脂質異常症の症状とは?気づかないうちに血液がドロドロ!?脂質異常症の基礎知識まとめ

脂質異常症の症状とは?気づかないうちに血液がドロドロ!?脂質異常症の基礎知識まとめ

こんにちは!Welbyメディア編集の高橋です。

「脂質異常症」とは「糖尿病」や「高血圧」と並ぶ代表的な生活習慣病です。
しかし、日本人の5人に一人が疑いのあるとされている「糖尿病」や、10人に一人が疑いのあるとされている「高血圧」と比べると、「脂質異常症」がどのような疾患であるか、詳しく把握している方は多くないかもしれません。

(出典:厚生労働省 平成26年(2014)患者調査の概況

「脂質異常症」とは文字通り体内の脂質が適切ではない状態です。体内で脂質が異常だと、身体にどのような影響があるのでしょうか。
そこで本エントリーでは「脂質異常症」の基礎知識について解説します!

1.脂質異常症とは

脂質異常症とは?

脂質異常症とは

脂質異常症とは

「脂質異常症」は「糖尿病」や「高血圧」と同様、生活習慣病の一つです。日本でも食生活の欧米化と共に、患者さんの数も増加しています。
適していない食事や運動不足により、血液中の脂肪分が増え、血液がドロドロになります。血液がドロドロのため、血液の流れが悪くなり、「動脈硬化」やさらに悪化すると「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった命に影響のある疾患につながります。そのため、決して軽視できる疾患ではありません。

(出典:厚生労働省 平成26年(2014)患者調査の概況
(出典:一般社団法人 日本臨床内科医会 脂質異常症(高脂血症)

血液中の脂肪とは?

人の血液の中には脂肪が含まれており、血液中の脂肪酸と結合した型とそうでない遊離型のコレステロールの総称を総コレステロールといいます。
この総コレステロールにはLDLコレステロールHDLコレステロール中性脂肪(トリグリセライド)が含まれており、それぞれの検査結果をもとに診断します。

なお、それぞれのコレステロールの計算式は下記のようにして求めます。
総コレステロールLDLコレステロールHDLコレステロール+(中性脂肪/5)

脂質異常症の症状とは?

「脂質異常症」は全く症状がない疾患といわれています。そのため、定期検診で血液検査をして初めて気づく方が多く、血液検査を受けていないと全く気付くことなく、重症化してしまう可能性がある疾患です。重症化して「脳梗塞」や「心筋梗塞」を発症して、初めて「脂質異常症」だった・・と気づくこともあります。そのため、定期的な検査や予防への取り組みが大切です。

(出典:一般社団法人 日本臨床内科医会 脂質異常症(高脂血症)

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昔は高脂血症と呼ばれた脂質異常症

「脂質異常症」は血液中の脂肪値が高い状態のことで、以前は「高脂血症」と呼ばれていました。しかし、善玉コレステロールであるHDLコレステロールは血液中の値は高い方が望ましいため、2007年4月に日本動脈硬化学会がガイドラインの改訂を行い、疾患の名称が「高脂血症」が「脂質異常症」へと変更されました。
ただし、現在でも診断名や薬が処方される際には「高脂血症」の名称が使われることもあります。

(出典:日本動脈硬化学会 動脈硬化の病気を防ぐガイドブック

脂質異常症の患者数

厚生労働省の「平成26年患者調査」によると、「脂質異常症」の治療を受けていると推測される人数は約206万人です。男性は約59万人、女性は約146万人と女性の方が多い傾向にあります。

(出典:厚生労働省 平成26年(2014)患者調査の概況

2.脂質異常症の基準値

脂質異常症の基準値

脂質異常症の基準値

「脂質異常症」は高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症の3つの状態の総称です。それぞれの診断基準は下記の通りです。

なお、LDLコレステロールHDLコレステロール中性脂肪(トリグリセライド)ともに空腹時の採血を原則としており、また、薬物療法を開始するための値ではありません。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

140mg/dl以上 → 高LDLコレステロール血症

LDLコレステロールは肝臓で作られ、血液の流れと一緒に全身へコレステロールを届けます。その際血管の壁にコレステロールを付着してしまい、「動脈硬化」を促すことからLDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれます。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)

40mg/dl未満 → 低HDLコレステロール血症

HDLコレステロールは体内の余分なコレステロールを回収し、肝臓へと運びます。この働きからHDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれます。
この善玉コレステロールが少ないと、血管に付着しているコレステロールが減少しないため、数値が低いと血液中に余分なコレステロールが残り、「動脈硬化」や「脳卒中」などの心血管イベントのリスクが高まります。

中性脂肪(トリグリセライド)

150mg/dl以上 → 高トリグリセライド血症

身体を動かすエネルギーとなる中性脂肪(トリグリセライド)は、グリセリン(モノグリセライド)に3つの脂肪酸がくっついて形成されています。基本的に食事で摂取する脂肪はほぼ中性脂肪です。

(出典:日本動脈硬化学会 / 日本医師会 脂質異常症治療のエッセンス
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

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3.脂質異常症の危険性

脂質異常症の危険性

脂質異常症の危険性

動脈硬化から心筋梗塞、脳梗塞につながる可能性も

「脂質異常症」と診断されても、すぐに何かしら病気の症状として表れるものではありません。また、「脂質異常症」の自覚症状はほぼありません。しかし、コレステロール値が高い状態は、「動脈硬化」を起こす確率が高くなります。
動脈硬化」とは血管がどんどん狭くなり血液の流れが妨げられる状態で、悪玉コレステロールが血管の壁に付着させている余分なコレステロールも血管を狭くする原因のひとつです。「動脈硬化」の症状が悪化すると、最終的には血液が流れなくなり、これが「心筋梗塞」や「脳梗塞」の発症へとつながります。

