高血圧の症状とは?国民の10人に1人が発症する高血圧の診断方法や合併症、治療法などの基礎知識まとめ

高血圧の症状とは?国民の10人に1人が発症する高血圧の診断方法や合併症、治療法などの基礎知識まとめ

こんにちは!Welbyメディア編集の高橋です。

国民の10人に1人が発症するといわれている「高血圧」。
身体によくないイメージを持っている方も多いかもしれませんが「高血圧」とはどのような症状で、何が問題なのでしょうか。
本エントリーでは、「高血圧」とはどのようなものなのか、原因・症状・診断方法など「高血圧」の基礎知識を紹介していきます。

1.血圧とは?

血圧とは?

血圧とは?

高血圧患者数

「高血圧」の患者さんは2014年時点で、約1010万人と推定されています。日本の人口は2010年時点で約1億2700万人です。つまり国民の10分の1近くが高血圧の患者さんとして存在しているということです。
2011年に行われた同じ調査の結果と比べ、「高血圧」の患者さんは約104万増加しています。3年で約104万人の増加は少ないとはいえない状況です。性別の内訳は男性が445万人、女性が約555万人となっており、男性が63万人、女性が約41万人増加とやや男性が多いものの、年齢・性別問わず「高血圧」の予防・対策が重要な事態となっています。
(出典:「2014年患者調査の概況」(厚生労働省))

血圧とは?

血圧とは、血管の壁を血液が押す力です。「血液の圧力」なので血圧です。
血管の硬さ(血管抵抗)と、心臓から送りだされた血液の量(心拍出量)が血圧を決めています。血圧が上がる=血液の量(心拍出量)が大きい、血圧が下がる=血管が硬くない(血管抵抗が小さい)という関係です・

血圧の変動

同じ人の血圧でも1日を通して一定なわけではなく、常に変化しています。これを血圧の日内変動といいます。
通常、寝ている間の血圧は低く、朝起床した時から午前中にかけてゆっくり上昇し、昼頃の活動時間帯に一番高くなります。そして夕方にかけてゆっくり下降し、夜寝ている間がまた低くなるという流れです。その他にも身体の動きや感情の変化、季節や天候などにも影響されます。

この血圧の変動に大きく関わっているものが、自律神経です。自律神経には興奮したときなどに活発になる交感神経と、リラックスしているときに活発になる副交感神経の2種類があります。そして交感神経と副交感神経はどちらか一方が活発に動いて作用を発揮しているとき、もう一方の活動はおとなしくなって作用が弱まるという特徴があります。1日の動きに大きくあてはめると、目覚めて活動する日中は交感神経が、活動を終え家でゆっくりし就寝へ向かう夜には副交感神経の作用が強くなります。
つまり交感神経の作用が強いと血圧が上がり、副交感神経の作用が強いと血圧は下がるという関係性なのです。そのため家庭での血圧測定は最低でも朝夕の2回測定することが推奨されています。

日内変動以外にも、身体の動きや感情の変化、季節や天候などによって血圧が変動する原因のひとつは、これらが自律神経のどちらかを強く作用させることによる影響があります。例えば、怒り・緊張・不安というイライラ・ソワソワ・ハラハラするような興奮感情は交感神経の作用を強くし血圧を上げ、安らぎ・穏やか・温かさなどのゆっくり・のんびり・ほんわかするリラックス感情は副交感神経の作用を強くし血圧を下げます。

血圧変動で分かる高血圧のタイプ

血圧の測定を朝と夕方の最低2回行うことが推奨される理由は、血圧が常に一定でなく変動するためです。時間帯や季節、体調や状況を含めて定期的に血圧を測定することで、自分の血圧の変化や平常値を知ることができます。
自分の血圧変動を知ると病気の早期発見や生活習慣病の予防など大いに役立ちます。そして高血圧は常に血圧の高い状態以外にも、血圧変動の違いによっていくつかのタイプに分類されています。

白衣高血圧

診療所や病院で測定すると血圧が上がってしまう状態を白衣高血圧といいます。これは病院という環境や、医師・看護師を前にした緊張で交感神経が強く活動することによる血圧への影響が原因です。本来正常な血圧にも関わらず、白衣高血圧の影響により「高血圧」であると診断されることを避け、正しい血圧を把握するためには、家庭用の血圧計で測定することです。

