糖尿病の症状とは?国民の5人に1人が発症する糖尿病の診断方法や合併症、予防などの基礎知識まとめ

糖尿病の症状とは?国民の5人に1人が発症する糖尿病の診断方法や合併症、予防などの基礎知識まとめ

こんにちは!Welbyメディア編集の南です。

国民の5人に1人が発症するといわれている「糖尿病」。
「糖尿病なんて先のこと」「自分に関係ない!」と考えている人もいると思いますが、「糖尿病」を甘く見てはいけません。
本エントリーでは、「糖尿病」とはどのようなものなのか、原因・症状・診断方法など、「糖尿病」の基礎知識を紹介していきます。

1.糖尿病とは?

糖尿病患者と糖尿病予備群数

糖尿病患者数
出典:2012年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)

「糖尿病」は、患者さんとその予備群が国民の5人に1人はいるといわれている病気です。
日本の人口が2014年時点で約1億2,700万人ですが、厚生労働省の発表によると「糖尿病」が強く疑われる人と「糖尿病」の可能性を否定できない人、つまり「糖尿病」と「糖尿病予備群」の合計が2012年時点で2,050万人と発表されています。
実際の患者さんは2014年時点で316万6,000人に及び、2011年の270万人から46万6,000人増加し、過去最高患者数を更新する程、年々増加傾向にあります。

糖尿病と血糖値とインスリン

インスリンとは
「糖尿病」とは、体内のインスリンというホルモンの作用が低下することにより、体内に摂取した栄養素が正常に代謝できずに、血糖値(血液中のブドウ糖(グルコース)濃度)が高くなる状態をさす病名です。

血糖の役割

人間の生命を維持する栄養素として最も大切なものの1つに、でんぷんなどの糖質(炭水化物)があります。
糖質は摂取後、体内で消化されブドウ糖(グルコース)になり、血液中から全身の細胞に取り込まれて、主なエネルギー源として活用されます。
「血糖」とは血液中のグルコース(ブドウ糖)のことをいい、血糖値とは血液中のグルコース(ブドウ糖)の量を表しています。

血糖値とは

食事により身体に取り込まれた糖質がブドウ糖になります。血糖とは血液中に存在しているブドウ糖のことをいいます。
「糖尿病」の診断に用いられる血糖値とは血液中のグルコース(ブドウ糖)の量を表しています。

血糖値の調整の仕組み

人間は食事により炭水化物を摂取すると、血糖値が上がり、基礎代謝や運動によりブドウ糖がエネルギーとして消費されると、血糖値が下がります。
健康な人は、「インスリン」やインスリンと逆の働きをもつホルモンバランスにより、血糖値は一定の範囲内にコントロールされます。
そのため、食事や運動をしても血糖値が極端に変動することはないのです。

インスリンとは

インスリンは、すい臓のランゲルハンス島(細胞の群)のβ細胞で作られるホルモンで、血液によって全身に運ばれます。
血液中のグルコース(ブドウ糖)を筋肉や肝臓などに取り込み、血糖を下げる働きを持つ唯一のホルモンです。

糖尿病と判断される血糖値と原因となるインスリン分泌量

インスリンの分泌量が低下している状態を「糖尿病」と勘違いされる方がいますが、「糖尿病」はインスリンの分泌量では判断されません。
インスリンが正常に分泌されていれても、血糖値が高い人は「糖尿病」と診断されることが主です。
なぜなら、「糖尿病」はインスリンの分泌量ではなく、血糖値の数値で判断されるためです。
よって、インスリンの分泌量は「糖尿病」の判断にはならず、血糖値上昇の主な原因としてインスリンの分泌量の低下が挙げられることが一般的です。

糖尿病は完治するのか?