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4.脂質異常症と診断されたら

「脂質異常症」だと診断された場合、生活習慣の改善が必要です。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い方

LDLコレステロールの上昇は食事にあります。気をつける点は食事の内容です。特に肝臓でのコレステロール合成を促進させる食べ物が、飽和脂肪酸を多く含む脂肪のある食品です。
卵黄や牛乳などの乳製品、肉類、ケーキやドーナツなどの洋菓子類など、動物性の脂肪が多く使用された食品は過剰摂取しないように意識することが求められます。

なお、LDLコレステロールは「メタボリックシンドローム」の診断基準ではありません。「メタボリックシンドローム」は内臓脂肪と強い関係性がありますが、内臓脂肪に蓄積される脂質は中性脂肪であり、LDLコレステロールの蓄積とはあまり関係性が強くないからとされています。

(出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い方

HDLコレステロールの低下は肥満、喫煙、運動不足を原因としています。適度な運動や減量、禁煙によりHDLコレステロールの上昇が見込まれます。

なお、「メタボリックシンドローム」の場合、内臓脂肪に蓄積される中性脂肪の影響を受けて、HDLコレステロールの値が下がります。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

中性脂肪が高い方

中性脂肪は甘いもの、お酒、油分の高いもの、炭水化物の高い食品などを食べ過ぎて、カロリーの摂りすぎが原因で上昇します。カロリーが高いとされる甘い物や清涼飲料水を間食として大量に摂取したり、アルコール(お酒)の飲み過ぎは避けるべきです。
中性脂肪を下げるにはカロリー(エネルギー)の過剰摂取を控える必要があります。
また、有酸素運動は中性脂肪を減らすと同時に、HDLコレステロールを増やす事に繋がるため積極的に行いましょう。ただし、過度な運動は危険なため、医療者に相談しながら生活習慣の改善を目指すことが重要です。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

5.脂質異常症の大きな原因!コレステロールとは

脂質異常症の大きな原因!コレステロールとは

脂質異常症の大きな原因!コレステロールとは

コレステロールとは脂質のひとつです。脂質と呼ばれる物は、油脂・ステロール類(コレステロール等)・リン脂質・脂溶性ビタミンなど細かく分けられます。
グリセリンと3つの脂肪酸が結合している油脂には更に種類があり、大きく身体に良い物と心疾患のリスクとなる物に分かれていることが特徴です。リン脂質も体内で作られる細胞膜の一部となる重要な脂質です。
そして、どの物質も適切に摂取を行わない場合、悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの減少、血管にコレステロールを溜めるなど、最終的にはコレステロールに影響があります。

重要なのは血中コレステロール

コレステロールは食事からの摂取だけでなく、実は体内で作ることのできる脂質です。主に肝臓で合成されています。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、体内に存在するコレステロール量全体の割合として、食事摂取で得られるものが20~30%に対し、体内で合成されているものが70~80%だということです。
そして食事摂取と体内合成の関係として、食事でのコレステロール摂取値が増えると肝臓での合成が減少し、食事での摂取値が減ると肝臓での合成が増加するというものがあります。健康な状態の場合、基本的に体内のコレステロール値は一定に保たれるようになっているようだということが判明してきたのです。
これにより「卵は1日1個まで」というような極端なコレステロール制限は、血中のコレステロール値においては必要がないということで目標値の撤廃という流れになりました。

(出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準

おわりに

本エントリーでは脂質異常症の基礎知識について解説しました。
「脂質異常症」は様々な病気の危険因子となりますが、反対にしっかり予防・改善すると同時に他の病気の予防対策にもなります。特に生活習慣病はそれぞれが影響しあうことが多いため、自覚症状がないからといって放置せず、早めの意識と対策が重要です。
LDLコレステロールHDLコレステロール中性脂肪(トリグリセライド)の数値が大きく影響する「脂質異常症」ですが、食事や運動など生活習慣そのものを改善することが大切です。
生活習慣を変えるということは、当然1日だけの努力ではなく、継続していくことが欠かせません。しかし、自己管理をうまく続けられないという方も少なくありません。
生活習慣の改善の第一歩は、自分が何を食べ、どれほどの運動をしているかを把握することです。自身の生活実態を把握していないと、何を改善すべきか、何が改善できたかを理解することすらままなりません。
そこで、お手持ちのスマートフォンで食事の写真を撮って振り返ったり、1日何歩歩いたかを記録するアプリの活用をオススメしています。
Welbyマイカルテ」では毎日の食事を写真で記録することができるため、その場では分からなくても、後ほど落ち着いてコレステロールの摂取具合などを見返すこともできます。客観的な自分の食生活の見直しをすることで、自己管理を正しく続ける手助けとなることでしょう。その他にも血圧、血糖値、体重など生活習慣病に関連することを簡単に記録できます。

過度な食事制限や運動などをしないよう医療者に相談の上、「脂質異常症」の危険性を正しく認識し、予防・改善をすすめましょう!


著者紹介



本記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証したり、標ぼうするものではなく、また医師・医療従事者等による情報の提供は、個別具体的な患者に対する診断・治療行為ではありません。本メディア上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。本コンテンツに関するデータ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなどは掲載当時のものです。


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