仮面高血圧

仮面高血圧とは、診療所や病院で医師が測定した時は正常な血圧であるのに、家庭で測定した結果が血圧が高い場合や、自分では気がついていないけれど局所的に「高血圧」となっている状態です。白衣高血圧とは全く反対の現象のため、逆白衣現象と呼ばれることもあります。
日常では「高血圧」の状態の時があるのに、医師の前では正常血圧の仮面を被っている、ということから仮面高血圧といわれる「高血圧」の症状にも種類があります。

(1)早朝高血圧
睡眠中と比べ、起床後に急激に血圧が上昇しているタイプです。朝方に起こる脳卒中や心筋梗塞などの心血管リスクが大きくなります。

(2)夜間高血圧
睡眠中である夜から朝にかけて血圧の上昇が持続的に続いているタイプです。早朝高血圧と同じく心血管リスクが大きくなります。また、無呼吸症候群など睡眠中に起こる症状を発症している方にも夜間高血圧が影響している可能性もあります。

(3)職場高血圧
仕事の活動量や精神的ストレスが原因となり血圧が上昇します。ストレス解消や息抜きのために喫煙をする方も少なくないかもしれませんが、喫煙そのものが血圧を上昇させる原因のひとつでもあるため、更に「高血圧」になるという悪循環が生じます。

最高血圧と最低血圧の仕組み

血圧を測定すると、最高血圧と最低血圧という2種類の数値が表示されます。どうして1回の測定の中で2種類の数値が計測されるのでしょうか。
それは心臓の仕組みに理由があります。
心臓は血液を製造し、その血液を全身へ届けるために押し出す重要なポンプの働きをしています。ポンプが縮んだり広がったりを繰り返して中の空気や水を押し出すように、心臓も収縮と拡張を繰り返すことで血液を押し出しています。
収縮した時と、拡張した時では動脈にかかる圧力に違いがあるため、1回の測定で2種類の数値が計測されるのです。

■最高血圧=収縮期血圧:心臓が血液を送り出すために収縮した時の動脈の内圧(血圧)
■最低血圧=拡張期血圧:心臓が拡張し、酸素を運んで戻ってきた血液を心臓へ溜め込む時の動脈の内圧(血圧)

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

2.高血圧の検査項目・診断方法

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高血圧の検査項目・診断方法

高血圧とはどういう状態?

「高血圧」とは、正常者の血圧より高い血圧値が持続している状態のことをいいます。

日本高血圧学会が定義した高血圧値

最高血圧(収縮期血圧)140mmHg以上
最低血圧(拡張期血圧) 90mmHg以上

診療所/病院で測る血圧値は140/90mmHg以上、家庭血圧値は135/85mmHg以上が「高血圧」とされています。

血圧値の分類

血圧は大きく6種類の範囲に分類されます。その中の1~3が「正常域血圧」で、4~6が「高血圧」です。

正常域血圧

(1)至適血圧
最低血圧(拡張期血圧):80mmHg~
最高血圧(収縮期血圧):~120mmHg

(2)正常血圧
最低血圧(拡張期血圧):~85mmHg
最高血圧(収縮期血圧):~130mmHg

(3)正常高血圧
最低血圧(拡張期血圧):~90mmHg
最高血圧(収縮期血圧):~140mmHg

高血圧

(4)Ⅰ度高血圧
最低血圧(拡張期血圧):~100mmHg
最高血圧(収縮期血圧):~160mmHg

(5)Ⅱ度高血圧
最低血圧(拡張期血圧):~110mmHg
最高血圧(収縮期血圧):~180mmHg

(6)Ⅲ度高血圧
最低血圧(拡張期血圧):110mmHg~
最高血圧(収縮期血圧):180mmHg~

(出典:日本生活習慣病予防学会

血圧の目標値

正常域血圧の中でも、最低血圧が80mmHgから最高血圧が120mmHgまでの「至適血圧」が最も望ましい血圧とされています。
血圧の目標値は診察所や病院で測る場合と、家庭で測る場合では若干数値が異なります。診療所/病院で測る血圧値は最低血圧が90mmHgから最高血圧が140 mmHg未満、家庭血圧値は最低血圧が85mmHgから最高血圧が135 mmHg未満であることが目標値です。

また、血圧の目標値は年齢や発症している合併症により変動します。以下は日本高血圧学会が「高血圧治療ガイドライン2014」において示している目標値です。

若年、中年、前期高齢者患者の血圧目標値

診察所/病院血圧:最低血圧90mmHg~最高血圧140 mmHg未満
家庭血圧:最低血圧85mmHg~最高血圧135 mmHg未満
※前期高齢者とは65歳から74歳までの方です。