「糖尿病」は、一度発症したら完治はしない病気といわれております。
しかし、血糖値を正常値に保つことでコントロールが可能な疾患であるといわれています。
血糖値を正常値に保つためには、食事療法、運動療法、薬療法のいずれか、もしくは複数の療法を行う必要があります。食事、運動といった生活習慣を見直すことで、重症化を予防したり、血糖値をコントロールして完治を目指します。

2.糖尿病の原因について


「糖尿病」は主に「1型糖尿病」、「2型糖尿病」に分別され、それぞれ原因が異なります。

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「1型糖尿病」の原因について

「1型糖尿病」は「インスリン依存型糖尿病」「若年型糖尿病」と呼ばれており、患者さんの多くは10代で発症しますが、年齢に関係なく発症が見られることのある疾患です。
膵臓(すい臓)のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気であるため、インスリンをほとんど、もしくは全く作ることができません。そのため、患者の多くはすい臓の代わりに身体にインスリンを取り込むために、インスリン注射を必要とします。
また、食事の仕方や運動の有無に関わらず、正常の人よりも血糖値が高くなります。「2型糖尿病」は飲み薬の服用で血糖値の上昇を抑えることができることがあります。

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

「1型糖尿病」の患者数

「糖尿病」の患者さんのうち、「1型糖尿病」は10人に1人未満の割合といわれています。
なお、日本では15歳未満の小児の「1型糖尿病」の発病率は、毎年10万人あたり1.5~2人といわれています。これは世界的にみると非常に少ないものの、社会の「1型糖尿病」に対する理解が進んでおらず、十分な治療の情報が患者さんやその家族に届かないという課題もあります。
現在「1型糖尿病」が発症する原因は正確には分かっておりませんが、関係する因子としてあげられるのは次の2要因であるといわれております。

・1型糖尿病を発症しやすい体質を持っている
・何らかの原因により、インスリンを作っている、すい臓の一部が破壊される

「2型糖尿病」の原因について

「2型糖尿病」は最も一般的な「糖尿病」で、10人に9人以上は「2型糖尿病」です。
インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために、血糖値が上昇することで発症します。
日本人は遺伝的にインスリン分泌が弱い人が多いともいわれています。
加えて、高脂肪食の過食や運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣要因と加齢といった要因が加わり、発症するといわれています。
「2型糖尿病」は「生活習慣病」の一つであり、一般的には40歳を過ぎてから発症する場合が多いですが、20代などの若い人でも発症する場合もあります。
「糖尿病」を発症するか否かは一部遺伝が関係しているため、生活習慣が全ての原因とは必ずしもいえません。
ただ、一般的には「生活習慣が影響して、2型糖尿病になりました」というケースが多いのも事実です。
「2型糖尿病」は次のような人が発症しやすいことが分かっています。

・40歳以上の人
・太りすぎの人
・家族に糖尿病患者がいる
・著しい運動不足
・病気や怪我などのストレスがある
・妊娠中に糖尿病にかかっていた
・体重4kg以上の赤ちゃんを出産した

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

3.糖尿病の症状は?

糖尿病の症状

「1型糖尿病」の症状

「1型糖尿病」の場合、症状が突然あらわれる点が特徴です。
急に以下の症状になるため、同様の症状が見られた場合は、すぐに医師に診断を受けることをおすすめします。

・疲れが酷い
・急激な体重減少
・頻尿
・普段よりも喉が渇く

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

「2型糖尿病」の症状

初期段階では、自覚症状が全くないことが多く、症状があらわれる場合でも、ゆっくりと少しずつあらわれるのが特徴です。

・疲労感
・頻尿
・空腹感やのどの渇きが酷くなる
・目がかすむ
・皮膚が感想して痒くなる
・手足の感覚が低下する
・手足にチクチク指すような痛みがある
・傷が治りにくい
・EDなど性機能の問題がおこる
・感染症によくかかる
・下痢や便秘がずっと続くようになった
・立ちくらみがするようになった

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

4.早期発見のための身体の部位別チェック方法

糖尿病症状の身体の部位別チェック方法
糖尿病の症状がどのようなものかを把握することで、定期的にセルフチェックが出来、早期発見につながります。ここでは、身体の部位別のチェック方法をご紹介します。

