糖尿病網膜症とは?失明の原因にもなる糖尿病網膜症の知っておくべき基礎知識

糖尿病網膜症とは?失明の原因にもなる糖尿病網膜症の知っておくべき基礎知識

こんにちは!Welbyメディア編集の高橋です。

2012年にアメリカの糖尿病学会機関誌「Diabetes Care」にて、日本を含む世界の「糖尿病」の患者さんの約3分の1に何らかの網膜症、その約3分の1は何らかの視覚障害を起こしているというデータが掲載されたそうです。

平成24年「国民健康・栄養調査」によると、日本の「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病有病者)は約950万人とされています。国や地域により多少の差はありますが、この人数をデータにあてはめてみると、「糖尿病網膜症」を発症している人は約300万人、その中の約100万人は何らかの視覚障害を起こしている可能性があると推測されているのです。
多くの患者さんがいる「糖尿病」の合併症である「糖尿病網膜症」とはどのような病気なのでしょうか。

本エントリーでは「糖尿病網膜症」について、詳しい症状や原因などを解説します!

参考:American Diabetes Association

参考:平成24年「国民健康・栄養調査」

1.糖尿病網膜症とは?

糖尿病」の合併症のひとつに、細い血管へ影響することで起こる細小血管障害があります。細小血管障害の代表的な症状が、目に起こる合併症・腎臓に起こる合併症・神経に起こる合併症という3つです。この3つの症状をあわせて「糖尿病性三大合併症」とよばれます。
糖尿病網膜症は糖尿病性三大合併症の「目に起こる合併症」です。

糖尿病網膜症とは?

糖尿病網膜症とは?

1-1. 糖尿病網膜症の原因

眼の仕組みはよくカメラに例えられます。
一般的に黒目と呼ばれる角膜のすぐ後ろにある水晶体がレンズ、更にその後ろにある眼球の形を作っている硝子体を覆っている薄い膜が網膜でフィルムの役割を担います。外から光を受けると角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜に像として映ります。レンズを通した被写体がフィルムに映る仕組みと同じような流れです。

眼球の構造

眼球の構造

糖尿病」により高血糖状態が続くと、目の網膜に張り巡っている細い血管が傷つきます。網膜の血管が傷つくことで、血管が変形したりつまりを起こしたり、ひどくなると出血も起こします。この「糖尿病」が原因で網膜が傷ついた状態を「糖尿病網膜症」といいます。

2.糖尿病網膜症の症状

「糖尿病網膜症」の大きな特徴のひとつは初期症状に自覚がないことです。症状の進行状態によって3段階に分類することができます。

2-1. 第1段階:単純糖尿病網膜症

初期段階であり、この段階では視力に影響はありません。そのため自覚症状の無いことが一般的です。

網膜の血管に「毛細血管瘤」というコブが表れます。コブの他にも小さな点状や斑状の出血が見られることもあります。脂肪やたんぱく質が沈着したシミ(硬性白斑)、血管がつまってできたシミ(軟性白斑)が表れることもあります。

2-2. 第2段階:前増殖糖尿病網膜症

第1段階より少し症状が進んだ段階です。この段階でも視力に影響が無く、まだ無自覚な状態の方も多い状況です。しかし個人によっては以前より視界がかすむという症状を認識する方もいるようです。
第1段階で発生した血管障害が進むことにより、網膜に酸素が行き渡らないという状態になります。網膜の酸素不足を解消するために、眼球は新生血管という新しい血管を作り出そうとします。

2-3. 第3段階:増殖糖尿病網膜症

第2段階で準備段階に入っていた新生血管が実際に作られ、網膜や硝子体に進行していく段階です。

ここまでくると視界の一部にカーテンがかかったようにかげり視野が狭くなり、飛蚊症という視界に黒いごみのような物体がちらつく症状も自覚することがあります。出血が進むと視力も低下します。その他にも網膜が剥がれてしまう網膜剥離といった症状を起こしてしまうこともあります。

3.糖尿病網膜症の対策

糖尿病網膜症の対策

糖尿病網膜症の対策

公益社団法人日本眼科医会によると、「糖尿病網膜症」を発症するまでの期間は1~20年以上と幅があり、平均15年で約40%の人に発症しているそうです。

糖尿病」を発症してからの期間が長いほど、網膜症の発症確率があがります。

近年は食事や生活環境の変化により40歳未満の若い世代でも「糖尿病」を発症する人口が増えてきています。「糖尿病」の発症が若い時であればあるほど、網膜症も発症しやすくなるということです。

3-1.眼科を受診しよう

「糖尿病網膜症」は第1段階から数年単位では自覚症状が無く、重症化するまで視力に影響しないことが多いため、重症化して初めて眼科を受診するというケースが少なくない現状です。

糖尿病」と診断された後は眼科の受診が必須となります。そして一度眼科を受診して異常がなくとも、年数を置くと発症が進む網膜症の対策のためには、定期的な眼科の受信が重要となります。

3-2. 網膜症の治療法

近年、「糖尿病網膜症」に対する治療手段はとても進化しています。網膜症は自覚症状の無い初期段階でも治療可能です。定期的に眼科検診を行い、網膜症の初期段階が認められたらすぐに治療することが、その先の自分の眼を守ることに繋がります。

■レーザー光凝固術

レーザーを照射し、新生血管ができるのを予防したり、発生してしまった新生血管を焼きつぶすことで出血を予防する治療法です。

■硝子体手術

新生血管からの出血や、網膜剥離が起こってしまった場合に行う硝子体の手術です。吸引カッターで出血を吸い取る、剥がれた網膜を戻すといった処置が行われます。

4.おわりに

「糖尿病網膜症」の症状や原因などについて解説しました。

糖尿病」を発症した際には、同時に網膜症へも意識を向けることが重要です。眼科を定期的に受診することで早期の発見、症状の悪化を予防することが可能となります。

大切な自分の眼を守り、視力の低下を防ぐためにも「糖尿病網膜症」への対策をおすすめします。

著者紹介


本記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証したり、標ぼうするものではなく、また医師・医療従事者等による情報の提供は、個別具体的な患者に対する診断・治療行為ではありません。本メディア上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


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