「今より悪化させない」から始めるサポート【管理栄養士 森田千雅子氏】

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訪問診療や介護施設で活躍する管理栄養士の森田千雅子さんに今回インタビューをさせていただきました。
高齢の糖尿病患者をどのようにサポートすればよいのか、迫りたいと思います。

本人の意志を尊重するケアを

ーー 糖尿病患者と接するとき、どのような点に注意していますか?

私は、ご高齢の患者さんのお家に伺うことの多い在宅の訪問栄養士なので、「退院してその方の望む在宅生活を、食でお手伝いしたい」という気持ちで接しております。
「あれを食べては駄目!これを食べるのは駄目!」という指導というよりも、本人が最期はどのようにお家で暮らしたいかを考えた上で指導やサポートを行っています。

最期を考えるという言葉に抵抗を感じる方もいると思いますが、分かりやすく言えば、「塩辛いものが食べたい。ビールが飲みたい。甘いものが食べたい。それを我慢する人生ならば長生きしたくない。」という方のお食事のアドバイスをしています。

残念ながら、80歳以上で血糖コントロールを厳密に行っても、生命予後はあまり変わらないという現実が有ります。ですから、ご高齢になると栄養指導は40~50代よりもずっと緩やかになります。その代わり「老後はどのように過ごしたいのか?」これまでの生き方にそった栄養指導をおこなう必要があります。一人の糖尿病患者というよりも、その方の今まで生きてい来られた積み重ねを尊重するスタンスなのです。

日常的な会話から聞き出すのがコツ

ーー「どのような最期を迎えたいか」を聞き出すのは難しいと感じるのですが、そうではないのですか?

直接聞くのは抵抗がありますよね。だからこそ、日常的な会話の中で聞き出すようにしています。
例えば「もう、○○を食べられないの?」と聞かれたときがチャンスです。そのときに何を大事だと思っているのか、どうしてそれが食べたいのか「食の思い出」を伺っています。
どんな病状かを確認することは大事ですけれども、どうして病気になったのかを確認することも大事だと感じています。その中からその人が人生の中で大事にしていることを感じ取ることが出来ます。

介護は患者本人だけで成り立っているものではありません。独居でなければ、ご家族など介護する人がいてなりたっています。医療関係者はつい介護者に指導ばかりで褒めることがありません。そのため介護者は「これでいいのかな?」「これで良かったのかな?」といつも不安になっている事が多いのです。
ですから、周りの人が「それでいいよ」とその方なりの介護を認めてあげてほしいと思っています。その声かけが大きな支えになります。

また、介護をしている方にはもっと自信を持って欲しいと願っています。患者への思いはどの専門家にも負けません。私は介護なさってる方を心より尊敬しています。

「今より悪化させない」から始めるサポート

ーー介護をする人は「本人に最期まで元気でいてもらいたい」と思っていることが多いと思います。患者本人の意志と一致しないこともあると思うのですが。

サポートする方のスタンスとしては、まずは「今より悪化をさせないこと」から始めるとよいと思います。これまで長年の習慣を、すぐに生活習慣を変えるのは難しいです。また、リスクやメリットを理解するまで時間がかかることもあります。
そこでまずは悪化させないこと、次にできることから少しずつ改善をすすめてみましょう。

ーー「少しずつの改善」と言いますと、例えば何から始めると良いでしょうか?

ごはんの量をおかわりをしないとか、おやつの量を少し減らすとか、なにかを急に0にしようとしないのがポイントだと感じています。
運動はラジオ体操を高齢の方にはオススメしています。いつ、なにをするのかが明確に決まっているので、習慣化がしやすいのだと思います。
NHKの朝ドラを見るような感覚なのかもしれません(笑)

ーーそれなら私もできる気がします!

引き続き、新型低栄養と糖尿病についてお話いただきました。
こちら⇒増える「新型栄養失調」

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話し手ご紹介

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管理栄養士
森田 千雅子

医療法人社団悠翔会で訪問栄養士として東京都在住の在宅患者への栄養指導を行っている。
所持資格:管理栄養士、介護支援専門員、ホームヘルパー2級、NST(栄養サポートチーム)専門療法士、調理師


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