皮膚のチェック

糖尿病皮膚のチェック
「糖尿病」になると、皮膚にも色々な症状が現れます。次の症状が無いかを定期的にチェックしましょう。

・皮膚のかゆみ
・おできが出来やすい
・皮膚が赤くなる
・たこが出来やすい
・身体に傷があることに気付きづらい、傷が治りにくく化膿しやすい
・足に潰瘍ができている

「糖尿病」になると、血液中に増加しているブドウ糖を体外に排出しようと反応するため、多くの尿が作られて脱水症状となることがあります。
そうすると皮膚の水分が減り、乾燥してしまうことで、かゆみを感じます。かゆみの対処法は、入浴後や手洗い後にクリームを塗り保湿をすること、洗剤など手で触れるものは低刺激タイプを選ぶこと、生活習慣を整え免疫力をあげること、などがあげられます。
また、血糖が高くなることにより末梢の細い血管が損傷を受け、顔や手のひら、足の裏、手足の指の皮膚が赤くになることがあります。
そして足のチェックと重複しますが、合併症である神経障害により痛みを感じられず小さな傷に気付かず放置してしまい、そこから細菌に感染し、気づいた時には化膿している、潰瘍ができているということもあります。
最悪のケースでは足を切断しなければならないので注意が必要です。皮膚のトラブルで病院に行ったことがきっかけとなり、「糖尿病」を疑われることも少なくありません。
上記の症状がある場合は自身の判断で放置せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

(参考:糖尿病セルフチェック

足のチェック

糖尿病症状の足のチェック
足は「糖尿病」の合併症の初期症状が現れやすい部位です。
症状が進行すると、歩いている時にバランスを取ることが難しくなり入院に至るような転倒のリスクがあったり、「糖尿病」により年間数千人も足を切断しています。
早期発見のためにも、次の症状がないか定期的に確認しましょう。

・足の裏や足の指にジンジン、ぴりぴり、チクチクするようなしびれを感じる
・怪我をしていないのに足が焼けるように痛い、少し触れただけでも痛みを感じる
・足のいろいろな箇所にタコができる
・足の爪が巻き爪になりやすい
・足の皮膚が乾燥したり、ひび割れを起こしやすい
・爪水虫のような症状が出やすい
・熱い、冷たいと感じない、感覚が鈍い
・足が痙攣する
・足の違和感(裸足なのに靴下を履いているような感覚など)
・足の痙攣がよく起きる

「糖尿病」になると、血糖値が高くなり血液がドロドロになります。
血流の滞りにより末端の毛細血管に酸素や栄養が送られにくい状態が続くので、末梢神経に異常が出るようになり、手足、特に足の末端に症状が出やすいのです。
痛みや熱が感じ辛くなっているかどうかは、既にその状態になると自分では確認しづらいと思います。
その場合は、家族に足をつねってもらう、楊枝などで足をつついてもらうなどして確認しましょう。
また、普段から足を怪我しないように気をつけ、冷たくならないように靴下を履く、普段から傷がないかなどの観察をすることが大切です。
違和感を見過ごさないことが、「糖尿病」による足の切断という悲劇を予防する唯一の方法です。いつものことだからと軽視せず、ちょっとした前兆を見逃さずに、違和感を感じたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。

(参考:糖尿病症状セルフチェック

尿のチェック

糖尿病症状の尿のチェック

尿も、「糖尿病」のチェックには欠かせません。次の症状がないかを確認しましょう。
・トイレに行く頻度が増えた
・大量の尿が出る
・尿から甘い臭いがする
・血尿が出る
・排尿後の尿が便器の中で泡立ちやすい

「糖尿病」になると、体が血糖を下げようするために口渇感を感じます。
その結果水分を多くとるようになり、頻尿、尿が大量になります。
また、「糖尿病」により尿が果実酒のような甘い臭いがすることがあります。
これはアセトン臭と呼ばれるものです。
また、「糖尿病」の場合、腎臓に入ってくる血管が動脈硬化を起こすことで血尿が出るということもあります。
排尿後の尿が便器の中で泡立ちやすいのは、「糖尿病性腎症」になると、尿中に蛋白が出るようになるためのものです。
これらの違和感を感じたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。
また、自身のチェック以外にも、尿検査により尿糖のチェックを行うことも重要です。
定期的に健診を受け、尿検査をするようにしましょう。

(参考:糖尿病のイロハ

5.糖尿病の合併症は?