後期高齢者患者の血圧目標値

診察所/病院血圧:最低血圧90mmHg~最高血圧150 mmHg未満(忍容性があれば140 mmHg未満)
家庭血圧:最低血圧85mmHg~最高血圧145 mmHg未満
※後期高齢者とは75歳以上の方です。

糖尿病患者の血圧目標値

診察所/病院血圧:最低血圧80mmHg~最高血圧130 mmHg未満
家庭血圧:最低血圧75mmHg~最高血圧125 mmHg未満

CKD(慢性腎臓病)患者(蛋白尿陽性)の血圧目標値

診察所/病院血圧:最低血圧80mmHg~最高血圧130 mmHg未満
家庭血圧:最低血圧75mmHg~最高血圧125 mmHg未満

脳血管障害患者、冠動脈疾患患者の血圧目標値

診察所/病院血圧:最低血圧90mmHg~最高血圧140 mmHg未満
家庭血圧:最低血圧85mmHg~最高血圧135 mmHg未満

この目標値からも、「糖尿病」や「腎臓病」を発症している方は「高血圧」にならないために、より血圧の数値を意識する必要があることが分かります。

(出典:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」)

3.高血圧の原因

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高血圧の原因

「高血圧」は下記の2種類に分類され、それぞれ原因は2つに分かれます。

本態性高血圧

一次性高血圧とも呼ばれ、原因がはっきりしない「高血圧」です。明確な異常(この場合は、特定の病気を指します)がないのに、血圧が高くなる状態を指します。
日本人は圧倒的に本態性高血圧であることが多く、「高血圧」の患者さんの内80~90%に及びます。原因がよく分からない「高血圧」ですが、血圧を上げる要因は明らかになっています。

・塩分の摂り過ぎ
・加齢による血管の老化
・過労
・運動不足
・ストレス
・肥満
・遺伝的要因(交感神経系、レニン・アンジオテンシン系、カリクレイン・キニン系、ナトリウム調節系の異常とされています)

二次性高血圧

検査によって特定できる病気が原因で「高血圧」になる状態です。原因となる病気が完治すると「高血圧」も改善されます。
以下が二次性高血圧を引き起こす可能性が大きいとされる病気の一部です。

・腎実質性疾患
・腎血管性疾患
・原発性アルドステロン症
・睡眠時無呼吸症候群
・薬剤誘発性高血圧

特に腎実質性疾患が影響することが多く、一次性・二次性ともに「高血圧」と腎臓に大きな関係性があることが分かっています。

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

4.高血圧が引き起こす病気

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高血圧が引き起こす病気

「高血圧」の状態を放置していると、「動脈硬化」が促進されます。「動脈硬化」とは、動脈に中性脂肪やコレステロールなどが溜まり、それらが硬くなって詰まり、動脈が弾力性や柔軟性を失った状態です。動脈硬化は心疾患や脳卒中、慢性肝臓病などの重大な病気を引き起こす原因となります。

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)

「高血圧」によって最もリスクが高くなるのが、脳卒中です。最高血圧(収縮期血圧)が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で約20%、女性で約15%高くなります。
脳卒中を起こしてしまうと、たとえ命が助かっても、言語障害や運動障害が残ったり、長期のリハビリが必要になるケースが大半です。

心疾患(心臓病、心筋梗塞、狭心症など)

「高血圧」は心疾患のリスクも高めます。男性の場合の影響値が特に大きく、収縮期血圧の10mmHgの上昇により、心筋梗塞や狭心症の危険度が約15%増加します。

また、「糖尿病」と「高血圧」を合併していると、更に心・血管病としてのリスクが高まります。
心筋梗塞の場合、正常者に比較した際のリスクは、「高血圧」あり・「糖尿病」なしの場合、2.6倍、「高血圧」あり・「糖尿病」ありの場合は5.9倍になることが分かっています。

慢性腎臓病

血圧が高いと腎臓(じん臓)にも負担がかかります。腎臓に負担がかかると血液中のナトリウムなどの排泄がうまくいかず、血圧が上昇するという悪循環を起こしやすくなるのです。
慢性腎臓病を起こすと、脳卒中や心筋梗塞による死亡率が高くなることが分かっています。

(出典:高血圧治療ガイドライン2014(日本高血圧学会)、NIPPON-DATA 80、NIPPON-DATA 90、健康日本21(厚生労働省)、別冊「プラクティス」 「糖尿病」と動脈硬化・高脂血症・高血圧(梅田文夫など))

