食事は自分でできる“一番の治療”  生活と心を土台にした食事指導【管理栄養士/糖尿病療養指導士 加藤知子氏】

about-photo01

地域中核病院の糖尿病センターでの外来栄養指導や訪問栄養指導などを経て、現在は「腎内科クリニック世田谷」(東京都世田谷区)で、通院患者の栄養状態の管理や食事相談を担当している加藤知子さん。多いときには、1日に10人以上と面談することもあるといいます。明るい笑顔と気さくな話しぶりに、つい話し込みたくなる患者さんも多いのではないでしょうか?

加藤さんは自身の指導についてこう語ります。「患者さんの食生活には人生史といいますか、考え方や価値観がギュッとつまっている気がします。それが、日々の食事に結びついているのだと。だから、食事の“土台”となる生活そのものを聞くようにしています」

クリニックで多くの患者の食生活を指導し、その“土台”に触れながら行う指導とは?
加藤さんの日々の想いについてお聞きしました。

多い日には10人以上の患者を指導、管理栄養士の仕事とは?

ーー「腎内科クリニック世田谷」でのお仕事について、教えてください。

腎内科クリニック世田谷は、腎臓内科、透析内科、糖尿病外来があり、食事療法、薬物療法を中心にあらゆる治療を実施しています。私はこちらでは、両外来の患者さんの栄養指導を担当しています。予約制で、お1人あたり約30分。少ないときは5~6人、多いときには10~12人くらいの方とお会いします。数日分の食事記録票を持ってきていただいては話しながら振り返りをし、食事と栄養面での問題点があれば、一緒に改善方法を考えます。

ーー管理栄養士さんにも様々な活躍の場があると伺いました。

病院に勤務しているときは手術後の身体の回復をサポートできるような食事作りを行うこともありますし、糖尿病などの教育入院をしている方向けに栄養指導を行うこともあります。在宅療養をされている方を訪問するケースもありますね。

私は今、外来での栄養指導を担当しており、基本的には、自宅で療養し、通院している方への指導となります。
健診で高血糖を指摘された糖尿病境界型の方への生活指導や、毎月通院されている方へ糖尿病の進行を予防するための栄養指導、そして透析予防のための指導を行っています。透析内科では血液透析、腹膜透析を行う方の血糖管理を、糖尿病専門医、糖尿病療養指導士を取得している看護師とチームを組み取り組んでいます。
多くの患者さんは、病院にいる時間より、退院した後の時間の方が長く、その中で日々の食事はご自身でできる“一番の治療”だと思います。
糖尿病や腎臓病、または胃がんで胃を摘出した…など、食事に大きく関わる病気との付き合いは、ストレスがとても大きいと思います。しかし、それだけに全てが支配されるような生活は送ってほしくないと思いますし、医療者がもっとも配慮しなくてはいけない点だと思っています。

生活と心の状態が深く関わる食事は、まさに「ひと」の歴史そのもの

ーー加藤さんは患者さんと接する時、どのようは点に注意していますか?

今や過去の食生活から見えてくる生活環境や心の状態を考慮しながら患者さんのお話を聞くようにしています。どのような食べ物を普段好んで召し上がるかを伺い、それを食べるにはどのような工夫をするか考えます。そして「このひとが一番気になっていることってなんだろう」と考えながら、患者さんのお話を聞いています。たまにいらっしゃるのですよ。会話をしていても、どこか上の空の方(笑)
ただ、お話を聞くとインスリンなどの投薬に関する医療費を気にかけていらっしゃったり、そもそもうつ傾向からくる食行動の異常などというケースもあり、深くその方の状況や“根っこ”の部分にアプローチできないと何も改善されないということになってしまうこともあり得ます。
本人の気持ちが集中できないところで「食事のバランス」の話だけでは、組り組むモチベーションが生まれにくいのですね。

例えば先日、女性の患者さんとお会いしました。その方は、アルコールの摂取量が大変多く、何か原因があるのかと思い尋ねてみると、介護による疲れでよく眠れない状態が約10年続いていたようです。お酒は眠るための手段だったのですね。そのような場合、根本の原因にアプローチすることも大切です。主治医と相談し、心療内科への受診を考慮しました。

食事の内容やタイミング、いつ誰が作り、どこで食べるのかを聞くとその人の生活が見えてきます。その方の“土台”となる生活を大切にした指導を心がけています。
引き続き、患者さんの指導の場での質問、ライフスタイルと食生活に関してお話を伺います。

<関連記事>
◆加藤知子氏インタビュー
「食べてはダメなものは何ですか?」
http://media.welby.jp/medicalworker/4554/
◆「Welby食事アルバム」×「Welbyシェア」がパワーアップ
http://media.welby.jp/welby/4698/

<おすすめアプリ>
◆Welby食事ノート:http://www.welby.jp/service/meal/
◆Welby食事アルバム:http://www.welby.jp/service/album/
◆まいさぽ:http://www.welby.jp/service/maisapo/

話し手ご紹介

管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
食サポートオフィス:http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


掲載内容は株式会社ウェルビーの見解を述べるものではございません。 (すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


糖尿病や生活習慣病の患者さんのための

つながる自己管理ノート

アプリのダウンロードはこちらから

糖尿病をはじめとする生活習慣病にとりくむために、
自ら情報を得て、自ら行動し、自ら判断出来るクラウドサービス