「糖尿病」を発症した場合、血糖値が高い状態が長く続くと、合併症が起こる可能性が高くなります。

「糖尿病」の三大合併症として、
手足のしびれなど末梢神経の病気(糖尿病性神経障害)
腎臓の病気(糖尿病性腎症)
目の病気(糖尿病性網膜症)

の三つがあります。

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手足のしびれなど末梢神経の病気(糖尿病性神経障害)

合併症の中でも最も早期に発症するといわれるのが「糖尿病性神経障害」です。
典型的な初期の症状の現れ方は、手の先、足の裏の痛みやしびれなどの末梢神経障害です。
「素足で歩いているにもかかわらず、靴下を履いているような感じ」とよく表現されます。
さらにしびれは広がり、重症になると感覚が鈍感になり、痛みすら感じなくなります。
そのため、足にケガをしても気付かず、細菌に感染してしまい、細胞が壊死し足が腐り足の切断をしなければならないこともあります。
たとえ靴ずれや深爪などの小さな傷でも手当が遅れると、細菌が入りこみひどい痛みにもしびれで気づかず、気づいたときには腐っていた・・・なんてこともあります。
そのため、「糖尿病」の患者さんは、毎日足に傷がないか自身の目でチェックをすることを習慣づけることが重要です。
その他、神経障害の進行により、運動神経や自立神経も障害を受け、腓返り、立ちくらみ、また嘔吐、便秘、下痢といった胃腸障害、さらに勃起不全といった症状もが出ます。
神経障害については、血糖コントロールをしっかり行い、進行を防ぐことが重要です。

腎臓の病気(糖尿病性腎症)

「糖尿病腎症」になると、腎臓の毛細血管が損傷を受けます。
腎臓は、血液中の老廃物などを尿中に排泄しつつ、大切な養分は排泄せず血液の健康を保つ機能があります。
「糖尿病腎症」が進行するとその機能が失われ腎不全、尿毒症となり、尿を作ることができなくなってしまいます。
人工透析の技術が進むまでは、「糖尿病性腎症」が進むと 尿毒症で死ぬ危険が大きかったと思われます。
現在では尿毒症そのものによる死は殆どなくなっていますが、 それでも「糖尿病性腎症」から透析導入に至った患者さんは平均するとかなり余命が短く、腎症の進展は生命予後に大きな影響を及ぼしています。
尿毒症になると、人工的に老廃物を血液中から取り出す治療である人工透析を行わなければ生きていけません。
人工透析の技術が進んだことにより、現在では尿毒症そのものによる死は殆どなくなっています。
現在、新たに人工透析を導入する原因の第一位が「糖尿病」です。
人工透析を行わなければ、老廃物の毒素が全身にまわってしまい、死に至ります。
現在は最新の技術により、週に数回人口透析を受けることで働くことも出来ますが、日常生活に大きな苦労を伴うことは間違いありません。
また、「糖尿病腎症」から人口透析導入に至った患者さんは、平均余命が短いといわれているため、こちらもやはり病状が進行する前に、定期検診を受ける等し、早期発見に努めることが重要です。

