糖尿病で視力を失わないために気をつけたい目の変化

ねんど医者8

糖尿病は血糖値のコントロールさえうまくいけば、それほど怖い病気ではない。恐いのは「高血糖の状態が続くこと」によって起こる「神経障害」「網膜症」「腎症」の3大合併症の方だ。今回はその中で網膜症にフォーカスし、注意すべきポイントを紹介する。

■どのくらいの人が網膜症になるの?

糖尿病性網膜症は成人の失明理由の第1位で、視覚障害者のほぼ5分の1、年間3000万人が糖尿病性網膜症のため、社会生活に支障をきたすようになるといわれている。
まず、糖尿病性網膜症は、HbA1cが7.0%以上が「特に注意が必要」といわれるラインとなっている。糖尿病発病後5年で増え始め、10年で約半数が発症。また若い方が進行は早いため、40~50代で急激に悪化し、60代で視力を失う人が多い。40~50代は“老眼年齢”と重なるので、多少違和感があっても「老眼のせいだろう」と、発見・治療が遅れがちになりやすい。
平成14年に厚生労働省が行った「糖尿病実態調査」では、糖尿病性網膜症になる人は糖尿病患者の8.7%。グラフから、60歳を越えると急激に患者数が増えることがわかる。

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■血糖値は網膜にどう影響する?

網膜は目の一番奥に位置する膜で毛細血管が網の目のように走っている。高血糖になると、その毛細血管がところどころで変形したり、詰まったり、こぶができり、出血したりする。これを放っておくと、目が酸欠状態になってしまう。
目の酸欠を回避するため、毛細血管は詰まった血管を迂回する新しいルート、つまり新しい微細血管(新生血管)を次々と作ってしまう。この新しい血管がうまく機能すればいいが、たいてい脆く、ささいな圧力で破けて出血してしまう「増殖網膜症」という状態に陥る。また、出血した際にできるかさぶたのような膜ができて、これが網膜剥離に繋がることもある。出血性緑内障など、失明のリスクも高くなる。

■こんな症状にご用心

「自覚症状がない」と言われる網膜症のなかでも、気をつけたいのが急激な視力の低下。目は片方に問題があっても、もう片方の目が補ってしまうので、片目ずつ「視力」や「視界の欠け」などがないかチェックしてみよう。
また、出血の影響で、視界の中にいつも虫がいるような「飛蚊症」や、黒いカーテンがかかったような感じがすることがある。糖尿病の人は目の異常がなくても定期的に眼科で眼底写真を撮ってもらおう。

■治療は可能?

増殖網膜症の段階なら、レーザーで新生血管の増殖を予防したり、すでにできてしまった新生血管を減らす「網膜光凝固術」が外来で受けられる。ただし、これは現状を維持するための治療であって、視力が回復するものではない。
これより進むと、入院して硝子体手術を受ける方法もある。ただし、非常に高度な手術で、手術を受けられる医療機関は多くない。
 
まずは血糖値のコントロールで、合併症をできるだけ抑える。それでも出てしまったときは、早めに発見して、軽いうちに治療を開始しよう。

<引用>
平成14年度糖尿病実態調査報告 平成16年6月 厚生労働省健康局
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/03/s0318-15.html
7-1 図26-2、表8-2

<参考>
日本眼科学会:糖尿病網膜症
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_tonyo.jsp

(取材・文/竹島由起)

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