蓄尿検査結果の一例

試験管

数回にわたり、尿検査についてまとめました。
健常な方でも1日40~80mg程度のたんぱく質が尿に排泄されていますが、1日150mg以上になると、たんぱく尿と言います。なかでも尿中微量アルブミンというものは、たんぱく尿が陰性の時期から検出され、腎臓病の早期発見やメタボリックシンドロームの診断に利用されています。1日30~300mg(またはmg/g・Cr)を微量アルブミン尿といいます。
腎臓病の薬物療法とあわせて食事療法を行う場合、腎臓の状態にあわせ、食塩制限・低たんぱく質食にすることがあります。腎臓の糸球体での過剰ろ過が抑えられ、尿たんぱくの量を減らし、腎臓病の進行を抑えます。食塩の感受性には個人差がありますが、むくみ(浮腫)や高血圧症や腎臓病の進行予防を目的として、食塩摂取制限がすすめられています。

慢性腎不全の患者さんは、食塩感受性の高血圧症であることが多く、食塩摂取量を制限することで血圧が低下しやすので、低塩食で推算糸球体ろ過量(eGFR)が保たれる効果があるということがわかっています。

食事療法を行ううえで、食事がうまくいっているかを確認することができるのが、24時間蓄尿検査を用いたたんぱく質摂取量や食塩摂取量の結果です。今回は一例を示します。

名前:Tさん(60歳代、男性)
病名:慢性糸球体腎炎
<食事療法>
1日の栄養量 エネルギー2000kcal、たんぱく質:40g、食塩:6g未満
<食事記録ノートからの自宅での推定栄養摂取量>
エネルギー1700~1850kcal、たんぱく質55g、食塩摂取量10~11g

~蓄尿検査の結果(4月)~
尿量       :2250ml
蛋白摂取量(g/日)=53g
食塩摂取量(g/日)=10.2g
<栄養相談>
食事記録と蓄尿検査を同時に行いました。外食での麺類、漬物、汁物の摂取で食塩摂取量が多くなっていた為、減塩の指導を受けました。低たんぱく質ごはんやパンの紹介を受けました。

~3か月後の蓄尿検査の結果(7月)~
尿量       :1800ml
蛋白摂取量(g/日)=41.6g
食塩摂取量(g/日)=5.7g
24時間クレアチニン産生量=38mg/分
<栄養相談>
麺類を食べる頻度が減り、汁物や漬物は食べる量を減らしました。炭水化物のお米は低たんぱく質ごはんに変えました。

このように、食事内容と蓄尿検査を組み合わせて見ることで、食事療法への取り組み結果を確認する事が出来ます。

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執筆者紹介

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管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
URL: http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


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