目の病気

高血糖値の状態が長期間続くと目の網膜の血管が障害を受け、視力が低下し、最悪の場合失明に至ります。
また、白内障に至ることも多いといわれており、日本では成人の失明の原因の第1位が「糖尿病網膜症」です。
網膜症の初期には、少量の出血などが出たりするものの通常自覚症状が無いのですが、 進行してくると、病変の数が増し、出血も増加します。
ここまでくると、視野の異常を感じることがありますが、しっかり治療しなければ、病変の治療を食い止めるのは困難です。
さらに進むと失明の危険があります。
治療は、「糖尿病」のコントロールを強化したり、必要に応じてレーザー治療を行います。
網膜症はコントロールがうまくいかないと高確率で末期まで進行する可能性を有しています。
そのため、病状が進行する前に、定期検診を受ける等し、早期発見に努めることが重要です。

血管障害

3大合併症のうち、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性網膜症」は、比較的小さな血管である細動脈や毛細血管などの障害が主となり発症する病気です。
これを細小血管障害と呼び、血糖コントロールが原因で発症します。また、大きな血管である動脈も「糖尿病」により障害を受け、「糖尿病性大血管障害」と呼ばれる病気もあります。
これは、「動脈硬化」と同類と考えられることもあり、大血管障害により、心臓に血液を送る血管が障害をうけると「狭心症」や「心筋梗塞」を引き起こし、 脳の血管が障害を受けると「脳卒中」を引き起こしてしまいます。
これらの病気は死の危険性とも隣り合わせで、 「糖尿病」の患者さんにおける心筋梗塞や脳卒中のリスクは、「糖尿病」でない人と比較し高いといわれています。
このように、「糖尿病」の合併症は血管の病気と関わることが多いことから、 「糖尿病」は血管の病気であるとさえいわれています。
そのため、「糖尿病」の患者さんは定期的に血圧もチェックする必要があります。
このように、とても恐ろしい合併症の症状を軽減するためにも、血糖コントロールや定期的なセルフチェックや病院の受診、健康に気を配る日常生活が重要になります。

(参考:厚生労働省 糖尿病

6.糖尿病の検査項目・診断方法について

糖尿病の検査項目診断方法について
「もしかしたら糖尿病かも?」と健康診断で「糖尿病」が疑われる判定が出たら、一刻も早く治療を受けて下さい。健康診断でなくても、4章で説明した症状が見られる場合は必ず病院に行き、医者の診察を受けて下さい。
本章では、実際にどうやって「糖尿病」と判定されるか、「糖尿病」の検査項目や診断方法について解説します。

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糖尿病の検査項目

「糖尿病」の診断は血液検査で行われます。

早朝空腹時血糖値
朝食前の血糖値が健康な人は1日の中で最も低いとされています。
食事から10時間以上あけて測定するため、一般的には前日夜9時移行絶食として、翌朝食事前に採血します。

75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
「糖尿病」を最も確実に診断できる検査です。
早朝空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖溶液を飲み、30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。

随時血糖値
食事時間とは関係なく測定した血糖値です。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)
過去1~2ヶ月の血糖を反映する指標です。
「糖尿病」以外でも高くなることがあります。

自宅でも測定する血糖値

主に「1型糖尿病」の患者さんが中心ですが、近年では自宅でも血糖値を測定するようにと医師から指導される患者さんもいます。市販の測定器を使って、食前、食後、就寝前などあらゆるタイミングで測定し、手帳やノートに血糖値を記入して、通院時に持参します。
手帳に記録することが面倒な方は、最近では「糖尿病」の患者さん向けのスマートフォンアプリも普及していますので、お試しください。

糖尿病の診断

早朝空腹時血糖値 126mg/dL以上
75gOGTT 200mg/dL以上
随時血糖値 200mg/dL以上
HbA1c 6.5%以上

①~③のどれかに該当し、かつ④に当てはまる場合は「糖尿病型」と診断され、再検査で同様の結果であった場合に、「糖尿病」と診断されます。

7.糖尿病の治療法

「糖尿病」の治療方法は大きく、食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。
Welbyは上記3つの療法に加えてアプリ療法を推奨しております。

