妊娠糖尿病とは何でしょうか?③〜食事と薬物編〜

フルーツヨーグルトとクラッカー

妊娠時は、妊娠していない時と比較して、基礎代謝率は8~15%増加し、胎児のエネルギー源、胎盤の発育、母体の臓器のエネルギー需要が増え、母体の貯蔵エネルギー源も必要となるため、代謝が亢進します。
また、お母さんの体の血液量増加、乳房と子宮の発達、そして分娩や出産後に備えた体力を保持するためには、エネルギー量は妊娠初期、中期、末期に応じて付加量として必要になり、特に胎児の発育が著しい妊娠末期ではより多くのエネルギーが必要となります。
特にたんぱく質や鉄、ビタミン類は胎児の発育やお母さん自身の健康維持に必要な栄養素となり、摂取が望ましいとされています。

【妊娠糖尿病と診断された場合の食事はどうするの?】
妊娠中は血糖コントロールを厳格に行うことは先週お話しましたが、妊娠中に必要なエネルギー量や栄養素を摂ることは必要です。しかし、糖分や脂肪分、塩分の多い食事は体重が増えすぎてしまう原因にもなります。主治医や管理栄養士と適切な食事について相談することが大切です。

耐糖能異常、高血圧がない妊婦の場合の妊娠全期間を通した推奨体重増加量は非妊娠時体重をBMIによる判定基準で評価します。

141120-01

妊娠糖尿病の妊婦の出産までの体重増加については、身長と妊娠前の体重などを参考に個別対応となりますが、標準体重1kgあたり30kcalを中心にし200~300kcal程度追加します。体重の増加量によってその都度、エネルギー量を追加したり、食事方法を変更することがあります。
★標準体重=身長(m)×身長(m)×22
160cmの方ですと、1.6×1.6×22=56.3kg
56.3kg×30kcal=1700kcal+(必要に応じて200~300kcal)/日あたり
(※妊娠の経過についてはかなり個人差があるため、あくまで目安としてください)

妊娠中はどうしても食べ過ぎたり、おなかが大きくなるにつれて運動量が減少することもあり体重が増えてしまうことがあります。

【分割食という食事の仕方】
食事は、栄養バランスの良い食事をとり、特に妊娠時に必要な栄養素を摂ります。
分割食が必要と言われたときは、1日3食の食事を5~6回に分けて食べることがあります。
血糖測定の結果より、食後の血糖値が上昇しやすい傾向にあるようでしたら、1回分の食事のうち、特に炭水化物を①食事、と②食間の間食、の2回にわけて食べることで、食後の高血糖を予防するという方法です。
しかし、働いている妊婦さんなどでは仕事の合間に間食を摂ることが難しかったり、外食ですと量の調整が難しいようです。自宅から手作りのお弁当を持参するなど、工夫が必要となります。

分割食の一例(1日3食→6食へ小分けにする)
141120-02
矢印
141120-03

炭水化物の量を分割することで、食後高血糖を防ぐ目的があります。

【妊娠中の薬物療法】
妊娠中の血糖降下薬は胎盤を通過し胎児の低血糖をきたす危険があるため、原則として飲み薬は使用しないことになっています。食事療法や運動療法を適切に行っても血糖値の厳格なコントロールができない場合はインスリン注射を行います。
インスリンの種類や打つ回数は妊婦さん個人の血糖値の変動に応じて選択していきます。

Welbyマイカルテ

執筆者紹介

about-photo01

管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
URL: http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


掲載内容は株式会社ウェルビーの見解を述べるものではございません。 (すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


糖尿病や生活習慣病の患者さんのための

つながる自己管理ノート

アプリのダウンロードはこちらから

糖尿病をはじめとする生活習慣病にとりくむために、
自ら情報を得て、自ら行動し、自ら判断出来るクラウドサービス