食事は自分でできる“一番の治療” 「食べてはダメなものは何ですか?」【管理栄養士/糖尿病療養指導士 加藤知子氏】

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地域中核病院の糖尿病センターでの外来栄養指導や訪問栄養指導などを経て、現在は「腎内科クリニック世田谷」(東京都世田谷区)で、通院患者の栄養状態の管理や食事相談を担当している加藤知子さん。多いときには、1日に10人以上と面談することもあるといいます。明るい笑顔と気さくな話しぶりに、つい話し込みたくなる患者さんも多いのではないでしょうか?
加藤さんは自身の指導についてこう語ります。

「患者さんの食生活には人生史といいますか、
考え方や価値観がギュッとつまっている気がします。それが、日々の食事に結びついているの
だと。だから、食事の“土台”となる生活そのものを聞くようにしています」
クリニックで多くの患者の食生活を指導し、その“土台”に触れながら行う指導とは?
加藤さんの日々の想いについてお聞きしました。

「食べてはダメなものは何ですか?」

ーー食事指導に通われる方からは、どのような質問が多いですか?

最近よく受ける質問は、「食べてはダメなものだけ教えて下さい」でしょうか?
「あれも、これも食べていいよ」といわれるより、「これはダメ!」という情報が欲しいということですね。驚きました。ですが、この質問への答えは「基本的に、食べてダメなものはないよ」としかいいようがないのですよ(笑)
例えば、糖尿病の方から「揚げ物って食べてはいけないのですよね?」と聞かれたことがありますが、「ダメ」ではないのです。
ご自分でどうしたいのかを考えて頂き、それを実現するサポートができたらいいなと思っています。好きなものや、食べたいものをいかに工夫して食べるのかを、お話することが多いです。

最近、出版に協力した「関西電力病院のおいしい糖尿病レシピ (主婦の友実用No1シリーズ)」もそんな思いでレシピを寄稿しました。これからも「慢性疾患であっても食事を楽しめる」のだということを伝えていきたいと思っています。

ライフスタイルに合わせた食生活を

ーー疾患の有無にかかわらず、どのようなライフスタイルの方に、食生活のあり方を意識してほしいと考えますか?

あくまでも個人的な意見ですが、残業が多い多忙な方には生活習慣病に気をつけて頂きたいと思っています。働く時間が長時間に伸びて、食事の時間が深夜にずれ、食べてすぐに寝て食後高血糖…という方が多いと思います。運動も不足しがちになる方が多いです。
例えば、お忙しい方であれば、栄養成分の表示が明確なものを提供する外食店を利用しても良いと思います。
高齢で独居のため、自炊が難しいの方であれば自治体が運営する配食サービスを利用したり、宅配食をスポット利用するのもひとつの手段です。
地域差や産業構造にも由来すると思いますが、必ずしも自炊のほうが良いともいえません。独身か、ご家族がいる場合はその方々のご年齢や好みによっても異なります。ご自身のライフスタイルに合った食生活のあり方を意識して頂きたいですね。

ーー食事の改善に記録は有効でしょうか?

次の指導まで間が空いてしまう方には、面倒でなければ、ノートなどをつけてもらっています。携帯などで写真を撮って、メールで送ってもらうことなどもあります。その際には、「食事のシーン」も付記して頂けると指導しやすいですね。例えば、外食や飲み会などの「状況」や「食事時間」、内服薬やインスリン注射のうち忘れ、低血糖症状の有無など。運動状況も記入してもらうこともあります。糖尿病の方であれば、血糖値と食事の関連性を比較しやすくなります。
また、痩せているときと太っているときとで食生活を比較すると、その原因が見えてくることもあります。「この時は野菜が多かったのに、今は炭水化物を摂る量が増えてる」などですね。
長い期間、無理なく続けるだけでも、改善につながると思います。

 
食生活にはその方それぞれの歴史があり、そこに深くかかわることで本質的な栄養指導を実現したいという加藤さん。
皆さんも、食事管理を考えるとき、一度ご自身の生活を振り返ってみてはいかがでしょう?
そうすることで、無理なく、健康的で、「おいしい食事」とともにある新たな生活が見えてくるかもしれません。

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◆加藤知子氏インタビュー
「生活と心を土台にした食事指導」:http://media.welby.jp/medicalworker/4555/
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話し手ご紹介

管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
食サポートオフィス: http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


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