アプリ療法については以下をご参照下さい。
(参考:糖尿病の治療方法とは?〜食事療法・運動療法・薬物療法、そしてアプリ療法を知ろう〜

食事療法

糖尿病の食事療法
「糖尿病」=糖質制限が必要と考えている方が多いと思いますが、「糖尿病」の治療は長く行うため一概に糖質制限をすれば良いという訳ではありません。

食事療法をする上で大切なことは、自分のエネルギー摂取量の適正値を知り、1日3食規則正しく食事をし、バランスの取れた食事を心掛けることです。

1日3食、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル等を過不足なくバランス良く食べるようにしましょう。

・主食(ごはんやパンなどの穀物類で主に糖質類を含む食品)
・主菜(魚や肉などのタンパク質、脂質を含む、献立の中心になる食品)
・副菜(野菜、きのこ、海藻などの料理)
・果物
・乳製品
を毎日バランス良く摂ることを心がけていきましょう。

また、近年では、自身の体型に必要なカロリーに合わせて、お茶碗を小さくしてご飯の量を減らすなどし、炭水化物の量を減らすことが推奨されています。
ただ、バランスが重要なので、極端に減らすというよりは、自身の適正カロリーに合わせてコントロールしていきましょう。

日本糖尿病学会が発表している、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用すると、何をどのくらい食べて良いか分かりやすいため、是非利用してみてください。

また、食事のバランスをチェックするには、「糖尿病アプリ」がオススメです。
食事を写真に撮ってアプリで振り返ることで、継続する仕組みを作れます。
Welbyマイカルテ」は食事記録機能があるため、参考に使ってみて下さい。

食事療法の注意点は、自身の症状により制限すべき栄養素が異なることです。
たとえば、「糖尿病性腎症」の場合はたんぱく質の制限が必要になるなどもあるため、医師とよく相談することが重要です。

食事療法に関しては、根拠などを踏まえた詳しい解説を以下の記事で執筆しています。参照下さい。

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また、「糖尿病」になってしまったら、何を食べて良いか食べてはいけないか迷われると思います。チョコやコーヒー、お茶などそれぞれ「糖尿病」との関係性をまとめていますので、必要に応じてご覧下さい。

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糖尿病の運動療法

運動により血糖値の低下や脂肪燃焼が期待できます。
「糖尿病」により血糖値が高いと、血液中のブドウ糖が多い為、運動によりブドウ糖をエネルギーとして使い、消費していきます。
また、定期的に運動を継続することで、筋肉などの組織の細胞が持つブドウ糖をエネルギーに変える力が高まり、インスリン量を節約でき、膵臓の負担を軽減できるようになります。
その他運動には、血圧を下げる、肥満防止、ストレス解消など嬉しい効果がたくさんあります。血糖値は食後1時間から1時間半位でピークに達するため、このタイミングを狙って運動を始めると上昇している血糖を抑えることが出来ます。
「糖尿病」に良い運動方法は、穏やかで持続的な有酸素運動です。
普段運動をしていない人がいきなり高負荷な運動を始めてしまうと逆効果になってしまう恐れがあるため、ウォーキングや、サイクリング、軽いジョギングなど、軽い運動を毎日継続することが大切です。

ウォーキングであれば、30分の歩行を一日2回などです。
なかなかまとまった運動時間を確保することが難しければ、エスカレーターではなく階段を使う、通勤時には一駅前で降りて歩く、掃除の際は掃除機ではなく雑巾掛けをする、など日常生活を少し変えることから始めることも重要です。
また、運動療法の注意点として、血糖コントロールが極端に悪い場合や、「高血圧」、腎臓機能の低下、などの症状がある場合は、制限が必要な場合もあります。

