「糖質」と「糖尿病」の関係を知る

ごはん

そもそも「糖質」って何?

糖質は、三大栄養素のひとつで主にエネルギー源として利用される重要な栄養素です。体内での需要は高いのですが貯蔵量は少なく、約半日のエネルギーを供給できる程度しかストックがありません。血液中の糖はほとんどが「グルコース」で、血糖値というのは血液中のグルコース濃度を指します。
グルコースを常に必要としている臓器が脳であり、血液中の糖を絶やさないために体は常に血糖を一定の範囲に保つように動いています。

私たちが食べ物から摂取し利用している糖質は、穀物類(ごはん・もち・パン・麺類など)、糖質の多い野菜(いもやかぼちゃ類など)、くだもの類、砂糖類、菓子類、乳製品などに多く含まれます。これら糖質=でんぷん・ショ糖・乳糖・ブドウ糖・果糖などは、単糖類という小さな単位まで消化されたのちに吸収されます。

「血糖値」と「糖質」はどう関係するの?

栄養素の中で血糖値に一番影響を及ぼすのが糖質で、食後1~2時間にかけて上昇します。2型糖尿病の場合、ブドウ糖を処理するためのインスリンの

  1. 量が少ない(分泌低下)
  2. 出てくるのが遅い(初期分泌の障害)
  3. 効きが悪い(インスリン抵抗性)

などの理由がある場合、血液中にあふれてしまい、血糖値が高くなります。
また、糖質の組成により同じ糖質量でも食後の血糖値を急激に上げるものもあれば、ゆっくりと上昇するものもあります。GI=グリセミック指数(Glycemic index)と呼ばれ、食品毎の血糖上昇度を示します。

ブドウ糖の原料となる糖質(炭水化物)を摂らなければ食後の血糖値が上がらないという考えがありますが、その分を肉類や魚類などの蛋白質・脂質を摂ろうということではありません。蛋白質や脂質も、時間をかけてブドウ糖に合成されるためです。

過剰な糖は脂肪組織や肝臓で中性脂肪になり、エネルギー源として蓄えられるため肥満を助長します。
一方で糖が不足するとエネルギー不足になり空腹時の血糖値は70~80mg/dl、絶食状態では60~70mg/dlまで低下します。すると体を構成する体たんぱく質や体脂肪が分解されて活動のためのエネルギー源として当てられます。糖以外の物質から糖を合成することを「糖新生(とうしんせい)」といい、主に肝臓と腎臓で行われています。人間の体と言うのは実にうまくできていますね。

しかし糖尿病の方でインスリン注射や血糖降下薬などを内服している方は、摂取する糖質の量が少なかったり、普段より運動量が多くなると、血糖値が下がりすぎて低血糖症状を起こす危険もあります。

食事はやっぱりバランス!糖質もしっかりとろう

糖尿病の食事療法は ①栄養バランス良く食べる②糖質の量と質(GIなど)を管理するのが【カギ】です。
摂取する糖質の量がいつも一定範囲内であると、血糖値の管理がしやすくなります。量に関しては、病気の状態、年齢・性別、運動量で個人差があります。特に、普段仕事で体を使う方や、運動習慣のある方、アスリートの方は特に運動時に血糖をエネルギー源にしますので、糖質の必要量が増加します。
目安が分からないという方は、一度、目安量を確認しておくとよいでしょう。

糖尿病の治療目的は、できるだけ血糖値を正常に近づけ、動脈硬化を予防し合併症を起こさないようにすることにあります。糖尿病患者は動脈硬化が進行しやすく、細く小さな血管では眼や腎臓、神経などが障害を起こしやすく、大きな血管では心筋梗塞や脳梗塞などが起こりやすくなります。
動脈硬化を予防するためには、血糖値だけの管理ではなく、高血圧、高コレステロール血症、喫煙などの危険因子に注意することが大切になってくるのです。

執筆者紹介

管理栄養士・糖尿病療養指導士
加藤知子

急性期の病院勤務を経て、外来栄養指導や訪問栄養指導に携わっている。現在は透析クリニックにて、通院患者さんの栄養状態の管理や食事相談を担当している。 WEBサイト・雑誌・書籍へのレシピ提案も精力的に行っている。


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