけはどんなことだったのですか?

小さい頃から食事やお菓子を作ったり食べたりするのが楽しくて大好きだったので、将来は食事に関する仕事に就こうと思っていました。
学生時代は10年間バレーボールをやっていて、コーチから「風邪をひくのも実力のうち」と言われました。結構、厳しい部活で、自分自身も気をつけていたのですが、やはり体調が悪いなという時期もありました。そういうときには必ず母が私の体調に合わせて食事内容を考えてくれていたことを振り返ると、食事が自分の健康管理の根本なのだと感じました。こういった経緯から、大学は管理栄養士学科という管理栄養士になるための学科に進みました。

ーーご自身の体験があったのですね。ところで管理栄養士学科ではどんなことを学ぶのですか?管理栄養士さんというと、調理実習のようなイメージがありますが。

食品加工や栄養学をはじめ、病理学も学びますよ。朝から夜まで勉強と実験が続き、マウスを使った実験もありました。もちろん調理実習もあるのですが、どちらかというとフラスコを傾けたりしているような化学実験の時間がほとんどでした。正直とても難しく、レポートを書くのも大変でしたが、体のことをしっかり学び、栄養素との関係を根本から学ぶことができたので、自分の体験に加えて専門的な知識を身につけられたことは、今の仕事に大きく活かせていると感じています。

■日本人はサプリメントの継続摂取よりも、食事改善の方が向いている

ーー栄養素といえば、現代では栄養補給にサプリメントを活用するという方法もありますよね。

そうですね。実は大学卒業後、オーダーメイドサプリメント専門の会社で働いていました。求人票の「第一次予防として働きませんか?」というフレーズにひかれたんです。当時の私は、管理栄養士としての知識を病気の予防に活かそうということより、店頭に来るお客様にカウンセリングして、オーダーメイドで調合できるという点にとても魅力を感じていました。
しかし、サプリメントは海外では継続的に摂取されているものの、日本ではなかなか継続するのが苦手な人が多く、改善に結び付けられないお客様もいらっしゃいました。そのときに、サプリメントで補うこともできるけど、やっぱり毎日の食事内容が重要なんだと感じ、宅配食を提供する企業に転職し、一から商品開発を学び今に至っています。

■疾患のある方でもおいしく楽しく食べられる療法食を作りたい

ーー商品開発は楽しそうというイメージです

商品開発を始めた頃は、自分が企画した商品が、商品化されてお客様の口に届くということがとても嬉しく楽しかったです。また、「管理栄養士さんとお話しがしたい」という施設の方のご要望もあり、営業さんに同行しプレゼンテーションする機会もありましたので、直接、提供する施設や召し上がっていただく方のご感想やご意見などを伺えたことで、より仕事を魅力的に感じていました。

しかし、楽しい半面とても責任重大な仕事だと考えています。療法食は決められた栄養価の中でメニューを作る必要があるため、その制限を超えても低すぎてもいけない。とても緊張感を持って開発しています。
例えば、まごの手キッチンの商品は、主菜と副菜それぞれ選択できるようになっていますので、主菜と副菜をセットにしたときに療法食として適切な栄養価となるような商品づくりを心がけています。
また、パッケージにも工夫があります。やはりお食事はおいしく楽しく召しあがっていただきたいので、お惣菜セットは、「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく」をモットーに、素材に合わせた調理ができるようお惣菜ごとに切り離しができるようになっています。

ーーまごの手キッチンの商品は、主菜に合わせて副菜が複数選択できるようになっていますよね。例えば、エネルギー調整食の「さわらのバジルソース献立」は2種類あり、異なる惣菜セットになっているので楽しみが2倍という感じです。

1種類の主菜に異なる惣菜セットで提供できている商品もあるのですが、療法食としてはまだまだメニュー数が少ないと感じています。最低でも2週間はまったく違うメニューを楽しんでいてだけるようにもっともっと商品数を増やしていきたいと思っています。今は夏に向けて新しいメニューを開発中ですので、楽しみにお待ちいただければと思います。

寺島みな子さん_記事内
まごの手キッチン惣菜セットを開発している寺島さん。
試作品が来たら栄養価、量や味付けなどを確認しているそうです。

ーー夏ごろに新商品公開ですね!楽しみです。ところで、商品は開発から販売までどのくらいの期間かかるのですか?

グローバルキッチンではおおよそ2カ月くらいです。企画して工場で試作しますが、素材が季節によって変わるので、販売時期に合わせて素材をおいしく提供できる時期をみて作り始めます。特に野菜は時期によって水分量が違うので、素材の状態も加味しながら試作を始める時期を考えるんです。

ーー工場に現地視察や、試食で何度か行かれていましたよね

そうですね。栄養価を合わせることはもちろんですが、工場での大量調理になりますので、野菜の水分量次第でも味が大きく変わってしまいます。それを加味しながら、現地の工場の方々と確認しながら調整をして完成させています。
また、製造工程もしっかり確認します。工場の方と同じように清潔な服装に着替えてマスクや帽子をかぶって、原料の仕込みから、味付け、パッケージ化するところまですべての工程を見に行きます。お客様にいいものを届けるという点で、企画からお客様のお口に届くまで、関係者一丸となって責任を持ってやっています。

ーー寺島さんを始めとしてたくさんの方の愛情が込められた商品がWeb上で注文できるようになったとき、できたという達成感がありますね。

そうですね、確かに。できあがって販売できるというタイミングに来るまで、苦しいことも多々ありますが、企画から2カ月ほどかけて最後の確認が終わり、商品が袋に詰まってできたとき、これでお客様に届けることができるという1つの達成感はあります。
とはいえ、私たちは販売することがゴールではないので、いつもお客様のニーズに合わせた商品が提供できているかと気になっています。
改良の課題はたくさんあるのですが、「商品をたくさん作って飽きずに食事をたのしんでいただけるように」、「現在の商品よりもおいしいと感じていただけるように」と常に考えて開発に臨んでいます。

ーー引き続き、寺島さんが目指す宅配療法食とは何か、療法食を開発する想いを伺います。

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話し手ご紹介

寺島みな子さん_アイキャッチ

管理栄養士 寺島 みな子氏
まごの手キッチン:http://www.magonote-kitchen.jp/index.html
グローバルキッチン:http://www.global-kitchen.jp/index.html

管理栄養士養成大学を卒業後、サプリメント専門の仕事に就くが、「食べる」ことの重要性を再認識し、宅配食の商品開発・販売関連の仕事に就く。そこで商品開発に魅力を感じ、現在はグローバルキッチンの主任管理栄養士として、コンセプトである「食事で簡単、健康管理」に沿った、商品開発から献立作成までを担当。約7年間で500種類以上のメニューを提供する。開発時には全国の製造工場を訪問し、製造ラインの確認なども実施し、お客様に安心して美味しく召し上がっていただける商品提供を心がけ日々奮闘中


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