そのため、運動療法開始の際は、医師とよく相談することが重要です。

薬物療法

糖尿病の薬療法
日々新しい薬が開発されており、あらゆる薬効があります。詳しくはかかりつけ医や薬剤師にご確認ください。

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8.糖尿病の医療費

糖尿病の医療費

糖尿病の医療費の平均額

「糖尿病」は合併症を患っているか、人工透析が必要かなどそれぞれの症状により医療費は異なることは念頭に起きますが、「糖尿病」(※合併症なし)の患者さんの平均医療費は医療経済研究機構の「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」によると、年間24.7万円と報告されています。
健康保険に加入していれば、治療費用の3割が自己負担となるため、月額約6,000円が平均医療費となります。
平均医療費に、更に症状が進むと金額が上乗せされていき、例えば人工透析は一か月数十万円かかってしまうケースもあるようです。
高額な医療費は負担になりますが、受診を怠っていると病状は悪化し、更に治療費が跳ね上がってしまうため、定期的な受診は必須だと考えます。
少しでも治療費用を抑えるコツは、今使っている薬が先行医薬品である経口治療薬の場合は、後発医薬品であるジェネリック医薬品を利用することで安い価格で購入できます。
ただし、ジェネリック医薬品が発売されていない薬もあるので、医師に相談してみましょう。

(参考:医療経済研究機構 「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」

治療費の助成制度

また、国、自治体、健康保険組合などによる治療費の助成制度もありますのでご紹介します。
これらの助成制度は、自身で申請しなければ利用出来ないので、まずは制度のことを知ることが大切です。

高額療養費制度

健康保険が実施している制度で、高額医療費の自己負担を補填してくれます。
一ヶ月の医療費が規定額を上回った場合は、制度申請により、支払った医療費が返ってきます。自己負担額は世帯合算も可能ですので、入院や高額な治療を行った月は必ず申請しましょう。
詳しくは、加入している健康保険や病院などに相談してみて下さい。
(参考:全国保険協会

障害基礎年金

一定の障害を有することを申請し、障害として認定されるとで、支給される年金です。障害認定基準については、日本年金機構のホームページに記載されています。
(参考:日本年金機構

自立支援医療

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
「糖尿病」の場合は人工透析を受けている方などが該当します。
助成のための申請方法などは下記を参照下さい。
(参考:厚生労働省 自立支援医療制度の概要

特定疾病療養受領証の交付

人工透析治療を行っている人向けの健康保険の制度で、長期的な治療が必要な場合に、月当たりの窓口負担に上限を設けられる制度です。
人工透析を導入する際に、病院や健康保険組合いに相談できますので、是非検討してみてください。
(参考:全国健康保険協会千葉支部

小児慢性特定疾患治療研究事業(対象:原則18歳未満)

お子さんが糖尿病を患っている場合の助成制度です。
「糖尿病」(1型、2型、その他)が含まれる制度で、納税額に応じて、治療費の自己負担額が軽減されます。自己負担額の上限、申請のルールについては厚生労働省のページをご覧ください。
(参考:厚生労働省 小児慢性特定疾患治療研究事業の概要

特別児童扶養手当(対象:20歳未満)

こちらは、扶養家族(20歳未満)が障害を有している場合に支給される手当で、糖尿病のお子さんが対象となるケースもあるので、市町村役場へ問い合わせください。
(参考:厚生労働省 特別児童扶養手当について

まとめ

読者の皆さん、「糖尿病」の基本的な知識はご理解いただけましたでしょうか。
「糖尿病」は国民の5人に1人がなる生活習慣病でありながら、放っておくと非常に危険な合併症を引き起こす病気であることはお分かりいただけたと思います。

「1型糖尿病」、「2型糖尿病」共に、発症する明確な原因が分かっていないものの、2型に関しては生活習慣の改善を行うことが、発症を防ぐことに繋がることも紹介しました。
健康な方も予備群かも?と思っている方も、「糖尿病」にならないように、規則正しい生活をし、心も身体も整えていきましょう。

「糖尿病」と診断された方は、生活習慣の改善が必要であり、治療を続けることが難しいと思われる方もいるでしょう。
しかし、近年のIT技術の進化でお手元のスマートフォンで簡単に生活習慣の管理ができるようになりました。機器連携によって自動で血糖値や血圧が計測でき、携帯電話、スマートフォンのカメラで簡単に食事の記録ができる「Welbyマイカルテ」がオススメです。是非一度アプリをインストールして試しに使ってみて下さい。

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