5.高血圧の予防法

予防法1:食事療法

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予防法1:食事療法

「高血圧」の患者さんの80~90%が占める一次性高血圧は、原因はよく分からないけれど、血圧を上げる要因はいくつも判明しています。そのため、それぞれの要因に合わせて高血圧の予防法も多く存在します。

塩分を摂りすぎない

代表的で重要な予防法が塩分摂取を抑えることです。
身体は塩分(ナトリウム)をとりすぎると、血液中の塩分濃度が上がらないように、水分で薄めようとします。体内の水分を多くするために使われるのは血液です。血液の量が増えるということは、心臓のポンプ運動が多くなり血圧が上昇することに繋がります。
つまり腎臓から水と塩分を排出するための動きに影響して血圧が高くなります。そのため塩分摂取を抑えることが、高血圧状態になることを防ぐ大きな予防法のひとつとなるのです。

アルコールは飲みすぎない

アルコールそのものは適量であれば身体に良い効果をもたらします。血圧とアルコールの関係も多くの研究が行われていますが、「高血圧」だから絶対にお酒を飲んではいけない、と断言するような結果ではないことが現状です。しかし適量を越えた範囲の量を日常的に摂取した場合、「高血圧」の原因となることも分かっています。それ以外にもお酒のつまみとなる食品の塩分過剰摂取や、食べすぎによる肥満が直接的に「高血圧」のリスクとなります。
日本高血圧学会では、性別や体格、年齢などで個人差はありますが、1日のアルコールの適量摂取として、男性30ml・女性20ml(エタノール換算)を薦めています。ビールにすると大瓶1本・ショート缶1本程度です。

肥満を防ぐ

食べすぎによる肥満は、まず確実に塩分摂取が過剰となっています。高血圧に直結する塩分の過剰摂取は食事療法の中でも重要な項目です。
また、食べすぎという状態は、体内で血糖値を下げるインスリンが大量に分泌されている状態ということです。インスリンが血糖値を下げるために血液中の糖分に働きかける際、インスリンは糖分をグリコーゲンという貯蓄型の糖分と脂肪に変える作用があります。
こうして更に脂肪を蓄えるのと同時に、大量に分泌されたインスリンにより交感神経が刺激され、末梢神経を収縮させる作用のあるカテコールアミンが血液中に放出される影響で血圧も上昇するのです。この他にも肥満の影響で放出される物質により血管が収縮され血圧が上がるなど、肥満が血圧を上げることは明確となっています。

肥満の判断はBMI(ボディ・マス・インデックス)という数値で表されます。BMIとは体格を相対評価した肥満に対する国際基準の数値です。BMIは計算で数値をだすことができます。

BMI=体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))

WHO(世界保健機構)では30以上が肥満となっていますが、体格の違いなどを考慮し、日本人の肥満は25以上となっています。基準値は22で、この数値が「糖尿病」や高血圧などの病気に最もかかりにくい健康な基準とされています。
以下が日本肥満学会の定めたBMIの数値と肥満の基準です。肥満は4段階に分かれています。

BMI数値:肥満度の判定
18.5以下:低体重
18.5 ~ 25.0:普通体重
25.0 ~ 30.0:肥満(1度)
30.0 ~ 35.0:肥満(2度)
35.0 ~ 40.0:肥満(3度)
40.0 異常  :肥満(4度)

危険因子を把握しよう

血圧の数値が正常域範囲でも注意しなくてはいけない事がリスク層です。リスク層とは、高血圧以外にこのような状態にあると危険ですと「危険因子」として定められた物です。予防法や治療法を実践する際の目標値は血圧分類+その人が保有するリスク層によって変動します。
危険因子は以下のような条件です。

・高齢(65歳以上)
・喫煙
・脂質異常症
・肥満(特に腹部肥満)
・メタボリックシンドローム
・若年(50歳未満)発症の心血管病の家族歴
・糖尿病

予防法2:運動療法

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予防法2:運動療法

基本的に運動中の血圧は上がります。しかし、日常的に運動をする習慣のある人と、運動をしない人を比べると、習慣的に運動をしている人の方が血圧が低いという結果がでています。そのため食事療法と併せて、高血圧の予防・治療には運動療法を取り入れることも大切です。

有酸素運動をしよう

運動療法の中でも高血圧の改善には、有酸素運動が薦められます。有酸素運動とは酸素をたくさん取り込みながらゆっくりとしたペースで行うことが特徴の運動です。反対の無酸素運動は瞬間的に息を止めて筋肉に負荷をかけることが特徴の運動で、一時的に急激に血圧を上昇させるため高血圧の方が行うのは危険です。

