腎臓病の食事について~どのような注意が必要?

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慢性腎臓病(CKD)の治療の大きな目的は、腎臓の機能が低下するのを抑え、透析療法の開始を遅らせること、そして心疾患を抑えることにあります。薬物療法と食事療法が基本の柱となります。

食事療法では、腎臓の糸球体への負荷を減らすために、食事から摂取する食塩や蛋白質を腎臓の機能に合わせて調整し、体に見合った必要なエネルギー量を摂ることにあります。
まずは食塩の摂り過ぎを抑えることが第一と言われます。平成25年国民健康・栄養調査結果の概要によると、成人男性は1日11.0g、女性は9.4gを摂取しているという結果になりました。過去10年間で食塩の摂取量は減少傾向にあるようですが、世界的にみても日本人の食塩摂取量は多い状況です。

■食事のポイント

①食塩を抑える(1日あたり食塩6g以下)
 食塩を過剰に摂ると、血圧の上昇を招き、糸球体に負担がかかります。高血圧症を引き起こす原因となり、高血圧が腎臓機能の低下を早めてしまうことになります。

②蛋白質の摂り過ぎを抑える
 蛋白質はヒトの体内において、筋肉や血液をつくる成分になっています。様々な食品に蛋白質が含まれていますが、重量当たりで含まれる割合が多いのが肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品です。
蛋白質を摂り過ぎると老廃物が生じますが、腎臓が排泄をしています。しかし、腎臓病がある場合には過剰な蛋白質をすると糸球体に負担をかけてしまいます。

③エネルギーは体に見合った量を
腎臓の機能の程度・病気の段階により個人差があります。自己で判断せずに主治医が決定した栄養量を基準にしましょう。
注意したいのがエネルギー不足です。蛋白質を減らすために肉や魚などのおかずを減らすと、自然とエネルギーも減ります。体を動かすためのエネルギーを補うため、体は筋肉を分解してエネルギー源にあてるため、結果的に蛋白質の摂り過ぎと同じ状態となり、老廃物が発生し糸球体に負担がかかります。
「食事量を全体的に少なくすればいい」というのはNG。肉や魚などの蛋白質を減らした分、炭水化物や油脂でエネルギーを補います。

■カリウム制限

腎臓病の状態に合わせてカリウム摂取量の調整が必要になります。
カリウムは様々な食品に含まれますが特に野菜、果物類、いも類、きのこ類、穀類、大豆製品などの植物性食品や、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品にも含まれます。腎臓の機能が低下していると、カリウムが体の外に排泄されにくく、血液中のカリウム濃度が増加することがあります。
カリウムは水溶性であり、調理の工夫次第で減らすことが可能です。

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慢性腎臓病~どんな病気?
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執筆者紹介

about-photo01

管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
URL: http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


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