妊娠糖尿病とは何でしょうか?①

妊婦

妊娠中に血糖値が高くなりやすいと、聞いたことはありますか?
妊娠すると、おなかの赤ちゃんが成長するにつれて胎盤からホルモンが分泌されます。これらのプロゲステロン、プロラクチン、コルチゾールなどのホルモンはインスリンの働きを抑える作用があります。また、胎盤でインスリンを壊す酵素が作られること、出産に近づくにつれて体脂肪も蓄積されていくため、いっそうインスリンが効きにくい状態になりやすく結果として血糖値が上昇しやすくなります。

妊娠中の糖代謝異常には以下の2つに分類されます。
①糖尿病合併妊娠
糖尿病が妊娠前よりある方が、妊娠した場合に糖尿病合併妊娠と定義されています。

②妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常と定義されています。

妊娠初期と中期に妊娠糖尿病の血糖検査を行い、陽性の場合は75gブドウ糖負荷試験を行い、診断基準により診断されます。
以下の1項目以上が当てはまる場合を妊娠糖尿病と診断します。
①空腹時の血糖値 92mg/dl以上
②時間値 180mg/dl以上
③時間値 153mg/dl以上

妊娠中に高血糖が続くと、どのような影響があるのでしょうか。
<母親への影響>
・流産や早産
・妊娠高血圧症候群など

<胎児への影響>
・先天の奇形
・過剰発育・巨大児など

<新生児への影響>
・低血糖症
・高ビリルビン血症、低カルシウム血症
・呼吸障害など

お母さん自身だけでなく、おなかの赤ちゃんにも大きな影響が及ぶことがわかります。

また、妊娠糖尿病になりやすい人には下記があげられます。
・家族(特に両親や祖父母)に糖尿病の患者がいる
・肥満
・35歳以上の高年齢での妊娠
・巨大児の分娩経験がある
・強度の尿糖陽性
・妊娠高血圧症候群(昔でいういわゆる妊娠中毒症)
・羊水過多症

それでは出産後はどうなるのでしょうか。
妊娠糖尿病の人は、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追跡すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。
また、妊娠糖尿病の妊婦は将来糖尿病になる確率が高く、メタボリックシンドロームの発症率も高頻度に発症するという報告がされています。(※旧診断基準による報告による)
したがって、出産後の1~3か月後に再び75gブドウ糖負荷試験を行い再診断をし、
糖代謝異常の程度に合わせて食事や運動でフォローアップし、糖尿病発症予防に努めることは非常に大切です。

次回は妊娠糖尿病と診断された時の食事方法についてお話したいと思います。

執筆者紹介

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管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子
URL: http://shokusupport.com

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


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