代表的な有酸素運動

・ウォーキング
・サイクリング
・エアロビクス
・水泳

代表的な無酸素運動

・腕立て伏せ
・トレーニングマシンやダンベルを使用した筋肉トレーニング
・短距離走

運動療法の注意点

すでに高血圧の方は、運動療法を行う前に医師への確認が重要です。運動をしている最中は血圧が上がるため、血圧値と運動内容によっては危険が伴うこともあるからです。
特に高血圧分類の中でも、Ⅱ度高血圧とⅢ度高血圧に該当する方は注意が必要です。これらの分類に該当する方はかなり高めの血圧値によって、すでに血管へ大きな負荷がかけられている状態です。有酸素運動とはいえ運動により更に強い負荷がかかると、血管への影響が危ぶまれます。医師から指導された適切な運動時間や運動方法を実践するようにしましょう。

(出典:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」)

6.高血圧の治療法

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高血圧の治療法

高血圧の治療法は、予防法と同じく食事療法や運動療法など、生活習慣の改善をより徹底して行うことが求められます。しかし血圧値の数値や保有するリスクによっては薬物療法も併用されます。薬物療法とは、降圧薬を使用し確実に血圧を下げ、脳卒中や心筋梗塞などを起こさないようにすることが目的です。

降圧薬の種類

降圧薬は多くありますが、大きく5つのグループに分けられます。

カルシウム拮抗薬

主な作用
血圧を上げるカルシウムが細胞内へ入るのを防ぐ作用があり、血管を広げ流れる血液量を増やすことにより血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・房室ブロックを発症している方

利尿薬

主な作用
尿を出すことで塩分(ナトリウム)の排出を促すと同時に、体内の水分量を減らすことで血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・痛風を発症している方

ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)

主な作用
血管を収縮させるアンジオテンシンIIの動きを抑えることで、血管を広げ血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・妊娠または妊娠の可能性がある方
・高カリウム血症
・両側腎動脈狭窄

ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)

主な作用
血管を収縮させるアンジオテンシンを作る酵素の働きを阻害することにより、血管を広げ血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・妊娠または妊娠の可能性がある方
・高カリウム血症
・両側腎動脈狭窄

β遮断薬

主な作用
拡大と収縮を繰り返す心臓の働きをゆるやかにすることにより、血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・房室ブロックを発症している方
・喘息
・末梢循環障害

α遮断薬

主な作用
血管の収縮を抑えることにより、血圧を下げる薬です。

※以下に該当する方は使用することができません
・起立性低血圧

(出典:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2014、NIPPON-DATA 80、NIPPON-DATA 90、健康日本21(厚生労働省)、別冊「プラクティス」 「糖尿病」と動脈硬化・高脂血症・高血圧(梅田文夫など))

薬物療法は症状や年齢など個人の状況を診て、医師がどの薬を使用するのか判断します。脳卒中や心筋梗塞を起こさないために、用法用量を守り確実に服用することが大切です。

しかし降圧薬は血圧を上がらないようにするための薬であり、薬を飲み続けることで高血圧が改善するということではありません。薬物療法を取り入れた治療を行う場合でも、食事療法や運動療法など生活習慣への意識・改善を行わないと、根本的な高血圧の治療とはならないことに注意が必要です。

おわりに

「高血圧」の基礎知識について解説しました。「高血圧」が良くないといわれる理由は、高血圧状態でいることが身体に様々な悪い影響を及ぼすからです。

「高血圧」の予防法は代表的な塩分摂取を抑えることを含めた食事療法や、その他運動療法など数多くあります。治療法も薬を使用しない場合、基本は予防法の内容と大きくは変わりません。つまり高血圧にならないよう気をつけたい方も、すでに高血圧が気になる方も、生活習慣の改善が重要だということです。

継続することが大切な生活習慣の改善は、自分ひとりで行うとなかなか続けられないという方も少なくありません。そのような方はアプリを利用してみることもひとつの方法です。アプリ「Welbyマイカルテ」では生活習慣の改善を手助けする機能がたくさんあります。
まずは高血圧について正しく把握し、自分が行える生活習慣の改善という部分から無理なく予防法・治療法を実践してみましょう!


著者紹介



本記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証したり、標ぼうするものではなく、また医師・医療従事者等による情報の提供は、個別具体的な患者に対する診断・治療行為ではありません。本メディア上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


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